薄闇の中に残された
一つの林檎から
向かい合い互いの髪を切った
鋏で剃刀で鑿で鋸で
欲深く嗜好を相手に負わせ続けた
二体の異形は言葉を上擦らす
「わたしたちは互 ....
鳥のように飛翔できるつばさがない
けもののように駆ける脚力はない
魚のように遊泳できる尾びれもない
無為無能の俺はやっといま気がついた
....
晴れだ
汚れた車を洗おうと
バケツに水を汲み運ぶ
曲がり角で
バケツが少し回転する
バケツの小さな遠心力が手に伝わる
あっ
懐かしい感覚
身体に染み込んでいる楽しい感覚
....
あの不安定だったひととき
この人のためなら
自分が持っているすべてを
投げ打っても構わないと思った
自分はこの一時、血迷っているだけなんだろうな、とは気付いていた
一晩も経てば、正気に戻 ....
{画像=140712005301.jpg}
あれは5月の終わり
小学生のぼくは
一人で仲間から離れ
体育館の横の鉄棒の側の
紅いダリアに見入っていた
転がり ....
マリアとは思えぬ顔の踏み絵あり
職業欄に忍者と書いて消したあとがある
こころの透明な日に海がやってくる
あてどもない迷いに逢いにやってくるのだろうか
迎えるすべをしらない私はとおい砂浜で貝を観察したり
でも思い出に似た貝殻をさがしてみる
光沢を失った風景 ....
波打ち際
ビー玉大 小ジャリ拾う
口にふくむ
「私 見張り番をしたのよ」
「何の? なぜ?」
「砂泥棒の・・・コロッケを買うお金欲しかったの」
....
飛ぶ
ということを手放して
風を作る
ということを手に入れた
君は無口なプロペラ
人間が涼む
猫が涼む
テーブルの上のうすい紙切れを
宙へ舞い上げる
いたづら
わたしに見え ....
吊り輪にぶらさがってる
隣の女の子を
虫ピンでとめた
面影がみている瞬間
終電だけにゆるされた
いちばん夜の街
帰れないうつくしさ
ノイズみたいに走る車窓
ひそやかにリアルをのりつぐ ....
おでこに半額シール貼った女が四畳半の部屋にぎっしり
【水だ】
空が、しだいにコーラルブルーに
かすむ
骨だけになって、鯨は
今日も尾頭付き
水族館の いっかいから
二階にかけて
....
小籠りくすぐりあっているのが
お仕事に影響するのは、はた迷惑ですね
「嫁の躾しろよ」という話になる
小籠りくすぐりあっているのが
生活を後ろ楯るのはいいですね
仕事は進む ....
生卵ぐちゃぐちゃにして生きろ生きろカレーライス
体温計がなく温度計を脇にはさんでいる闇
星の残像をまぶたで凝視する無力すぎて聞こえない鮮明な色
古ぼけた皮膚のままスキなだけ歌を歌って夜が沈む
昨日の終わりのこないままで
指のすきから産まれおちる五線譜
もっとふかく溺れたいのもっと ....
あなたの手にする
てるみーという不思議な棒は
香の煙をもくもく漂わせ
熱を地肌に{ルビ擦=こす}りつつ
体の痛みを和らげます
私の妻が
顔をしかめた腰痛も
止まらなかった咳さえも
....
雨が降ったあとだけ
わたしは
この世に生まれます
黒い空から
産み落とされたというのに
見上げれば
――おもいわずらうことなど最初からなかったように
――おもいわずらうことは誰で ....
太陽が見えない
月も星も輝かない
この地上は暗く濡れたまま
夜が明ける
夏の黒富士に残雪の傷
目前の山肌は湯気立ち霊気を放つ
この血は静かに震え
夜が明けた
この命が熱り立 ....
台風が近づいている。
ここのところ運よく逸れているだけに最大級の力を持つとは怖い
甚大な被害とは、不安定な人間にとって死を意味するようなものだから。
しかもワールドカップの準決勝が ....
貝殻を耳に当てると
遠く 波の音が聞こえる
貝殻にたくさんの
波の音が記憶されてるから
貝殻を耳に当てると
記憶を共にできる
貝殻が聞いて来た音
海水浴ではしゃぐ人々
浜辺 ....
水が氷になると、体積がいくらかふえる
でも水蒸気になると1700倍になる
最近やっと知ったのだが(あまり当てにならない)
そうかそれで蒸気機関車ね
いわゆるビッグバンか何かが
どうし ....
繋いだ手から幸せの香り
メガネをはずそう
まわりがかすむよう
少しは自分が見えるかもしれない
小雨の中
モンシロチョウが
ヨロヨロと飛んでいる
どこかの葉陰で休めばいいものを
そんなになってまで
なぜ飛ぶのだ
腹が空いて蜜を探しているのだろうか
子孫を残すために相手を ....
{画像=140706133117.jpg}
フリーという言葉に何を思い浮かべますか?
海月(くらげ)?
海面に写る月の影のように
ゆらゆら揺れて
掴もうとする ....
ぼんやりするひとときがすきだ
ふだんそれほど張りつめているわけでもないのだが
焦点のないゆるさがもともとすきなのだろう
いわゆる生産的ではないだろうそんな時間
とくに創造的である必用も ....
身を粉にして何も残らない
日常の時間という縦糸と
家族と付き合いの横糸
そこに堆く積まれている
それぞれの人生
ちょっとした布のほころびに
突然落下しそうになった君
何年ぶりだろうか
いや、三五年ぶりに手を繋 ....
イナエさんのおすすめリスト
(3780)
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14-7-12
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14-7-11
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14-7-9
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体温計がなく温度計を脇にはさんでいる闇
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