忘れてください
と、口にした時から忘れられなくなる
ふいにこぼした言葉も
思いつめた頬の感じも


忘れてください
忘れたものは戻ってこないと知っている
ある日ふとまざまざと
風に揺 ....
気づいたときには
あたしの体は
小さい傷で溢れかえっていた

顔のかさぶた
剥けた唇
腕の切り傷
胸元のできもの
指先の逆剥け
へその横の湿疹
太もものかぶれ
膝の擦り傷
ふく ....
そろそろしおどきだ

あほうどりはかぜさえあれば

どこまでもゆける

かたくなにかわらないひびが

おわろうとしている

はっきりとしたあてはないが

つぎのきせつがかぜをは ....
今夜の雨は悲劇に酔っている
私だけは違うといいながら
誰もが同じように濡れている
無邪気すぎるから
傷付けられたことさえ忘れて
私だけの痛みが欲しいと
傘を風にあずける

  焚き ....
いつだって僕は
君でいうとこの洋服の端切れ


つなぐ事だけを求められてる


そんな役目でもとても嬉しくて

愛しい人との始まりの時間が近づけば
きみはぼくの話を聞き ....
僕がそこに見える気がして、手を伸ばした。

けれど、そこには手が届かなかった。

触れることが叶わなかったから、喋りかけてみた。

口が動くのは解ったけど、聞き取れなかった。

僕はそ ....
小学校に行ったよ
山奥の
廃校になった

なにもかも小さくて
洗面台なんかほんと低くて
でも何でも揃ってて
まだ、ひとの気配がした

あんまり陽あたりがよくて
運動場も広いから
 ....
長く人と
長く他人と
近くにいるのに
何を考えているのか わからないなんて
僕たちはとても不便だ

それに誰もが人を 他人を 自分を偽っていく
その嘘が露出しないように
必 ....
ムーミン谷に不眠症はない
眠れなくても誰も困らないから

ムーミンママは
もし眠れなかったら台所の整理
夜出てくるトロールたちに
小さなお菓子をこさえてくれたり
あたたかい飲み物をくれた ....
乾いた空を見あげて泣いていると
(おとうさん
(あんまりやさしい気持ちになると
(涙がでたくなるんだよ
という

疲れたときは
ふうせんかずらの種をあげる
それから
ビールを買ってあ ....
1 両手を前に差し出します。

2 人差指と親指でかぎかっこを作ります。

3 なるべく今のあなたに
  素直な言葉を挿入します。

4 そのまま両手を中心に向かって近付け
  長方形 ....
ミルクホール
生温かい
むせ返るような 喧騒
人々は
輪になって
互いの顔を眺め
口を動かし
耳をそばだてる

ミルクホール
夕方は寂しい
暗くなるとき
暗くなった ....
みなみの風、稜線のむこうから白のむれ
あなたは北から

奥そこ、しずかな砂のうえにからだをおいて
あと三日ほどねむって
ちいさい時分にみた夢を思いだしている
しろく、生あたたかく
とおく ....
隙間のうたが家をなぞる
屋根を除き暗く浮かぶ
金と緑 水と水
互いを招く 打ち寄せる


棄てられた庭
蔓が壁に描く大木
雨の音 波の音
色の音 鎮む音


遠 ....
るるるるる
るるるるるるる
るるるるる
崩壊するる

保育園のオルガンは息があらい
足踏みがねばついている
牛乳をこぼした
園児は花とともに卒園して
入学する前に死んだ

夜のこ ....
古い古いソウルミュージックが
ラジオから流れはじめたその夜の
23時
僕は窓をあけ、風を誘い込んで
ノロノロと車を走らせる
マービン・ゲイ そしてマイケル・ジャクソンを口ずさみながら
誰か ....
廃校の探検隊だぼくたちは廊下がミシンと鳴るアンダンテ


イチゴにも砂糖をかけるアキちゃんが横目で見ているスターバックス


算数が誰より得意なユウくんは今日も釦を掛け違えている


 ....
4時をすぎたら
紅い血の夕焼け
気持ちをほどこう
君の手を握って
形のない願いを
たしかめるそのくちびるは
甘く
苦い
闇のよう
どこへ行くのか知れない
金色の
銀杏並木
ゆる ....
濃いウィスキーを一滴たらした夜にひろがる
昼は 望んでも得られない静寂。
買い換えた、二代目の目覚まし時計が
裏蓋をなくしたまま枕頭を守ってくれている。
「日々の営み」以上のことが要求される人 ....
ションベン漏らして、
糞漏らして、
死んでいくのも、お似合いかもなと思った。

俺の所為じゃねえもん。
俺の所為じゃねえもん。
むしろ運命ってもんじゃねぇの。

急に死をむかえてシ ....
新しい人が来たので
かじかんだ指を暖めていた子は
背中をまるめてそっと
席を立った

それは
あまりにも静かに行われたので
だれかが席を立ち
新しい人が座ったことに
だれも気づかなか ....
お嬢様望遠鏡でお喜び お父様!羊から鼻血が!



泣きながらミシンでつけた道筋に友達なんかは歩いてこない



塾、稽古、家庭教師にボランティア砂糖にたかる蟻は∞



乾く ....
 
動物園の絵はいつも雨が降ってるあなたと行ったあの日から
 
 
手を繋いで坂道を駆け上ったね下る時に負けぬ速度で
 
 
母と二人ハンバーグをつくる夕日よりもきれいだったひき肉
  ....
生ぬるい図書室での坊主めくりだった
なぜ蝉丸がいちばん人気だったのか
わからない

輪に違和感なく溶け込み
無遠慮にかがんで微笑むあなたの胸もと
気になって
腹が立って
仕方がなかった
買い物に出かけた初冬の街角で
あのひとの姿を見かけた
両の手のひらをパンツのポケットに入れ

開店前のパチンコ屋に並んでいた
私の姿に気付くこと無く

他愛も無い夢と引換えに大切なものを ....
つまずきなさい、
何度でも

ほんとの意味のつまずきに
出会うときまで
何度でも



傷つきなさい、
何度でも

深手のつもり、で
いられるうちに
癒しのすべが
 ....
秋鮭って捨てるところ無いんだよね
骨や皮まで美味しくいただけるし

そんなこと話してみたら

「人生だって同じだよ」
あなたは秋鮭のルイベを美味しそうに頬張った

だと良いけどね
な ....
セレモニーで祝福なんかされたって
嬉しかったかもしれない花束が
ずっとずっと枯れなくって

蜂がクラスにやってくる

沸き立つ窓際
なんだかんだとイェイイェーしている
爆弾つくりそうな ....
正体不明の嘘が嫌いだ。
言葉を並べ立てて嘘をつく、政治家とか、弁護士とか、大嫌いだ。



抽象的だとか、混乱しているだとか、曖昧だとか、定義付け出来ないだとか、そんな、そんなものが大好きだ ....
ぶら下がっているわたし
の、創立八十年
の、生後十一年
の、柔軟を奮って弾丸になり
この袋を突き破るのは
口のゆるめ方がせこせこしているので

権力は
狡猾なのではなく
短絡的なので ....
大村 浩一さんのおすすめリスト(1993)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
忘れるということ- 石瀬琳々自由詩14*08-12-18
ヒビ入りミラー- 愛心自由詩7*08-12-17
アルバトラス- 《81》 ...自由詩4*08-12-17
雨は名前をくれない- たりぽん ...自由詩12*08-12-16
telephone- 瀬田行生自由詩208-12-16
創書日和「かがみごし。」- 狠志自由詩108-12-16
いつか、約束の- 夏野雨自由詩47*08-12-16
セントラルパークブルース- 瀬田行生自由詩308-12-15
トロールたちの眠れない夜- 小池房枝自由詩20*08-12-14
おとうさんの空- 佐野権太自由詩17*08-12-11
「_」- かいぶつ自由詩1808-12-10
ミルクホール- 瀬田行生自由詩308-12-6
(無題)- キキ自由詩608-12-5
夜と歩み- 木立 悟自由詩208-12-5
- ともちゃ ...自由詩21*08-12-5
月光ドライブ- フミタケ自由詩8*08-12-4
【短歌祭参加作品】_少年少女たちの自由奏- Rin.短歌19*08-12-2
金色- フミタケ自由詩3*08-12-2
#37- 吉岡孝次自由詩108-11-29
ゴールキーパー不在。- 菊池ナン ...自由詩1*08-11-28
新しい人- ふるる自由詩27*08-11-26
【短歌祭参加作品】ノーリーズン- ふるる短歌11*08-11-26
星の鳴る夜- たもつ短歌2208-11-26
熱病を切り刻む- FUBAR自由詩3*08-11-25
邂逅のひと- 恋月 ぴ ...自由詩33*08-11-23
つまずきなさい- 千波 一 ...自由詩21*08-11-19
いつくしみ- 恋月 ぴ ...自由詩32*08-11-16
- さわ田マ ...自由詩308-11-14
正体不明の嘘がとても嫌いだ- 結城 森 ...散文(批評 ...2+*08-11-14
有袋- 伊月りさ自由詩6*08-11-13

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