最近
中二の娘が笑わない
あまりにも無愛想なので
お前最近目付きがゴジラに似てきたな
と
言ったら
本当にゴジラみたいな目で睨んできた
あまりにも怖かったので
さっさと自室に逃げた
翌日
静岡に帰 ....
私は知っていました
あの林檎に毒が入っていたことを。
隣国の王子様が
私を見つめていたことを。
私は知りながら食べました。
毒の入った赤い林檎を。
倒れた私に王子様が
キスをくれ ....
あの時代に街を彷徨う男は
夜の気配のする街角で
剣玉を所在なげに操る
夕暮れの街灯の下
足を組んで剣玉する男一人
街灯から降り注ぐ
まやかしの光の粒は
ぼーっとした色を男に与え
髪 ....
新しい苗字に届く年賀状
ダンボールに愛が1ヶ
ワレモノ注意
落とさないでください、くだけます
異臭のする道に耳の長いネズミ
齧歯類は常に齧る。はを減らさなければ、死ぬまで、歯が伸びて行く。
猫は爪を研ぐ。爪の鞘を引き離す。死ぬまで、爪が伸びて行く。
人間は自惚れる。いろいろ挫 ....
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(ジョウビタキの♀)
これまでは耳を開ける事はなく
いつも音楽を流し込んでいた
今はイヤホンを外して
外界の音を追っている
鳥の鳴き ....
年賀状届く音して走りだし初ラン初怪我初治療
根を断ち切ろうとしたから
枯死しかけたのだ
根は父からの愛
古い蔓を伐ったから
新芽は萎れたのだ
古い蔓は母からの愛
依存することを嫌い
愛されることを拒んで
君は自分にな ....
蹴破る足はないが
閉された扉の前で待つ気もない
おれ自身が監獄
だから言葉は旅人だ
去り行く背中に
翼など無く
タダノモジノラレツ蟲は
預言の首飾りの哀歌 ....
海の匂いがする風が
過ぎていく時に
光と
圧と
匂いと
音で
描く
飛ぶ
鳥は
海風に向かい
まるで静止しているように飛ぶ
鳥は
生きる ....
>吹いて
<吸って
<吸って
>吹いて
あたたかい息が
リードをふるわせると
やわらかい音符があらわれる
>吹いて
>吹いて
<吸って
>吹いて
さみしい唇を
....
百舌鳥鳴くやベランダ産のサラダバー
ポエム化って言葉が嫌い
ほんとに嫌い
吐きそうになる
本質から目をそらしているから嫌い
私は
詩人ってほんとすごいって思ってる
私が知ってる詩人とは
たとえばピカソ
たとえばゴッホ
....
空は薄暗いのに
色とりどりの看板や
揺れる木々の葉を
濡れた舗道は律儀に映し出す
冷たく滲んだ風景画を
靴やタイヤが
踏んでいく
ブラインドの隙間から
見ている私の
雨の記憶 ....
憂鬱なテンポで世界をノックする雨
ズル休みの言い訳はさっき起きた事故
君に似た人を追いかけてみる
僕も老けた
永遠はまだ続いている
静かな傘は雨の中
あの頃の嘘や涙や純情
もっと ....
傘さした影もひとりぼっち
ひとりじゃ辛い夜に波の音雨の音
「さようなら」
もの言わぬ 愛たち 真砂を踏みしめて
近きに渡る この小舟の 向かい合う綺麗な笑顔は飛び立ち
然か または自らか そんな事も忘れてしまった
とても大切なもの あなた ....
病室の窓を開けると
干し草の香り
夏休みの匂いがする
と女房は言った。
土砂降りの雨のなかを
蚊柱が
狂ったように うごめいていた
誰かが
地上の火を
消そうと
とてつもなく
大きなバケツをかたっぱしなから
ひっくり返している
夜
抗えないものをか ....
昔見た写真を思い出す
独立前のモザンビークで
人の首のボールでサッカーをするポルトガル人
子供だった私はサッカーが大嫌いになって
友達に誘われてもサッカーはやらなかった
サッカーの起源も ....
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快楽に我を忘れる
もう良いやと手放した理性
もしかすると死ぬ時もこんな感じで
意識を手放すのかな
人と言う動物は
思考を ....
同じ傘に入れない蕩けあったふたつの闇
薄い胸の中で柔らかな雨音
「はっきりした病気でよかったわ」
すでにベッドに張り付いてしまった彼は言った
顔のつやも申し分なく
話すことも、普段どおり
少し皮肉っぽい物言いも
ことさら普通にしようとしている
....
闇が黒鳥のように 優しさを覆っていく
逃げる魂は英知の木陰に救いを求め
聖母の衣袂に口づけする
粉々に割れた一枚氷が 涙のもやを隠し
理性の囁きは事切れた罪悪を慰安する
飛ばされるままに ....
その時、理由(いわれ)のない衝撃に狂うわたしのために
あらゆる風景が恐怖の紐で吊るされていた
だが、わたしは風景の風景たらしめる骨格なのだ
わたしの印象なら壁にそってどこまでも落ちていった
....
<僕らの本当の誕生日>
はるか年上の 僕の友達へ
敬語を使うなと言って 跳ねるように歩く
話したくもないという戦争の話を
僕にだけは 話してくれた
家出した僕を その日の夜に
君が ....
雨が降りやみ
風も吹きやんだ
笑顔のままで
濡れそぼる重たい旗を
強風に煽られながら支え続けた
孤独な旗手の闘いも終わった
鈍色の空が少しずつ明るくなると
どこかで小鳥の ....
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