鍵穴を覗く。
覗くと誰かと目があった。
誰かには見覚えがあった。
きれながの、
左目だけが妙に大きい。
それは私の目だった。
鍵穴の向こうに、
もうひとりの私がいる。
そんなはずはない ....
 夜明け前の契りに心がざわついている。
 それぞれに瞳を持つ全身の細胞が私の眠りを妨げる。
 これはいけない。
 開いた目の奥で過去の夢を見てしまう。

 見慣れた天井の染みが蜘蛛の巣に ....
あちこちに 弱音を吐いて歩く


だまりたい


自分の傷を みてみてって ひけらかす


だまりたい


大切な人との秘密も 口走ってしまう


だま ....
この間虫歯があったので歯を削り落とした
そして 詰め物をした 歯
安かった 会計 受付嬢の冷淡な唇
彼女に恋人はいなかったとしてもそのネイルの光は冷たすぎた
私は彼女の美しさに見とれていただけ ....
言葉に質量があるかと問われれば
あるのかと問い返す。

あると仮定すれば、の話だが
その質量は意識と比例して膨張し
膨大なものとなり、ついには
意識の中枢に重くのし掛かる

言葉の中で ....
 ひだまりの

冬に
春をおもうのは
にんげんだから

そもそも猫は
冬という言葉の意味を知らないから
まるくなってねむるだけ
ふゆ、と呼べば
ニャッと短い返事をするのは
冬、と ....
通訳が行方不明でどうしようバレンタインがそこまで来てる {引用=生きながらえて帰れば 非国民と呼ばれ
生きていたら 厄介者扱いされ
息をしていたら 珍しがられ
長生きをし過ぎると
見なくていいものまで見えてしまう

あなたの青春は何色 ....
なんの魂胆かしらないけれど 鬼って悪い奴じゃなかったよ
たましいにも ふたつある魂と魄って書くんだって
どうやら 魂は精神を支えていて、魄は肉体を支えているらしいよ
どちらにも 鬼がいるよ ....
 遥かに広がる大海原に自分の心を摺り寄せてみた。
 波の揺らめきは私の魂の鼓動と相まって、
 心地良くもあり、息苦しくもあり。
 気がつくと私は泣いていた。

 人はみな悲しみをその心の ....
冬が通りすがりに蜜柑をひとつ
窓辺へ置いてったようだ

不用意なこころはすぐ凍傷にかかってしまうから
ちょっとした季節の気遣いにも丁寧に礼を言おう

ざわざわとした毎日を蹴飛ばし
転がし ....
ビニールテントのテラスから遮断された人と人
店の中でこじれる男女の恋愛騒動が綺麗に片付くころ
会社のやり方が気に入らない中間管理職同士のマグカップは 
同じ濃さの苦さで話をかき混ぜ 飲み干すこと ....
雪明り青いノートに落ちた罪  
言葉はいつも裏切るから

唇をあわせて

せめて、ぬくもりをちょうだい



 
雪の花宇宙がひとつ死にました きみはいつも、
真正面からは現れない。
肌寒い風の吹く如月の、
白樺の間から手を伸ばして、
私の背中を包み込む。
それは時に冷たくあたたかい。

きみが透明な糸を指に通して、
あやとり ....
あなたが笑っている
あの頃とちっとも変わらない笑顔で
透明な手が拍手している
わたしの胸が温かくなる

あなたが俯いている
心無い言葉の礫に打ちひしがれて
透明な手が拒んでいる
わ ....
枯れているふりしなければ雪月夜 風を知らない無知な私を、
笑う子どもがいる。
子どもは殖えていく。
げらげらからから、
騒ぐ鰐の口になって、
私を咀嚼する。
咀嚼されながら私は、
私から反時計回りにまわる
星の輝きを ....
ドロリ
ケーブルの中 濃密なインクが運ばれてゆく
末端で待ち受ける 退屈なひとたち 忙しいひとたち
虚無となれ合うための儀式
みんなハイになってる


眠れない 闇の一隅
不思議な薬が ....
背の高い男でした
私を食べたのは
盗まれたもの
はありません
私は私の肉体を
返却
します
借用証明書

捨てました
今度は
誰を
レンタルしようかしら

プライスカード ....
火がないのに
いつでも
沸きたてのお湯が出てくる
昔、むかし
食卓の上に
魔法瓶という魔法があった

ただいまと
帰ってくる
冬のこどもたちのために
とても温かい飲み物が
瞬時に ....
親友の生前葬や江戸の雪 希望を乗せて放り上げられた球は
回転しながら
高く 上がり
ゆっ くりと
静・止 
  落・下  す    る


引力に負けてあえなく
抱かれてしまう
理想・思想・夢想
小さな ....
あまりにも悔しくって
青空の端に噛みついたら
前歯が少し浮いただけのこと
決して笑ったんじゃないよ

蹴ろうと思った空缶を
君が先に蹴っちゃったから
握り締めていた拳を開いて
左右 ....
自由になりたい
そう思う私の部屋には
檻にいれられたハムスターがいる

飼っている
私が

檻は私を見ている

その中のハムスターは
ときおり私に立ち向かう
少しだけ臆病な恋小米雪 朝焼け染まる町並みを巡り
静寂すぎる国道を見つけ
無邪気な笑顔で中央に立ち
独り占めした気分と出会う

幼い両眼が捉えたのは
止まった景色と澄んだ空気
人も車も泣き声もない
優しい色が ....
誕生日気づかれぬまま雪だるま 朝の胎動が谺する、
夜のなかで、
私はゆっくりお湯を飲む。
私のなかだけにしか、
あてはまらない鍵をゆっくりと
舌で転がしながら。
朝を待ちながら、
カプセルに入る。
光の囁きに目をあ ....
イナエさんのおすすめリスト(3780)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
国旗- あおい満 ...自由詩416-2-6
前夜- ヒヤシン ...自由詩6*16-2-6
『だまりたい』- 座一自由詩10*16-2-5
安かった治療- 番田 自由詩416-2-5
取扱メモ- ……とあ ...自由詩716-2-5
冬すみれ- そらの珊 ...自由詩1516-2-4
通訳が行方不明でどうしようバレンタインがそこまで来てる- 北大路京 ...短歌216-2-4
白紙の回答_ーあなたへー- 為平 澪自由詩1116-2-3
鬼の豆ください- るるりら自由詩20+*16-2-2
胎動- ヒヤシン ...自由詩9+*16-2-2
蜜柑- 梅昆布茶自由詩11+16-2-2
都女- 為平 澪自由詩10*16-2-1
雪明り青いノートに落ちた罪- 北大路京 ...俳句316-2-1
せめて- 殿上 童自由詩15*16-2-1
雪の花宇宙がひとつ死にました- 北大路京 ...俳句3+16-1-31
- あおい満 ...自由詩7*16-1-31
透明な手- nonya自由詩21*16-1-31
枯れているふりしなければ雪月夜- 北大路京 ...俳句316-1-30
- あおい満 ...自由詩416-1-30
ドリフターズ- 餅月兎自由詩9*16-1-30
レンタル- 伊藤 大 ...自由詩316-1-29
おとぎばなし- そらの珊 ...自由詩2316-1-28
親友の生前葬や江戸の雪- 北大路京 ...俳句216-1-27
肉脈の惑星- ただのみ ...自由詩17*16-1-27
消耗品- nonya自由詩15*16-1-27
檻の中のわたし- 朧月自由詩216-1-27
少しだけ臆病な恋小米雪- 北大路京 ...俳句316-1-26
光と影- 颯太@自由詩3*16-1-26
誕生日気づかれぬまま雪だるま- 北大路京 ...俳句416-1-25
警告- あおい満 ...自由詩1016-1-24

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