満ちる月は腹み
欠ける月には衰えの
母は産み育て
月にさらわれ
ふたたびの生まれかわりが
あるのです

乙女のあなた
母のあなたは
女神となって月にいるのね

妻をなくした
 ....
古本屋をぶらぶらしていると
キーホルダーのついた
鍵が落ちていたので
拾ってレジの人に渡した

お寺の受付に行くと
年季のはいった分厚い
お財布がおいてあったので
受付の人に渡した
 ....
影が
はるかな青を見上げて
さくら色のため息をつくとき
アスファルトに貼りつけられたおれたちは
光となって舞いあがる。

ぽっと頬をそめた月が
なよなよ と
しだれかかってくるのは
 ....
あなたがいる有り難さ

こころのままに いつものようにして
喜ばれて嬉しくて

けれど好きな人に
わたしよりもっと好きな人と一緒の気持ちで
感謝されたよ

あなたがいる有り難 ....
豚玉一枚でお腹いっぱいになってしまうのに
どうして君はいろいろ注文してしまうんだ
けっきょく僕が無理して食べることになるんだろう
いつからか僕はなにも頼まなくなってしまった

豚玉、モダン、 ....
なにもないよりは少し傷つくほうが生きている気がしたりするのかな 勝算のない一束の水菜かな てのひらからこぼれるままに
ことばを拾う
忘れていた物の色やかたち
あてはまる隙間のない断片をかかえて歩く
なつかしい風景に返すためにあたためる

星々をめぐる
それは散在する島々のよう ....
姫と姫
遊びは灰緑
梯子を外した
冬の高さ


あざやかな水色
うたは遅れ来て
ひいらぎ きさらぎ
目を 衣を 脱ぎ捨てる


雪とくちびる
穂の上の神託 ....
生肉のままでは 水分が多くて煮えないからと
腹を裁かれ生血を取り出し 三枚におろされた、肉

塩分があらかじめ多いからと 再度合成調味料を
流し込まれ みりん漬けされる

新鮮な生 ....
冬枯れの桜並木
まえを行く人の うしろ姿が冷たくても
愛された きのうがあるから
がんばれる 今日がある


たとえば お弁当作ってもらって
たとえば そこは危ない ....
クロッカスは一斉に咲く
身を寄せ合って揺れている
つめたい春の風に
小さくなって震えながら

ちょっと離れて
鉢植えの福寿草 まだ一輪だけ
太陽の親戚筋とでも言いたげに
少々毒気のある ....
弦におちゆく
悲しみは
ソリストからの
揺れ甦り
浜通りを
吹きぬけるのです


フォルテの
余響に
羽ばたく
哀しみ
オルガンに
重なるように
二胡がなく

哀しみよ ....
僕らは何度も長いトンネルを通るたび
耳がキーンとして 生欠伸をしたり 鼻をつまんだり
想い出すよ トンネルのたび 耳がキーンとするたび

元気でいますか
僕は元気とはいえないけれど
な ....
要らないものが多過ぎる!

下駄箱の中の履かなくなった靴
クローゼットしまい込んだ流行遅れの服
屋根裏部屋に放置された古い布団

断捨離にも体力が必要で
一日延ばしにする内に
どんどん ....
   消し飛んでしまいそうな
   この想いを
   受け止めてくれる
   熱が
   そこにはなかった
   冷たい水滴が頬をつたう




   
     ....
絵の具がぶちまけられていた
字義ではなく文脈が読まれるべきだ
そう思いながら
僕は
誰にも見せない絵を描く
誰にも見せない絵を放つ
何処へ?
本棚の奥へ
埋め込んでしまい部屋を出た
 ....
うすっぺらいから日に翳せば透けてみえる

どっちが表か裏かも解らない

コインほどの厚みも
重さも
確率もないなら
潔くガラスになってみたら?

プリズムくらいなら
笑ってあ ....
ロケットみたいに
まっすぐとびます

余計なものをきりはなして
もっとうえへ

あしもとが
ぼうぼうもえて
それでもたかく

地面が恋しくなっても
たかくたかく

だって
 ....
あなたの声が聴こえてきます
空は美しいと知ったのは
それから間もなくのことでした

あなたの声が見えるようです
雲に隠れていても
太陽の輝きはわたしを慰めます

あなたとどうして出 ....
塾なんて無かった頃
塾なんて行く人もいなかった頃
赤い鐘が鳴っても誰も帰らない
          誰も誰も
年上のあたしとY君はいつも考えてる
どうやればみんなが連れてくる
三才や幼稚園 ....
君が抱かれているあいだ
僕は麦焼酎をこぼして
歳時記がびしょ濡れだ
ティッシュが酒を吸収していく

桜の時期に夏の句を詠み
紅葉の時期に冬を詠んでいる
歳時記が乾くまで
ギターでも ....
あきれ顔を隠しきれない電話の声優しい そろそろ
おいとまをしようか
たくさんご馳走になったし
ずいぶんと愉快に笑った
これ以上長居をすると
ますます帰りづらくなる
それに遠慮がなくなって
無礼なこともしてしまいそう
今なら ....
崩れる 床はある
 バール 自らの肢体

気は 私の気は
 踊っている 縮退する
 
伸びた腕 足 首 目玉
 這っていく 稲妻 名状せよ
名状せよ 名状せよ 名状せよ

そこに淀 ....
読みかけの詩集をめくる春の風 朝の電車は何かを探している
遠くにある理想的なものを探すのではなく
近くにあるけど
いつもの通路にあるけど
まだ発掘されていないもの
新しく降り注いで来るものを探している

 ....
終日への覚悟
月輪はかわらずに美しくも
みだれ滲む余韻は
あなたへのyellなのです

聖めの静寂は
それでも意気揚々とする
魂への讃美歌

生ききるのは
姿かたちではなく
 
散歩道

月に照らされ

夜桜よ



 
問題のある人間でも
扱えるようにクルマが進歩したので
クルマ社会が退化してしまった

問題のある人間でも
扱えるようにネット社会が進歩したので
コミュニケーションが退化してしまった

 ....
イナエさんのおすすめリスト(3780)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
月の女神- 黒木アン自由詩5*15-4-11
こつんと- 灰泥軽茶自由詩715-4-11
空の底- 草野大悟 ...自由詩715-4-11
あなたがいる有り難さ- 鵜飼千代 ...自由詩18*15-4-10
お好み焼き屋- 北大路京 ...自由詩715-4-10
なにもないよりは少し傷つくほうが生きている気がしたりするのか ...- 北大路京 ...自由詩915-4-9
勝算のない一束の水菜かな- 北大路京 ...俳句115-4-9
花を敷く- 梅昆布茶自由詩2015-4-9
ふたつ_すくう- 木立 悟自由詩415-4-9
鍋の中- 為平 澪自由詩8*15-4-8
『桜のなみだ』- 座一自由詩9*15-4-8
どこかの庭で- ただのみ ...自由詩17*15-4-8
ニ胡の調べに- 黒木アン自由詩9*15-4-8
元気でいますか- 北大路京 ...自由詩1015-4-8
【_断捨離できるか_】- 泡沫恋歌自由詩22*15-4-8
【_放射冷却_】- 泡沫恋歌自由詩15*15-4-8
エルフの泉- ゴースト ...自由詩6*15-4-7
ムリ- マリー自由詩315-4-7
とぶということ- 朧月自由詩515-4-7
出会い- 乱太郎自由詩12*15-4-7
放送所の子供達は今- 岸かの子 ...自由詩10*15-4-7
麦焼酎をこぼして- 北大路京 ...自由詩515-4-7
あきれ顔を隠しきれない電話の声優しい- 北大路京 ...自由詩215-4-7
おいとま- やまうち ...自由詩5*15-4-7
悪しき場所- 佐藤伊織自由詩315-4-7
読みかけの詩集をめくる春の風- 北大路京 ...俳句315-4-6
朝の電車- 葉leaf自由詩415-4-6
月輪- 黒木アン自由詩615-4-6
散歩- 殿上 童俳句6*15-4-5
ハートブレーキ- イオン自由詩3*15-4-5

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