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うっそうと繁った木々は
絡まりあって
もはやどこから始まっているのかわからない

しんせいなもののように
べったりとした朱い鳥居が立ちはだかっている

すぐ傍には側溝があって
いやなに ....
きゃはきゃは と小さな笑い声がした
留守番をしている日曜日
レースのカーテン越しにガムシロップのような
とろりとした陽光が射していた

読んでいた本を伏せて
誰もいないひんやりとした畳を這 ....
蝉の抜け殻を
村で一番集めていた村長が死んだ
彼の亡骸は
蝉の抜け殻に埋められるようにして
荼毘に付された

それがみんな燃え終わる前に
新しい村長がやって来た
新しい村長は口ひげを生 ....
寒かったから
多分冬だった
カレンダーの数字が青かったから
きっと土曜日だったろう

その日わたしは
当時勤めていた会社のチラシを
マンションやアパートのポストに挟み込む
所謂ポスティ ....
※いちにちめ

朝起きたら
靴から花が咲いていた
綺麗な花ではなかったが
あんまり堂々と咲いていたので
迷った揚句に仕方なく
会社へは裸足で行くことにした

※ふつかめ

朝起き ....

魚は酸素を知らぬだろうか
暗い水辺に輪を描いて
あんなにも深く潜ってゆく


飼育係は放課後に
飼っていためだかを流してしまった
閉じ込められてるのが
可哀相だったって
 ....
街灯の並んだ道を
一匹のかぶとむしが
低空飛行して進んでゆく

信号か何かの
赤い光を受けて
目玉も背中も
海老のようにぴかぴかしている

かぶとむしは
曲がり角で
ゆっくり ....
いまは更地になっている
高校の前から自転車で少しいったところの
あの荒廃した土地には
昔ジャスコが建っていた
しみったれた汚い店だったが
中にはフードコートもスーパーも
一応あ ....
錯綜している視神経の
からまりあった編み目の間に
ちいさい魚が
かかっている

つめたいつめで
そっとつまんで
涙腺の中へ
放してやろう
水草があれば尚いいが
涙腺の底には
 ....
乾きたてのネグリジェーは柔らかく
僅かに生臭いにおいがした
貝のぼたんが付いている
それを
人差し指で
上から順にさわってゆくと
真ん中のぼたんだけ
緑色の丸いぼたんに
付け替えられて ....
AB(なかほど)さんの吉田ぐんじょうさんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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テレビのこと- 吉田ぐん ...自由詩908-6-17
村長- 吉田ぐん ...自由詩1208-6-15
ポスティング業務のこと- 吉田ぐん ...自由詩1008-6-13
朝起きたら- 吉田ぐん ...自由詩2207-3-15
飼育係、或いは荒廃- 吉田ぐん ...自由詩1506-12-14
かぶとむし- 吉田ぐん ...自由詩1206-12-4
ジャスコ- 吉田ぐん ...自由詩2106-12-4
涙と魚の相関関係- 吉田ぐん ...自由詩1606-11-18
洗濯物と海- 吉田ぐん ...自由詩906-10-12

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