独房の堀で羽を休めるアゲハ蝶
憐れみの蜜を吐き出す
黒い光沢に光りが反射して
影だけ先に飛んでいく


十七歳の部屋では少女が
明日を憂えていた
それでも敏感に影を捉えて
不意に彼女 ....
乗り越えなければならなかった
障壁は崩れ
敵だと思っていた相手の腕に
知らず支えられていた

唾棄すべきと思い続けた
内なる牢獄
私の手足を縛り
思考を閉じ込めた
古い価値
根拠の ....
『物差し』

幸せとか、不幸とか
いったい誰の
基準で決めるのですか

その基準となる物差しを
いったい誰が
持っているのでしょうか

あなたですか
神さまですか?


『 ....
賑やかな祝祭は
終わり
各人は家路に着いた
人の優しさ
温もりが
泉のようにあふれでて
懐かしい人の
胸を満たし
小さかった人は
見上げるような大人になり
いたわられる人となって
 ....
海が見える新興住宅地
まだ買い手のつかない広い区画には
イタドリ ススキ タンポポ 
何処からともなくやってきた
柳や白樺の若木も生え
地面は覆い尽くされることもなく
盛り固められた土が腐 ....
空に向け背骨を伸ばす登山口 ことばの奥底にある
私の声が聴きたい。
そう扉を開く時にいつもあなたはいない。

なかないで、
なかないで、
あなたはいつ ....
虫の音は過去から届くメッセージ紐解きながら浅い夢みる

つかめばするりと逃げてゆくとかげのしっぽに似た夜だ

まだら雲見ている猫の背中にもまだら雲がひとつぽっかり

朝起きて歯医者の予約を ....
硝子細工が嫌いだった

繊細で美しいけれど
あまりに脆くて

砕けることを恐れるのが
自分に向かない

そっと扱わなきゃならないのは
人の心だけで充分だろ
お揃いのザックストック登山靴 公園のベンチに座っていた
そよ風が恋人のように寄り添っていた
古いノートの中で
ことばは悶えた
それとも窮屈な服を着せられて
詩がのたうち回っていたのか

その時ひとひらの蝶が
記憶に ....
何処にも見つけることは出来なかったはずだ
そう訴えているかのように
私の視覚を証言台に立たせ尋問する
画家であれば画材は其れまでに蓄えてきた感情の十色
上手く言葉を塗り付けようとするが
もう ....
およそ文芸である以上読者がいて、
個人的な人生あるいは社会的になんらかの影響力をもつもの、
あるいは芸術としての愉悦を読者に与えるものでなければならない。
なんてね!

詩として

C4 ....
おそらくもう夏は行ってしまったのに
夕刻になると
埋葬されない蝉がうたう
取り残されるということは
ひとつぶの砂のような心地
苦いさみしさだろう
――さいごの一匹になりたくないのです
生 ....
北風の只中を防寒靴で歩いた、僕は
あの日の旅路を手にしたペンで、筆記する

   *

――記憶に蘇る、海の匂い
遠くに見える、断崖に近づくほど
潮の香りを鼻腔に…吸いこみ

断崖の ....
球体は弾けた
その飛散した一粒一粒の種子が
時代をあまねく代弁するかのように
ある方向へと向かって流れ出す

思い出して欲しい
白い腕が守ろうとしていたのは何だったのか
幸運の女神は目を ....
誰かが言った
士農工商悪人詩人
 
夜、虫のこえ

秋がそこにいた

でも、まだしまえない名残のTシャツ



 
皮を剥くことばかり求めて、
実の味を忘れた
林檎みたいな私の肌に、
あなたは歯をがりり立てました。
私はその痛みに歓喜し
ちいさな翼を羽ばたかせ
あなたの心のなかの
小さな ....
最近は月を観ていないからかも知れないけれど
ぼくは退屈で何をしていいか解らない
マリィの部屋に行き
琥珀を舐めても
紫煙に沈んでも
何が変わるとは思えない

あなぐらに潜んで夢でもみ ....
六月の雨が
育ち盛りのスイカをいたずらに誘う
でも、今年の梅雨は少々しつこくて
早くも冷夏の予感がした
ナスビもトウモロコシも痩せたまま太らない

繁茂するのはスイカのツルと葉っぱばかり
 ....
草ぼうぼうが美しい

荒れ放題の草むらは公園だった

ベンチに座ると膝まで草に隠れる

ゴミが見当たらない

草に隠れているのだろう

遊具に涼やかな日が当たる

ぼくはそこで ....
     わたしは帰る
     猫の住む我が家へと
     服も靴下も脱ぎ散らかし
     ひんやりとしたベッドへ
     もぐりこむ
     鼻先の生温かなけものの匂い
 ....
老夫婦は 一杯のラーメンを
夫は 妻のために取り分ける
妻が食べ始めたのを見てから
自分も食べ始める フードコートの午後


微笑ましい光景と 思うかもしれない
老人の箸の先は震えて ....
(だれか、この腕を解放してくれないだろうか)

そんな声が、帰りの車中で本を読んでいると、心の背中から聴こえてきた。
 確かに私たちは「繋がれて」いると ....
戯れが過ぎたのか
名月が遠い 待てない心臓が加速始め

この訪れの麗らかさを

深呼吸トクトク鼓動にはもって上体を反らして

螺旋の儚い軌道を静止飛んでいる

ひたひたの心に ....
眠れない夜だったから
架空の国へ出かけた

王位継承
森の魔物
結界の霧雨

本を閉じると
外も
いつのまにか雨

この雨が結界なら
私も連れ去ってくれ

見わたす現実の
 ....
ツノのないカブトムシには興味なしやけに激しい風が吹いてる  忘れられない、大切な人との出逢いや別れはなにか、と問われると、いつも思い出す人がいる。S姉さん。私より4つ年上のアルバイターだった。S姉さんは、アパレル関係の仕事をしていたせいか服のセンスもよく、ス .... ひかりのあたる角度によって
ものごとは綺麗に反射したりえらくくすんで見えたりもする

シャンデリアのある素敵な応接間
ある生命は空間を得るために代償を払う

それを得られない一部は
高速 ....
イナエさんのおすすめリスト(3780)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
舞い_(四行連詩)- 乱太郎自由詩15*15-9-15
指標- Lucy自由詩915-9-15
【_基準_三詩_】- 泡沫恋歌自由詩19*15-9-14
祝祭- Lucy自由詩15*15-9-13
わたしは- ただのみ ...自由詩12*15-9-12
空に向け背骨を伸ばす登山口- 北大路京 ...俳句315-9-12
ひだまり- あおい満 ...自由詩615-9-12
秋のあをぞら- そらの珊 ...短歌1015-9-11
夜店- ガト自由詩4*15-9-10
お揃いのザックストック登山靴- 北大路京 ...俳句515-9-9
わたしのメルヘン- ただのみ ...自由詩14*15-9-9
風景- 乱太郎自由詩18*15-9-9
嘔吐しない現代詩人について- ……とあ ...自由詩9*15-9-9
秋のゆびさき- そらの珊 ...自由詩1515-9-9
冬の釣人___- 服部 剛自由詩515-9-8
◎示唆の行方- 由木名緒 ...自由詩16*15-9-8
詩人の価値- レタス川柳1*15-9-7
Tシャツ- 殿上 童自由詩16*15-9-7
接吻- あおい満 ...自由詩14*15-9-5
休日- レタス自由詩615-9-5
朝の日記_2015夏- たま自由詩21*15-9-5
公園- 吉岡ペペ ...自由詩615-9-5
金の目と金の月- 石田とわ自由詩16*15-9-4
Fantasie_Impromptu- 藤原絵理 ...自由詩4*15-9-4
束縛の必要性- あおい満 ...散文(批評 ...415-9-3
小さな秋の戯れに- 朝焼彩茜 ...自由詩17*15-9-3
冥府の門- ガト自由詩11*15-9-3
ツノのないカブトムシには興味なしやけに激しい風が吹いてる- 北大路京 ...短歌415-9-3
S姉さん- あおい満 ...散文(批評 ...5*15-9-2
蛍日記- 梅昆布茶自由詩1915-9-2

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126