指は
君の小さな生き物だった

どこか
遠い異国の調べみたいに

時おり
弾むように歌ってた


君が僕の指を食む
君が
少し子供にかえる


遠いね、
   
とだ ....
小学生の頃、学校から帰ってきて喉が渇いていたので
冷蔵庫を開けた
コップに入っていたアイスティーがあったので早速飲んだら
それはブランデーだった
それが初めて知った大人の味だった
今でもブラ ....
昨日は忙しい時間に 
トイレに座らせたお婆ちゃんの 
下ろしきれなかったパンツが 
お尻と便座に挟まって 
無理に脱がせると 

  びりり 

両手で持ったパンツには 
小銭の穴が ....
どんな町にお{ルビ囃子=はやし}が鳴り響いて
どんな町で葬列が連なってんのさ
僕は家へ帰る
青と黄色と黄緑のガラス窓が
なにかしらハンマーで叩き割られて
キリキリ、と
破片が落ちてゆく床に ....
 かえってしまった

温めることは出来ないと思う
キスも
もたれかかることも

ただ、匂いだけは忘れないし
変わらずにあるのだと思う





側にいること、
今夜が一番 ....
   1

真っ直ぐな群衆の視線のような泉が、
滾々と湧き出している、
清流を跨いで、
わたしの耳のなかに見える橋は、精悍なひかりの起伏を、
静かなオルゴールのように流れた。
橋はひとつ ....
体いっぱいに
内臓や肉や骨を詰め込んで
さあ出発だ
横断歩道を渡り
魚の肌を横切り
宇宙ができる以前から咲いている花を
アスファルトに練り込みながら通り過ぎて
コンビニとともに混濁する
 ....
のぞいてごらん、おまえは蓮華畑で興奮している、鼻腔を刺激する春の芳香のなかで、何かを追いかけ、また何かに追われて、ちいさな蓮華の花を踏み潰すたびに熱くなっている、いけないことをし過ぎて気持ち良くなった .... きょうはちゅうしゅうのめいげつ。

まんまるなおつきさま。

ぼくがそこまでたどりつくのにあとなんねんかかるの?

ぼくがひゃくぱーせんとのぼくをさらけだすにはあとなにがたりないの?

 ....
夜明け前
神々の気配が
冷えた大地をわたり
静かな{ルビ洞=うろ}に届けられると
指さした方角から
蒼い鼓動が、はじまる

やがて
優しい鋭さをもって
崇高な感謝があふれだすと
う ....
Amで始まるブルースを
ここに届けてはくれないか
そしたら僕はそれに合わせて
君の心臓をノックするよ

あぁ、視界がぼやけていく
なんて美しい世界なんだろう
靄にかかった世界のほうが美し ....
さよなら

気泡みたいなことばを
無造作に夕暮れに飛ばしてみると
橙にすっと溶けていったのは
声が震えていたせいかもしれなかった

車輪の音、渇いた
ペダルを思い切り踏みしめて
陽炎 ....
八月はしづかに
葉先からくれないに燃え
白い節くれだった骨になる
そのつつましさの中に
芽吹こうとする強い意志を隠しもっている
漂流する鳥たちは
わずかの間のよすがを求め
自らの骨のゆめ ....
 
蝉の鳴かない朝でした
胸の端からほどけてゆくひかり
できたばかりの海は睫毛に乗る軽さ
静かに浮かぶ顔に人知れず声を燃やす

髪を結んで横たわる
約束、と呟いて水より生まれし数字を ....
僕は菌の研究してる。

よく顕微鏡でかわいい菌たちを眺めてる。

いつもと表情が違う、いろいろ考える。

菌が生きてる器の中は雑菌がいなくて、

かわいい奴らのキングダム。

器の ....
炎昼を赤子の声で鳴く蝉や

誘蛾灯十枚の爪かかりけり

泳ぎきし手足を埋めて砂の城

真夜中の汗つま先へ到達す

扇風機ふいに大きく頷けり

蟹踏みし踵より蟹生まれ{ルビ出=い}づ ....
なんだおまえら
と、思うはおやつの頃の喫茶店の中

やつら
梟みたく囁いて昼間の光に盲目になっている
バードキス
ひどく汚い音


男は小太りで
ああ、豚骨の匂いがしそうなくらいぎ ....
喜ビモ憎シミモ異色同音抽象画  

あなたが知っているのは遠くの記憶と貶めかたであり、
それらをもってしての言動にはいつも薔薇のような棘がつきもの
いくつも刺さってしまえば、存外痛くないことに気が付いた。
(小指をぶつけ ....
最初の 真昼の 星が

ことばの 紀元前に またたいて いる

やってきた 9月

地には ことしの 豊穣を

やくそく した 稲穂たちや 曇った空

透明な 稲びかり ....
ぼくには声はないよ

さけんで さけんで
声はきこえなくなってしまったよ
ぼくは、うたえないよ
ただ、卑屈な笑みしかつくれないよ


正直、今日も死にたいと思っているよ
病気と言って ....

家を出ると
道端に
無数の舌が落ちていた

赤信号が
誰ひとり停められなくて
途方に暮れているような真夜中だった

舌たちは
うすべにいろの花のように
可愛らしく揺れなが ....
かつて潔く閉じた手紙は風を巡り
伏せられていた暦が息吹きはじめている

朽ちた扉を貫く光は
草の海を素足で歩く確かさで
白紙のページに文字を刻みはじめ
陽炎が去った午後に、わたし ....
{引用=


  事実、失われたものたちが/こどもみたいなことを
  眉間に集束して、にこやかに手を振っている/窓際に並べ合って、トランプしている
  夏の蜃気楼に酔った、寂しさの群れが/失 ....
 
 
やさしみの
さかなが
しずかに
みなもをおよぐ

やわらかな
さざなみは
しあわせなきおくを
みたそうとする

やきつくされたあさ
さいれんがなりひびく
しきはまた ....
この世界に殺されてはいけない

殺された自らの亡骸は
負け犬を見る様な目つきで
見られるからだ

世界は強大な狂気の塊

殺された自らの亡骸は
音も立てずに廃水の海へと
放り込まれ ....
さよなら、さよなら、


記憶を解き放って 
遠ざかる夏の
四角く切り取られた 空


枠からはみだした場所では
かなしみによく似た顔の
ぼくたちが
今も、酸欠になっている

 ....
ヒゲが邪魔ですねん。
口ヒゲがありますねん。
それが邪魔ですねん。
ヒゲの細胞一つに
世界が一つ隠されてますねん。

ヒゲが邪魔ですねん。
キノコが食べにくいねん。
ヒゲまで食べますね ....
アスファルトの道を歩いていたら
急に波打ってしまったので
なんだろうと首をかしげていたら
そういえばこのところの猛暑で
線路が歪んでしまったことを
思い出していた


ミニィは
アス ....
とうに心は朽ちている
廃墟のような重い空間と
隙間だらけの空しさが
戯言を吐き出しているにすぎない
風さえも知らぬふりを通し
荒らすほどの風景など
もう、無いに等しい

急に老け込んだ ....
大村 浩一さんのおすすめリスト(1993)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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三つ編みの手- 服部 剛自由詩8*07-10-2
大通りに、投げる- 水町綜助自由詩15*07-10-1
- フクロネ ...自由詩5*07-10-1
花について三つの断章- 前田ふむ ...自由詩25*07-10-1
sa-- 葉leaf自由詩9*07-9-28
収穫- はらだま ...自由詩13*07-9-28
ちゅうしゅうのめいげつ。- 小都自由詩307-9-26
フォルクローレ- 佐野権太自由詩20*07-9-26
「この物語はフィクションです。」- 快晴自由詩6*07-9-25
夏追い- 夕凪ここ ...自由詩1807-9-23
螺旋- ワタナベ自由詩2007-9-14
鎌倉- ピクルス自由詩8*07-9-14
顕微鏡- 短角牛自由詩3*07-9-11
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痴話- フクロネ ...自由詩4*07-9-10
測_量_技_師_マ_レ_ビ_ッ_チ_/- m.qyi俳句207-9-9
不器用のむこうがわ。- 哀詩自由詩4*07-9-7
天国の子どもたち- モーヌ。自由詩16*07-9-7
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yuugi- はらだま ...自由詩21*07-8-30
その海から(やさしみ)- たもつ自由詩40*07-8-28
- 路守 緒 ...自由詩507-8-28
やさしみ- 望月 ゆ ...自由詩42*07-8-27
怠けマリオ- ブルース ...自由詩12*07-8-21
波打っている- 小原あき自由詩20*07-8-21
つぶやき- 見崎 光自由詩2*07-8-19

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