夢のあなたは当時のままで

あたふたするわたしも当時のままで

目が覚めると、ごめんと言えなかったことだけが当時のまま



 
東京の地下街から 
胸を焦がすような茜空は売ってませんか

そんなことを言ったら 嗤われるだろうが
本当はみんな 自分の町に住む
夕焼け色の切符を手に入れるために
上京しては 行 ....
木蓮が咲いていた

咲き初めの蕾かもしれない

どこかでミモザも咲くだろう

さくら木も紅く染まるだろう

繰り返し繰り返し

繰り返すことで育まれて

否応もなく育まれて
 ....
菜虫化蝶
なむしちょうとなる


不思議な夢を見た

とある晴れた休日
ソファーの上で腹這いになって
私は時代小説を読んでいた
時刻はたぶん八つの頃

カーテンから漏れた
 ....
空と海の境に重ねあう嘘 言葉は
人を幸福にもし
人を傷つけもします
たったそれだけの
かんたんな文法です


詩は
幸福、不幸、そのどちらか
ひとつではなりたちません
両方そろって、は ....
はなふぶきのように
紙吹雪のように

空間を埋めて
ゆっくり舞いながら

アスファルトの路面に
散り落ちては消える

そう
こんなやわらかな雪の日だった

長男の
次男の卒業 ....
わたしたちはそれを知っている
わたしたちはそれについて知らない

刈り入れたものを幸と不幸に仕分け
四角四面の境界で善悪のチェスをする
しかも恣意的に
晴れた日に傘と長靴で出歩く者への嘲笑 ....
木犀や三日月よりも細き月 うしなわれたことへの

とうめいないさぎよさ

ぼくよ、たちつくすな


かこからのびてゆく

みらいをむそうする


うしなわれたことへの

とうめいないさぎよさ

 ....
日向の床の足もとで
埃を被ったプラグが、独り
あの電流につながる場所を探してる

――僕は、プラグだ  
途上の果てに途上が永遠に続く程

過程こそ命だったりするのかもしれない

結果の全てを錆びれた勲章のように刹那の時代に留め

天へ行く虫の息を深呼吸の懐の泉 澄む結びに憧憬の界

今を ....
友達が財産なんて言いながら着信履歴母しかいない 福一の事故の影響いまもなお続きツバメが白いまま飛ぶ 新月 


  新月の夜 一つの石を 拾い上げる 
  波打ち際にいる者は他に誰もいない
  静かに拾い上げると遠い星の
  みたことのない惑星の記憶が めくるめく
  展開し ....
ひと足の途絶えた
深夜の商店街
わずかな気配にも
センサーが反応して
ひとりでに機械が喋りだす


 イラッシャイマセ
 パネルノ番号ニ、シタガッテ
 操作シテクダサイ

 番号 ....
郷夢をみては
思いだします
あの千本の面差しよ

花灯りのちょうどいいころ
賑わいましたあの時を
思うだけで
還らぬ人がきて
帰りたいと思うのです

三日見ぬ間の桜でも
せめて
 ....
昨日
夢を身籠って
孵った卵が
明日また孵る
短い再生を繰り返して
消耗していくだけの
羊飼いの楽園
*
古い文明と共に
行き場を失して
新しい時代の入口で
停滞している
 ....
加糖でも微糖でもなく佐藤氏はBLACK派なの武藤氏もそう 黄色い西日が
うっすらと
家々の窓に手をかざす頃

いよいよ濃くなる
鉛色の空の下
次第に風に削られていく
私は冬

傷ついては修復し
和解しては
なお打ち倒され
ざらざらに荒 ....
たいていは
洗面所に置いてある
プラスチックの小さなコップだ
うっかり注ぎ過ぎると
すぐに溢れてしまう

もちろん
茶碗や湯飲みでもあるけれど
哀しいくらい量産品だから
いつ取り ....
{ルビ九十九=つづら}に折られた時の束ね
行きつ戻りつ
差し挟まれた幾つもの文から萌えて
息吹く面影がある

月が像を失い
奔放な青と黄が眼裏を揺らす夜に
散り積もった悲色の花びらから
 ....
数えきれない夢の中から
数えきれるほどの目標を定めて走る


人波から離れて努力に耽ることも
努力から逃げたくて人波にまぎれることも
しかしながら、どこにいてもちらつく努力


近道 ....
庭の片隅にある金柑の木
棘の生えた枝の先に
その日もイモムシがいる

太い緑色の胴に
胸には眼の黒丸
突っつくとオレンジの角が
にゅーっと
その日もイモムシがいる

イモムシはじっ ....
朝は難解である
アスファルトの奇異な色彩
人気のない誇張された静寂
待合室は不自然に明るく人を拒む
僕は始発電車に乗ろうと
駅のホームに立っているが
朝は難解である
時間は動 ....
独り暮らしの部屋に
帰ったとき
消したと思った
部屋の灯りが
ついていた
気づかなければ
どうでも良かったことが
気付いた途端
後悔に変わる

と思ったら
隣の吉田さんちの
9 ....
私を吐き出し
それを紡ぐ毎日のような
繰り返し繰り返し
季節と同じように
私もあおあおしてきて
めきめきにょきにょき
新しい私が
生えてきたらいいのに
そうはいかない
それでもじっと ....
 父と母の住んだ家を売り払い、
 父と母の遺骨と位牌を寺に押し込め、
 父と母の写真と遺品をゴミに出してきた
 父と母の時を葬ってきた。
 もういいのだ
 誰も人はそんなふうにして死んでいく ....
刺身を盛り付けると
「うまそうだな。」という声が聞こえそうで
安曇野のわさびをすりおろす。

刺身を盛り付けると
ほくほく顔のお父さんが横に居るようで
馬刺しも別皿に用意する。

「ま ....
絵本をかくひとの
胸のなかで
小さな女の子と男の子が
住んでいるとおもう

絵本をよんだひとの胸のなかでも
小さな女の子と男の子がうまれてゆくんだとおもう

そして
そのひとがしんで ....
イナエさんのおすすめリスト(3781)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
目が覚めると- 殿上 童自由詩19*15-3-16
カラスの行方- 為平 澪自由詩17*15-3-15
また来ん春に- 吉岡ペペ ...自由詩515-3-15
菜虫化蝶- nonya自由詩14*15-3-15
空と海の境に重ねあう嘘- 北大路京 ...自由詩915-3-15
詩人- 月形半分 ...自由詩4*15-3-15
卒業の日- Lucy自由詩10*15-3-14
_それ- ただのみ ...自由詩17*15-3-14
木犀や三日月よりも細き月- 北大路京 ...俳句215-3-14
かこから- 吉岡ペペ ...自由詩315-3-14
黒いプラグ- 服部 剛自由詩615-3-13
過程の空- 朝焼彩茜 ...自由詩12*15-3-13
友達が財産なんて言いながら着信履歴母しかいない- 北大路京 ...短歌315-3-13
福一の事故の影響いまもなお続きツバメが白いまま飛ぶ- 北大路京 ...短歌315-3-13
つきのない日に- るるりら携帯写真+ ...9*15-3-12
【_無人の街で_】- 泡沫恋歌自由詩17*15-3-12
夜の森サクラ(福島富岡町)〜その瞳をみていたら〜より- 黒木アン自由詩3*15-3-12
me43- 衣 ミコ自由詩315-3-12
加糖でも微糖でもなく佐藤氏はBLACK派なの武藤氏もそう- 北大路京 ...短歌515-3-11
私は冬- Lucy自由詩11*15-3-11
- nonya自由詩16*15-3-11
こぼれる- ただのみ ...自由詩18*15-3-11
かかってこい、桜がすべて散ろうと。- komasen333自由詩4*15-3-11
幼虫- ……とあ ...自由詩9*15-3-11
難解な朝- 葉leaf自由詩215-3-11
気づく- 花形新次自由詩215-3-11
紡ぐ私- 灰泥軽茶自由詩1415-3-10
二月の終わり- 秀の秋自由詩315-3-10
食卓。- 梓ゆい自由詩515-3-10
子宝- 朧月自由詩815-3-10

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126