破裂した精神から
無数に咲き乱れる
色とりどりの気球
大気圏を目指すアストロノーツ

「僕らはこの星の火傷そのもの
 剥離する瘡蓋だ―― 」

 ――なのに捨てきれない!

抱き寄 ....
春眠の耳に熱めのお茶注ぐ 金持ちも貧乏人も春眠し 誰もが夕暮れには傾いて見える
家へ酒場へあるいは虚空へと

夕暮れに姿勢がいいのは
電信柱と案山子だけなのかもしれない

僕はきみに傾いてゆきたい
いつかきみの傾きとぶつかるまで
アリスは うさぎに
不思議の国に
連れて行かれた

私は うさぎに
お馬の国に
連れて行かれた

アリスの場合
お膳立てしたのは
少女趣味の数学者

私の場合
お膳立てしたの ....
昔の駅は博物館
万世橋は筋違い
薄闇まぎれて広小路
人波揉まれて日本堤か
ツツっと向かう大門へ
朝、明け方まで夢うつつ
今年もつばめがやってきた

帰ってきた
と言う

うちで生まれたつばめや
と言う

小さいな
よく動くな
と話す
話し合う

家族
という言葉を
改めて感じる
春の我が ....
いまは幾度めの春なのだろう
遠い昔のような
つい昨日のような

子供たちもそれぞれに
この世界のどこかへ
紛れていった

いまも日々の食をもとめて
彷徨う身にも春はやさしい

な ....
絶交をしたこと忘れ春日影 空がこんなに青いのに
死にたいと嘆く 冷蔵庫101号室に住んでいるレモンなんてジュースにして
空のそらぞらしさなんて
御構い無しに たわわに実った 金柑の実を小鳥のようについばんで
よもぎのパ ....
君に会えないその時は
花でも摘みましょうか
それとも窓辺で
恋歌でも歌いましょうか

花占いももう飽きた
君は{ルビ何処=いずこ}の空の下
誰を待っているのでしょう

さらさらさらさ ....
音なくひかりだけで

さくらが爆発している

いきものたちの銀河

散ってゆく

さようなら

いきものたちの銀河

さくらが爆発している

音なくひかりだけで


 ....
三月のかた雪の上を歩いて
湖を行くと
半分水につかったまま
凍りついた樹の枝に
ふくろうがいた
ふくろうは目を閉じていたが
やがてゆっくり見開くと
私をみつめた

ひらべったい猫に似 ....
雪国の春は
急に速足でやってくる

庭の雪がみるみる解けて
クリスマスローズは
地面に張り付いていた体を
ゆっくり持ち上げて
太陽を見てる
土に溶けてしまった葉っぱもあるが
その真ん ....
昔大きな戦争があったことを
食卓のバナナは太陽に教えてもらった
黄色い時代だったという
バナナは自分が青かった頃に住んでいた国について
通りかかった風に話し始めた
小さな島がたくさんあっ ....
死んでみてわかった

あの世の消費税は
100%なんだよと
父が逃げるようにこの世に帰ってきた

それが私の息子だ

あの世でも
何かを消費しなければ
生きていけないら ....
待望のデートを流す土砂降りはテルテル坊主のジェラシーのせい 廃屋に一本の桜が立っている
誰一人愛でる人もなく
人知れず枝を伸ばし
花を咲かす

月明かりの夜
街灯に照らし出されて
ぼんやりと薄桃色の
その姿を浮かび上らせていた

夜の静寂に ....
乳児用の細軸綿棒で耳掃除をすると
耳の奥深くに綿球が入り込み
ふつうの綿棒では届かない部分で感じるわずかな痛みと恐怖が
心地よい

目には見えぬ自分の鼓膜付近で
薄い皮膚と細い紙軸の綿棒が ....
かなしみをください
あなたの傷口のように深い夜に

ことばをください
書き忘れた遺書のように
端正に綴ってみたいのです

桜が眼に沁みてなぜかせつなく
なにかを教えてくれるのですから
 ....
両腕を広げて君は雨を待つ買ったばかりのレインコートで こぬか雨骨にしみいる寒さかな

春の雨歩みは遅く花遠く

想ふても雨に流され春の宵
 
月夜の桜にご用心

照らされた花吹雪に心をもっていかれるという

そんな夜はおひとりになりませんように



 
こんな風に思ったことはないですか
私の不幸せは誰かの幸せの代償で
光がある故の影のよう

どんなにあがいても
この運命から逃れることができない

私の黒い欲望は
誰かを傷つけてしまいそ ....
夜勤の作業台
部品のはんだ付けをしながら
あくびが出る
慣れない頃は眠ってしまって
何度も火傷をした
今夜も気をつけなくては

はんだ付けはやり直しができて
部品の取り替えができる
 ....
もうすぐやってくるものを迎えるために
部屋の配置を変える
“あるがままを受け入れる” それが存在の呟きだとして・・・
翼は鳥に似合う
「重いものを背負っていますか?」
おせっかいをやいてみる ....
別に昆虫の話じゃありません
これは一種の開き直り
あなたは平和主義者ですか
わたしは違います

大仰に言ってみても
所詮 頭と胸
頭で知った理想を
胸にぶら下げて生きること
本音と建 ....
木蓮の近くに寄せる車いす 高戸橋から江戸川橋の間
神田川は桜に抱かれている

護岸に並んだ二百数十本の幹から
幾千の枝が
それらの枝はその幹の根よりも低く
深く
川面を抱きしめる

ビルとビルに挟まれた都心の ....
私に背中を見せたまま
茫然と立ち尽くしている人を
振り向かせたいから
静寂の悲しみを震わせるために
遠くまで聞こえるように
私は心を刻むのです


私の影に隠れてしまって
ひざを抱え ....
イナエさんのおすすめリスト(3746)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
地球詩人- ただのみ ...自由詩24*14-4-4
春眠の耳に熱めのお茶注ぐ- 北大路京 ...俳句214-4-4
金持ちも貧乏人も春眠し- 北大路京 ...俳句414-4-4
夕暮れ- 梅昆布茶自由詩2514-4-4
アリスと私とお馬- 小川麻由 ...自由詩5*14-4-4
筋違門- ……とあ ...自由詩8*14-4-4
春の家- 朧月自由詩1014-4-4
三毛猫のうた- 梅昆布茶自由詩1914-4-4
絶交をしたこと忘れ春日影- 北大路京 ...俳句614-4-3
ちいさなコントラバス- るるりら自由詩21*14-4-3
花曇り- 未有花自由詩20*14-4-3
音なくひかりだけで- 吉岡ペペ ...自由詩814-4-3
ふくろう- Lucy自由詩19*14-4-2
雪の下から- Lucy自由詩8*14-4-2
落花生- 乱太郎自由詩25*14-4-2
消費税- 小川 葉自由詩714-4-2
待望のデートを流す土砂降りはテルテル坊主のジェラシーのせい- 北大路京 ...短歌514-4-1
【_廃屋の桜_】- 泡沫恋歌自由詩23*14-4-1
細軸綿棒- ichirou自由詩8*14-3-31
憧憬。春- 梅昆布茶自由詩24*14-3-31
両腕を広げて君は雨を待つ買ったばかりのレインコートで- 北大路京 ...短歌514-3-31
雨三句- ……とあ ...俳句8*14-3-31
ご用心- 殿上 童自由詩21*14-3-30
こんな風に思ったことはないですか- さとう  ...自由詩214-3-30
はんだ付けの夜- イオン自由詩4*14-3-30
曖昧な一日- 空丸ゆら ...自由詩1514-3-30
頭_胸_腹- ただのみ ...自由詩15*14-3-30
木蓮の近くに寄せる車いす- 北大路京 ...俳句414-3-30
桜/きっとそうするしかなかったのだろう- rabbitfighte ...自由詩5*14-3-30
触発- 寒雪自由詩714-3-29

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