あかるくて
湾鶴
傘はふらりと咲く
街路樹はそれを見送り
またひとつ あかるくなった
ヨーグルトが発酵する
毛布はその音を包み
またひとつ あかるくなった
玄関のチャイムが鳴る
握手を交わし
またひとつ あかるくなった
ズボンの穴
アップリケが住んで
またひとつ あかるくなった
つぶつぶの光
拾って
あかるくて
マッチを擦って
あかるくて
ガシャン
ミルク瓶が砕けて
あかるくて
頭をぶつけて
あかるくて
すぐ暗くるから
また
キッチンで傘をさして
あかるくて
自由詩
あかるくて
Copyright
湾鶴
2004-09-22 17:11:16
縦