タンス                  太宰を愛読した母に
               
私は息を殺して そっと 新しいタンスに耳を当てている
朝から、母がタンスから出てこないのだ
怒りの ....
衝動的かつ冷静さは皆無
迷うではなく凶暴
未来の為ではなく今の欲

それが私だと村長は言った
「皆からは素晴らしいと言われる」
心から残念そうに呟いた

少女には意味が分からなかった
 ....
無医村で新蕎麦を打つ整体師 いつのまに窓があいたのだろう
生きものみたいに絡まった衣服を
わたしのものと、
あなたのものに
分けるときにはじめて
からだが千切れるように感じました
逃げている
追いかけてくるものから
ひたすらに逃げる夢

スローモーションで
お決まりのように
足が重くて
だるくて
走れないのに
すぐそこにまで
迫りくるものから
逃げている
 ....
向日葵の前で大きく背伸びする どんなにおそろしいか
どんなにふあんか
まくらやみのなかで
ふみだす そのいっぽ

声をかけられなかった
ずっと昔
学校帰りの交差点で
その人は白杖を持って
信号待ちをしていた
声 ....
苦い血が鉄扇の錆 富士山にいつか二人で登ろうね天保山で指切りをした 書けないときは
過去作でもなんでも
コンスタントに毎日投稿し続けて
さくさくお茶を濁しつつ
ポイントだけは
こつこつ稼ぎたい・・と
いよいよポイント依存症になりつつある
という自覚はある ....
虚空に向けて指さす人
その指先は何を示す
道標
明日の空
去っていった人の背中

夏の香りを衣装箱にしまい込み
スマホの写真を整理
一つ 一つ
削除しながら
思い出にサヨナラを告げ ....
      肉腫

ウクライナで民間機が撃墜された日
駅前のロータリー 車のうえから叫ぶモノがいた
シナ人を追い出せ 朝鮮人を追い出せ 叩き出せ 殺せ

安田講堂に全共闘の旗がひるがえり  ....
見ろよこのクソを
あんあんあんあん
いい声で啼きやがる

666∞999

全方向全時間に開放された人倫の世界だ

666∞999

見ろよこのクソを
これが感情の劣化だ
女の ....
ありふれた寂しさに月を絞って飲む 僕たちはすれ違う小彗星のように
尾をひきながら歌って生きてゆくのだ

そのときに交感した想いだけが
やさしいえねるぎーとなってさらに
宇宙の深奥へと誘われる生命なのだから

まだ魚だった ....
空き瓶がある

それは

何かを閉じ込めていたもの

何かを守っていたもの

何かを保っていたもの

もうなくなってしまった

色や匂いをわずかに残す

それは瓶の記憶
消えたデータは消えたかったから消えたのさ
晒すものではなかったらしい 小癪だがな

二度目を脈打つと まったくの別人

アンタ誰なのさ まぁよかろう

 アタシはドライ詩が書きたかったの ....
     さくら
ガラスの向こう そのむこう 窓ガラスのむこうに
水銀灯に照らされ さくらの花が満開でした
風が吹いたのか
さらさら さらさらと 寂しく花びらが舞っています

レモンの匂う ....
今日は一日平穏に終わったと
一日に句点は打てたと
なにかに感謝する自分がいる

今日はちょっと辛いことがあったと
でも一日に句点は打てたと
なにかに礼をする自分がいる

今日はタイトな ....
新しい文明についていけない、老い、ヤラレル、という人々をターゲットに 
マネーゲームは 果てしない

今日も 宅配便の中年が 老婦人が出した百円玉が一枚足りないと
トロクサイ手つきを笑い ....
詩を待つように 私を待つ
たとえばバス停
駆け込み乗車して
時間に運ばれていく人と
置き去りにされる私
発車したバスがベンチから遠ざかるスピードで
私たちの溝はできてゆく

同じ街まで ....
吹き渡るのは九月の
上風を食む草いきれの歌
輝きのなかの
沈黙よりもお喋りな
聞き流し
自転車は立ち止まり
カレーパンを頬張り
文庫本を繰って
雨上がりにはきっと
昨日よりも青く
午後をもっと愛 ....
名月や肩に乗りたる兄の声  論理というのは
 ギアボックスみたいなもの
 私たちの心に構築され
 その行動を、司る

 でも、
 スチールの
 箱の中に押し込められた
 小さな歯車の数々が
 錆びつき、牙が欠 ....
冬の間近に聴こえた去勢の声が
立ち止まらない足跡に踏み締められてしまって
還らない記憶となる

季節は幾度も挨拶してくれるが
それ以上語り合うことはないので
私の名前を一向に憶えてはく ....
何年ぶりだろう
二人で食べる黒蜜のあんみつ

手術前のある日の病室

老舗の和菓子屋の前を通り
ふと気づいて買った
お土産のあんみつ

あんみつの中には
紅白の求肥や赤豌豆
漉し ....
いちじくがなりすぎて
おしうりされて
いやになる きみの
ことがだいきらいなわけではないけど
だいすきなわけでもない
いっそきらわれたほうがましとでもいうように
そのみはすこしわれていて
 ....
思いがけない{ルビ邂逅=かいこう}に男女はお互い{ルビ憐憫=れんびん}の情が湧いた
二人は胸の内で 相手が声を掛けてくれるだろうと思っていたが
どちらも声を掛けられなかった その時初めて未だに好 ....
黒い視線がデッサンを始める

 その前に

匂やか印象だけを舌先に灯し

  駆け引き

{ルビ張子=はりこ}のロマンス欲情田舎芝居

   止まずに

降り続く冷たい天使の死 ....
無傷で帰ってきやがって、と
言われるのだろうな、あの世で。
いや、神様は上品だから
無傷で帰っていらっしゃるなんて、と
やんわりと非難されるかもしれない
かすり傷ひとつあれば
神様は黙って ....
イナエさんのおすすめリスト(3780)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
タンス- 島中 充自由詩714-9-12
村長と少女- 陽向自由詩5*14-9-12
無医村で新蕎麦を打つ整体師- 北大路京 ...俳句614-9-12
生きもの- はるな自由詩914-9-11
逃げる- Lucy自由詩19+*14-9-11
向日葵- chiharu携帯写真+ ...8*14-9-11
白杖の人- そらの珊 ...自由詩23*14-9-11
苦い血が鉄扇の錆- 北大路京 ...自由詩714-9-11
富士山にいつか二人で登ろうね天保山で指切りをした- 北大路京 ...短歌214-9-11
ポイント依存- Lucy自由詩12*14-9-10
【_指さす人_】- 泡沫恋歌自由詩24*14-9-10
肉腫- 島中 充自由詩314-9-10
リセット- 2012自由詩1*14-9-9
ありふれた寂しさに月を絞って飲む- 北大路京 ...自由詩614-9-9
彗星のうた- 梅昆布茶自由詩2114-9-9
空き瓶- あつ自由詩214-9-9
晒詩- 朝焼彩茜 ...自由詩16*14-9-9
さくら- 島中 充自由詩714-9-9
いったい、いつからだろう- HAL自由詩12*14-9-9
おいやられる。- 為平 澪自由詩9*14-9-9
私を待つ- 為平 澪自由詩15*14-9-9
雲ゆく人よ- 天地無用携帯写真+ ...6*14-9-9
名月や肩に乗りたる兄の声- 北大路京 ...俳句214-9-8
錆びついた歯車- まーつん自由詩12*14-9-8
- 乱太郎自由詩15*14-9-8
あんみつ- ……とあ ...自由詩34*14-9-8
いちじく- そらの珊 ...自由詩18*14-9-8
邂逅- 陽向自由詩7*14-9-8
たばこを吹かす女- ただのみ ...自由詩20*14-9-7
神様の言い分- りす自由詩4+*14-9-7

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