真実を虚偽で割ることと、真実を水で割ることは
いったい、どちらが罪深い
しかし天秤が水に傾くことは当然である
たった今
目の前を蜘蛛の子が落ちていった

重力を欺けた試しがない

うち ....
山学校(やまがっこう)

ずいぶん昔の話
親戚中が集まって酒が入ると
何人かの酔ったおじさんたちが
「我や山学校どぅ卒業さんど」
と言い始める

小学校・中学校へはどうも足が向かず
 ....
あなたの静かな骨の上を一本の真新しい国道が通る
あなたの大きな悲惨の中を一つの真新しい意味が走る

眠るあなたの骨が今こうして車輪の下で砕かれていく

ぼくはその音を聞いているのだ
きみに ....
新たな因果 日雇いの応報
お前らみたいな社会を味わう
妖精に触れると背中が遠くなっていくよう
ヴォイニッチ手稿をマネしてるんだ
推敲が足りないのかな
力が欲しいと右手が疼く
夜があけた ....
今日も公園でいつものノラ猫が
寒そうにじっとしていた
お腹もすいているようだ
三匹のうち一匹は子猫のようだ
寒さの厳しい中を
これからどうやって生きていくんだろう
暖かい布団の中に入ったら ....
こどものころ、100はとてつもなく大きな数だった
けれど、どこまでも大きな数があるって、100なんて全然ちっぽけだって、大人になるにつれて知った
70億という数字が教えてくれたのは、僕が世界の一員 ....
妻が
幸せなら
私も幸せ
今宵は
何だか空気が甘い


愛のような
花の香り
押し寄せてくる
瞬間瞬間が
身体に馴染む
口をすぼめる
とても内気でおとなしいあなた
優しい人だ
誰のことも悪く言わない
辛さを耐え
コアラのような思い
お母さんの温かいおなか
地球を抱擁するような人
苛烈な意見を聞いているの ....
今日は博多への出張だ
大分駅からホームへ向か

う が・・・

あの階段を降りればホームへ行け


  
ない・・・・・

まるでエッシャーの階段の様にぐるぐると
次 ....
叫び出しそうな心は
放置しておこう

叫んでしまってもいいし

抑制できるのもまた

我慢なんて後回しでいい
我慢なんてしなくてもいい

なにをしてもいいわけではないが
どうしよ ....
哂う 山茶花
唇の色合いを 秤にかけて
軽く 溜息

笹で 囲われた
冬の風景が
気に入らないと 嘆く

雪の 白さも
空の 藍さも
自らの 青さに 変わるだけ

竹藪は  ....
そうなんです
そのポピーですきっと と
云えなかったけれど あのつらい時に
うれしかった 教えてくれたひとが居た

ヒマラヤン・ブルーポピー
いますぐにあなたまで
駆けていきたい
会い ....
                 ――F.T.へ

君はとても複雑な静止画の連なりだった。複雑な君を愛する人は、きっともっと複雑な、例えば自然美の移ろいのような人なのだろう。君たちが複雑さを映 ....
ほんとうの自分のことを
わかってもらうことは
誰かをそっとこころのなかで
信じるということでした

あの日を 
僕らが生きていること
すでに静かな風が通りすぎるように
深い森林と広い草 ....


赤トンボたちが
飛行機のルーツのように飛行している
一日ごとに冷たくなる風が
透明に流れている青空の清れつさと
黄いろい木々の退廃を同時に包含している
秋の午後
パズルのピー ....


   黒い三日月




ユアーン及びユヨーンが、それこそ
ユヤユヨン、ユヨユヤンと、往復し交錯していた。


ぼくの心さ


Ho!Ho!Ho!
胃袋を吐く

 ....


折り鶴が一つ 夢の痕に置いてある
明日は飛んでいくに違いない
ほど羽根を広げて

まるで指先のように
僕を見つめた儘

記憶の皮膚をつついてる

 『 風 車 』



寂しい路の傍に、忘れられた 
{ルビ風車=かざぐるま}売りの 荷台が一つ
ポツンと、あった。
  風の強い日
色付きの 沢山の風車が、、
虚しく 激しく、そこ ....
ビルの虹彩にはアスピリンが打たれている
遠く銀の向こうで揺らめく
日差しの強い午後
近影は霞まずそこにある
街は熱を持ち伸縮を続ける

群れた家々の隙間で
赤い血液は想いを爆せる
道路 ....
道に落ちている手袋はひとつ
多摩川を越える小田急線から見える夕日は
とてもきれいで
息をすることも忘れて
形を忘れるためには

めるけりあ
めるけりあ
たすかまめる
ろーてん
ろー ....
足跡は雪にさらわれ 残されたのは 爪さき立つ



奪われたのはまなざしのゆくえ
なにも照らせない光が
ひしめいている

(今日わたしができることは思い出すことをやめること) ....
硬く無機質な書類の文字列と女に
ぼくはいつも復讐する
三階の更衣室から
白く冷たい廊下をえて
いつも非常階段を下るハイヒールの響き
その規則ただしいリズム
それがミリタリーにぼくに木霊する ....
ある日森の中
くまさんと
くまさん殺しのウイリー・ウィリアムズさんに
出会った
花咲く森の道
くまさんと
くまさん殺しのウイリー・ウィリアムズさんに
出会った
くまさんと
くまさん殺 ....
デーモン、僕のすきなあの子を
うばって闇夜に消えてって

ブルースをもっとおおきく

デーモン、僕の笑い声を
うばってそしてなくさないで

ブルースをもっとおおきく

悪魔の会 ....
いのちを使ってるか

時代や場所にも負けないほどの

それはいのちなのか

いのちを使ってるか

そのうえをだれかが歩くほどの

それはいのちなのか


春夏秋冬に感じている ....
暗闇に小さな火は点り
{ルビ蝋燭=ろうそく}は徐々に溶けてゆく

白いからだの多くは
残されている

あなたのわざの多くは
残されている

小さな火

身を揺らし
夜を仄かに照 ....
私の背後には、いつも
不思議な秒針の{ルビ音=ね}が響く  
――いつしか鼓動は高鳴り
――だんだん歩調も早まり
時間は背後に燃えてゆく

この旅路に
{ルビ数珠=じゅず}の足跡は…刻印 ....
そちらは
いかがですか

まだ

旅は続いていますか




{引用=物は言いようで

あれからもう七回か



そろそろかな


昨日の
今日の
明 ....
「あんまりおかしなこと
言いやがると
どうなるか分かったもんじゃねえぞ」
法がどうであれ
やる時はやるぞというのがなければ
クソ民主主義なんか成り立つか!
って言ってくれたら
反トランプ ....
冷え切った世界

街も凍り 人も凍る

人の冬を往く人々を

闇が襲いかかる

虚ろな目に

走馬灯のように浮かぶのは
     
過ぎ去りし日々

横たわり 

瞼を ....
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