テーマ34
真島正人




カーテンと足袋だけでどうにかなる話でもないが
思い出すことはできる
電気がチカチカする街を通り過ぎて
二度目の宿屋に泊まる
夕食はバイキングなので好きに採る
電気砂が入り込んでくる
すると目が覚めたとき空気の色は少しばかり変わっている
相変わらずビートルズと
スターズがいる世界



エディ・ゴメズには悪いが僕と友人は電飾音楽を選択する
目がチカチカする
昼食には名古屋で鰻を食べ
テレビ塔を見る
向こうの店ではラテン系の音楽が豊かで
みんな大漁だと旗を振っている





何もないところに煙は立たないように
脳のない眠りはない
夢は脳が見せる
だが
物理の基準は質量に頼りすぎてもいる
老いた舌
老いた肌
幾夜経た皮膚は
その皮膚ではないのに
我々は寄りかかる
そしてそれらは何も語らずに更新を続け
受け継いだことで翻弄する、無言の翻弄は我々に語る必要もないかのよう

  ※

情報学は散布される
生命科学は語る
生物学は断続する

荒い海の底のように静かな場所で
我々は繋げることを考える
そして分裂を余儀なくされる。



連結がもっと悲しくさせる
どんなオペラよりも
実務的に
僕たちは
こんな日常である

「許せ
 断ずるな
 美辞麗句はいらない
 普通にしろ」

ハイ、ハイハイハイ





愛は情報
分析された
分別のための処方
処方箋ください
これとこれです。
どうもありがとう直ってみます


自由詩 テーマ34 Copyright 真島正人 2010-07-17 01:09:15
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