俺は始発駅の長いホームに立って、列車を待
っていた。それがその日の最終で、もう後は
ないのだった。それを逃がすと、もう帰れな
くなるのだった。始まりの場で最終を待つ。
その不思議にうたれて、俺 ....
我が家には
保護者は
ひとりしかない

年かさのオンナは
子は3人産めど

まるで
永遠に思春期が
続いているようだから

扶養家族4人
保護者 ひとり

保護者は
朝は ....
新しい芸術とは、本来、違和感が伴うものだ、なぜなら、私たちが、見慣れている既成のものから、逸脱している部分が作品上、多分に見られるからだ。それを言葉にすれば、欠損および不足、過剰、単調、複雑、奇妙な美 .... 世界の果て

夜の駅を守る黒猫
通り過ぎるだけの貨物列車
人身事故のアナウンス
行き先は決まっている列車
決して銀河鉄道なんかじゃない
混雑した車内
優先座席は外人が占拠してる
見上 ....
 もうふた月ほどたつだろうか。わたしは毎日、すこしずつ家財を捨てている。家財、といっても、どれもさまつな――そのほとんどは夫と共有して、それなりの思い出がつまっているのだろうが、もはやさまつとしかいい .... 幼さをテトラポッドの棘とげに爪先立ちで残してきた夏  

木漏れ日から乱調の秋降り注ぐ エンブレムなんて破り捨てよう  

遠き日に屋根へと投げた乳歯が今落ちてきたよう昼の初雪  

ふく ....
{引用=ほろほろとくずれはしない鍵の化石があなたのからだをひらいています
記憶は銀河のように 白い、黒い乳房のあわいをすり抜ける
あたたかな指先であなたの軌跡に限りなく薄い爪痕 ....
役場に呼ばれて俺は行った
お前が確定申告をしなかったがために
県民税・市民税の徴収に差し支えが出ている
ついては指定の日時に必ず出頭するように
そんな葉書が送られてきて困るのは
俺には確定申 ....
波は打ち寄せ
白泡をたてているというのに
水面は
まっ平らだ
波は打ち寄せ
白泡をたてながら
防波堤に砂を積み上げているというのに
水面は
やっぱり
まっ平らだ

浜の向こうで
 ....
若い女性に人気があるクレープを
男子高校生たちは売ろうと決意した

クレープは売る前に
クレープは包むものだ

経営観は強気の攻め一本
結果については勝つか負けるか
の二分法
若気の ....
レモン色のチューリップが
それは雨天のせせらぎであって
顔は飛沫(しぶき)をはじいていたのです

あなたは最初の花ですか
植物図鑑のはじめですか
あなたは「赤」のはずなのに
あなたの夢み ....
チャペルの鐘の音 
ハレルヤのゴスペルの響き


祝福の音色を浴びてキラキラ輝くのは
淡いパステル色の金平糖
小さな羽根を羽ばたかせ
あなたのキューピッドが運んでくる。


甘い砂 ....
なんとなく、通りがかりの店でこのアルバムを手にしたのは、恐らくは中学生頃のことではなかったかと思う。あの頃はCDレンタル屋で本当に色々な歌手のアルバムを聴きあさっていたものだった。佐野元春の曲を聴いた .... 用を足すだけなんだけどね

うら寂しい公園の片隅にあるのは決まって便所ってやつで

おおむね和式の便器しかなくて
紙なんか無くて
げげげのお友だちなんかの手が暗闇からぬらりひょん

べ ....
ぼくはこどもの老人ホームみたいなところにいた

親と暮らせないこどもは

この世に多いような気もしていたし

周りがそんなふうな子ばかりだったから

そう思っていたのかも知れない

 ....
気がつけばいつもの妄想リツが嫁何回やっても何回やっても 突然着メロを歌った携帯電話が
静寂の中伝えたのは
友人の死だった
半年間
人工呼吸器に括られた彼は
むしろよく生きた方だと
母親の声が途切れ途切れに
電波状態のせいではないことが ....
 笛を吹いて
 雲海を渡る
 太陽ばかりの空を旅した
 何処かの山肌を眺め
 草原は遥か



 笛を吹いて
 湿原の広がる
 空を反射させる光の伝言を ....
スタンドは
一人一体
さぁ抜きな
どっちが速い?
試すとしよう






 ....
君に愛されなくなったら
あたしの心臓も
止まってしまえばいい

君の目が 声が 手のひらが

あたし以外を愛おしそうに触れたら

その瞬間

まるでオーバーヒートするみたい
体中 ....
触れるのはまだすこし怖い
けれどずっと見ていたい
近くに来ようと 遠くへ行こうと
わたしにはすぐわかるのよ
あなただけを見ているから

手をつないで キスをして
緩やかにあなたを包んで
 ....
胸に彫刻刀をあてて
誰が家紋など彫ろうとするのか

いづれ君は
かどをヤスリで削って
私は誰でしょう、なんて
笑って(泣いて)

それでも
叩いた音の響きで
君はすぐに見つかっ ....
mean meanと蝉がぼくを詰っている
いじわるなぼくは
アスファルトにおちているつよい水性の日差しをひろってたべる
夏というのは架空とおもう
ふとてのひらをすかしてみると
うすい水か ....
携帯なんて要らないよ
何処までも届くけど

糸電話くらいの距離感で
君と居られたら

電波なんて意味ないよ
送るのは楽だけど

糸電話くらいの距離感で
君に伝えられた ....
いつだって {ルビ別離=わかれ}た後に 視る夢は

      遠すぎる過去 触れぬ思い出



思い出の 箱に封じた ただひとつ

      「言えばよかった 声の限りに」
テッポウユリではないのです
夏の終わり
花期をたがえて
今頃に咲く白い花

例えばアカザやブタクサ
夏草でいっぱいの四角い空き地の真ん中に
丈高く唐突にすくっと一本だけ
そんなのがタカ ....
希望があるから絶望があるんである
絶望したくなかったら
希望なんぞ持たぬがよろし

数独を解くのに飽きたわたくしは
今日七杯目の焼酎をつぎながら
わたくしの幸運なる結婚生活について
(た ....
きみのせいで夏が終わらない

扇風機がかきまわす生温い空気のなかで
今日六杯目の焼酎を呑む
ツクツクホウシが鳴き出して
もうとっくに朝だということは自覚している
ついこのあいだまで
わた ....
何を、歩いていく
道にもない、けれども
体操服の人と、
赤い何かがあるというわけではない、
バイクと、歩いた
川の向こうには、すれちがう、


山はすれ違っていく
本が私をそびえてい ....
                 100831





クリスタルの庭園に
カットグラスの彫像を納める
納入予定日は1ヶ月後
手慣れた職人さんは熱中症で入院中
そのお弟子は ....
大村 浩一さんのおすすめリスト(1993)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
瞬間- 岡部淳太 ...自由詩310-9-28
保護者- 森の猫自由詩3*10-9-28
新しさと、詩と__mixi日記より- 前田ふむ ...散文(批評 ...11*10-9-28
世界の果て- itukamitanij ...自由詩2*10-9-27
花冷え- 豊島ケイ ...散文(批評 ...14+*10-9-27
廻航したい季節- カワシロ短歌610-9-27
連詩_「_知覚_」_よもやま野原・竹中えん・なき・夏嶋真子- 夏嶋 真 ...自由詩18*10-9-25
かに座12位- セガール ...自由詩1610-9-24
夜釣りも一人だ- 北村 守 ...自由詩610-9-24
クレープは包むものだ- N.K.自由詩19*10-9-23
レモン色のチューリップが- 乾 加津 ...自由詩14*10-9-22
sweet_wedding_sweets(祝福の歌)- 渡 ひろ ...自由詩20*10-9-21
佐野元春のTHE_CIRCLEを久しぶりに聞いてみたっ!- 番田 散文(批評 ...3*10-9-21
流すひと- 恋月 ぴ ...自由詩20*10-9-20
帰る場所- 吉岡ペペ ...自由詩1610-9-20
エアーマンがカチューシャ外せないよおかしくねーし- A-29短歌1*10-9-10
Go_On- 寒雪自由詩310-9-10
笛吹き- ヨルノテ ...自由詩210-9-10
平成二十二年九月九日の短歌- TAT短歌3*10-9-9
熱中症- 愛心自由詩5+*10-9-7
オイオトシ- nick自由詩2*10-9-3
セロファン- 瑠王自由詩6*10-9-1
mean- コーリャ自由詩1210-9-1
有線通心- 秋助自由詩1*10-9-1
創書日和「箱」_閉じた箱- 逢坂桜短歌4*10-9-1
たかさごゆり- 小池房枝自由詩7*10-8-31
訣別- 佐々宝砂自由詩8*10-8-31
やつあたり- 佐々宝砂自由詩510-8-31
平日休み- 番田 自由詩110-8-31
三軒目の鴉- あおば自由詩7*10-8-31

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