バケツをひっくり返したようなって言われても
ピンとくるわけじない

ひところ軒先で騒がしかったツバメの巣はいつの間にやら静かになっていて
育ち盛りと餌を催促してた雛たちは
ハーメルンの笛の音 ....
きのう手紙がとどきました。ふるさとのこころの箪笥から。
【前略 私は あなたの本当の母です。あなたは 親に「橋の下でひろってきた」と言われると喜んで、高貴な産まれを夢想するような娘でしたね。卵が先 ....
 狂女の独白

いつもそれは夕刻よりも暗い夜明け
一日は、東の地底で死んだ胎児のように
いつ迄も、紫色の胎盤にまみれて
暗黒の硬い産道に引っかかっている
胎児の頸には硝子のつららが刺さって ....
<桃>

夏の夕 シャワーを浴びて 丹念に
        君に食まれる 身支度のとき 

うっすらと 産毛の肌が汗ばんで
        早く食べてと 桃の香がして

&#25681 ....
初出:詩と思想2010年5月号
「ネット詩の可能性」というテーマで依頼を受ける




 私自身の話から始めて恐縮だが、以前声高に叫んでい
た「ネット詩」という言葉を、何年か前から意識的 ....
夏の朝
水蒸気の味

浜木綿の花が
手を繋いで作った
輪っかから

ヤマトシジミ
ヨロヨロ
飛び立つ

夏の雲
薄荷の匂い

忘れかけていた
青臭い記憶が
鼻先で弾けて

夢遊病者の影
ジワジワ
溶 ....
乗馬パンツを試着する
膝に白い羽毛を見つけ
これにファルコンの綴り
を刺繍してもらう

*

まわるまわるルレットの
太陽
を日付変更線で切り取り
新しい布地と縫い合わ ....
{引用=


カーテンと足袋だけでどうにかなる話でもないが
思い出すことはできる
電気がチカチカする街を通り過ぎて
二度目の宿屋に泊まる
夕食はバイキングなので好きに採る
電気砂が入り ....
{引用=
「おはよう、
せっせとお弁当箱に昼食を詰める
この世界のなんらかに収まりなさいと
話しかけてくる忙しげな背中
通学路に捨てられた雑誌には
艶びかりする牡牛の角と蛙の屍
女の子の ....
蔦に覆われた墓石
此処は僕が眠る場所
あの日殺した僕の心が

全ての鎧を剥ぎ取られ
めったやたらに切りつけられた
悪魔の形相で

あまりに恐ろしくて
あまりに痛くて
何も感じないよ ....
走り去る光 ひとすじ
取り残されたのは僕だった

僕を置いてどこへ行きますか
夜は危ないですから 事故など起こさないでくださいね

霞みゆく光 遠く
途中下車したのは僕だった

僕を ....
おはよう
君の声が聞こえただけで
こんなに朝は踊るよ
眩しいのは
陽射しが口笛吹いているから
朝露垂れて木琴を叩く

こんにちは
君の笑顔と弾んだ君の声
僕はおかげで嬉しくなって ....
君の車が
私の家に近づく
雨のドライブ

ルーフを叩く雨が
金属の音を響かせて
雨の激しさをしらせている

信号は赤
君が無言のまま咥える煙草
かちりと音がした後の
一息目のため息に
はっとしたように ....
眠いから寝た
疲れたから寝た
悲しいから寝た
わかんないから寝た
水たまりみたいに寝る
昼間に寝る
ずた袋みたい
粘土

つまんないから寝た
寂しいから寝た
頭痛いから寝た
覚 ....
きみは ぼくの かおをして
ぼくの きらいな ことをする
毎日 付き合う こころとことば
ぼくらはきついお酒を注ぎ合って
ぼくのつくるものときみのつくるものとが
似て重なって重苦しい

 ....
夢にまたあれがでてきた
あれいらいだ
シンゴが洞窟を持ってしまったのは

女の子との別れならいくつも経験していた
それまで好きで別れたことなどなかった
そんなお人よしではなかった
連絡を ....
 その身を削いでゆく
 どこまでも
 いつまでも
 と、いうわけにはいかないのだ
 だれであっても
 どんなひとであっても

 あげくの果て
 使いものにならなくなった
 ....
水たまりで加速する人格
の輪郭に適度な凶器が刺さったままだから
もはや懐かしいんですよすでに全部が
といいながら地図を破り捨てて笑った
まさこをみたのはそれが最後だったってお兄ちゃんが ....
 修辞に位置付けられるきざはしの出現はいみじくも重なり合う因果であるが、
 しかし私たちの生活を根底から揺るがすほどのナルシシズムを包含しているわけではなく、
 ただ、
 夕映えから派生する杞憂 ....
この際、生理や物理なんて
大人のお伽は邪魔だ
畳の上に、
ヨーヨーなんかとぶん投げて置くさ。
柔らかなまま
君のおちんちんを引っぱって引っぱって
電車に乗って、新宿で乗り換えて
上野動物 ....
僕のしがない手を
君への花向けだと思って受け取ってくれ

僕の干からびた足は
君への愛着だと思ってくれ

僕の垢だらけの耳は
君への差し入れだと思ってくれ

僕の乾いた眼球は
 ....
娘たちは
もう眠ってしまった
何も書かれていない短冊がひとつ
テーブルに置かれている

なあ、父さんは
こってり疲れてしまっているから
願いごとなんて
ひとつも浮かばないんだ

静 ....
去年のいまごろ
子供が拾ってきて
ミルクを与え
病気だった目に
抗菌の人間の目薬を差してやって
鼻水拭いてやって
お尻拭いてやって
おトイレおしえて
ゲロも掃除して
一緒の部屋に寝て ....
うだら
     うだら

無人のコインランドリーの中
一台のうずまき式洗濯機が僅かばかりの汚れものを乗せて夜の住宅街アクセルを踏んだ
5分間
区間内の街角を回遊するツアーバスのような
 ....
コトバが決まらない中、とりあえず、取り留めもないまま、コトバを探して、夜のアスファルト、雨の匂いを反射する。

梅雨のあけたばかりの、少し寒い夜空に、アイスを頬張り、またコトバを探す。

濡 ....
 白紙の畑がひろがっている
 一本道をゆく
 と、ポツンと
 巨大なショッピングセンターがある
 集合住宅のコンクリート塊が墓標のように、山塊のように建っている

 そんな
 ....
思い出作りでもしましょうと
お気に入りの友達と
おばばばかりのバスに乗り
思い出話に花を咲かせ
温泉地へ着けば
湧いた温泉を
その地のおばばが湯もみしていて
おばばにもまれた湯につかり
 ....
こんな顔をして家には帰れない気がした
ヨシミは自転車で夜を町を走っていた
お母さんをさがしてパチンコ屋さんをわたり歩いていた
カゴのなんでもバッグにケイタイがのぞいていた

目からなみだがあふれていた ....
{引用=

 またいつもの
 自転車にのって
 ぼくがむかっていた
 先とは
 どこだろう

 でも
 いまは
 どこだろうがかまわないおもいでいっぱいなのは
 はたして
 ど ....
{引用=「傘、忘れたの」}

鞄の中の折り畳み傘を 奥底に押し込みながら
貴方の手元の傘に目をやった

貴方は少しだけ 困ったように目を見開いて
慌てたように そっと周りを見渡して
わた ....
大村 浩一さんのおすすめリスト(1993)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
野良猫のうた- 恋月 ぴ ...自由詩18+*10-7-19
やわらかな殻- るるりら散文(批評 ...13*10-7-19
黎明- salco自由詩9+*10-7-19
夏の果実2種- 雨音些末短歌3*10-7-18
商業詩誌の潰し方- いとう散文(批評 ...3+10-7-17
7月17日_土曜日_朝- nonya携帯写真+ ...8*10-7-17
立体裁断(連詩)*夏野雨、渡ひろこ、他- たちばな ...自由詩13+*10-7-17
テーマ34- 真島正人自由詩3*10-7-17
逆創世記- 高梁サト ...自由詩15*10-7-16
傷ついたレコード- うずら豆自由詩110-7-15
テールライトと体重計- 自由詩2*10-7-14
挨拶- 乱太郎自由詩11*10-7-13
ゆれる- 雨音些末携帯写真+ ...8+*10-7-13
寝た- salco自由詩9*10-7-13
生活- 坂井ハナ自由詩510-7-12
洞窟の夢- 吉岡ペペ ...自由詩1410-7-12
おじさんはガンジス河のひと粒として- 石川敬大自由詩1710-7-12
未来少年コナン- モリマサ ...自由詩510-7-12
散在しつづけるきざはし- 豊島ケイ ...自由詩7*10-7-10
上野動物園に行く- salco自由詩12*10-7-8
僕の手- 乱太郎自由詩15+*10-7-8
七夕- 佐野権太自由詩10*10-7-8
また捨て猫がいるんじゃないかと外を見る- 蒼木りん自由詩4+10-7-6
ランドリークルーズ- メチター ...自由詩7*10-7-5
創書日和「塩っぱかった、雨。」- 狠志自由詩210-6-30
轍は白いミミズ腫れで_ーー作家Tに- 石川敬大自由詩1210-6-30
さよならバンビツアー- さわ田マ ...自由詩510-6-29
群青のサンドウィッチ(_最終回)- 吉岡ペペ ...携帯写真+ ...17+10-6-27
日曜日のカエルは旅好きである- 石川敬大自由詩2810-6-27
雨降る放課後- 愛心自由詩3*10-6-26

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