「取れないのよ」
薄紫の煙草のけむりのような輪を
月桂樹の冠みたいに
ぐるり と頭にのせて
隣りの席でカノジョがボヤいている


アノヒトのことが
頭から離れないと言う


そう ....
噴水のそばでは
アビリティーが無効になります
仕事の話はやめましょう
大声で電話しながら歩いている人
あなたの内側を掃除したい


 2004年11月23日制作の上記「噴水の話」から、昨 ....
 真夏の夜だ。
蛙の鳴声。その、むせ返るような自由さ。或いは、
青春の悪徳を手に―体育倉庫から盗んだバレーボールを片手に、
的外れなコートの上に、田んぼの中にぼくらは突っ立っていた。
「試合よ ....
正気を失いながら、それでも
わたしたちは、生まれてしまうのだろう
何度も、何度も、
そしてほんとうは
一度だって、死んだことはなかったのだと
臨終のそのときに、知るのだろう



  ....
おなかが痛くて
おやすみしたという娘が
しょぼくれた眠い目を
こすりながらくれた
カカオ

バレンレーの日と
君が言ったから
誰がなんと言おうと
今日は
バレンレーの日

あた ....
―今日のうちに降るだけ降ってしまえばいいのよ―

受話器の向こうで母が言った。相槌を打ちながら片手でガラス戸を開け、グレーの空を仰いだ。激しくはないが単調に降り続いている。家族内での大きな行事はな ....
穴の夜に可憐な花を引きちぎる 心の底から憎まれたくて


『やさしさ』という字はとても丸いのでやわらかなものと誤解していた


ワンピースに西のワインがふりかかる とれない染みに焦がれど、 ....
知らない町をゆく
晴天が聳え
すかんと何もかにも失せている
なるべくうまく置きざりにされて老いぼれたい

乾きたい乾きたい ああ 
かあ わ きたい の
曲がりくねった坂道むちゃくちゃに ....
一秒ごとに
とどまる
時間が
抜殻として
輪郭を残し
なだらかに
連なる

呼吸と
思考
いくつかは保たれ
いくつかは置かれたまま

ふりむけば
うすい
半透明の
殻が ....
ふたつの手のひらを
使いこなせない昼下がり

耳を澄ませてわたしは
しずかに風を
遮断する


すべては
それとなく遠い気がして
けれども確証はなくて
言えずに続いた
 ....
音の屋台骨
しみゆくものと
頭蓋

ながれ
菜の花と
ことばあそび

五歳の
おとこのこのように
昔の幸せのように
毎年、節分の時期が近づいた頃
駅には近所の小学生の作った『鬼のお面』が飾られる

"上手な子"の作品が選ばれて飾られる

自分の作ったお面が飾られる子供は
近所の おば ....
{引用=タイトルが半分くらい省略されてしまった。


日常生活でさりげなく笑うことを念頭においていろいろな人と会話をしていると、それが積み重なって、「いつも控えめにだけどよく笑っている、感じのい ....
ころがる
しずかな すいへいせんの上



あさ
お茶をわかしながら
てのひらで
背骨をなぞった
恐竜のように
そらへとつづく梯子の ように

あなたが
つづいている ....
(http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=168092の冒頭に転載)


映画は時間とともにヨコに流れる「時間芸術」である。しかし、それはときに、一瞬にして強 ....
誰がどんな文脈で発した言葉なのかもすっかり忘れてしまったのですが、とても印象に残っている言葉があります。
「あらゆるものはあいまいです。それを正確にしようとするまではそうと気づかないくらいに。
そ ....
批評には苦手意識を感じてしまうけど、書けるようになりたい。
重い腰を上げるには自分の好きなものと関連させてしまおう。
と思ったのですが、余計悩んでしまいました。
犬の詩は犬好きから冷静な判断を奪 ....
(カウントして、さあ!)

笑えばいいかみさまのイコン

ついこないだまで生きていたと、信じないなら問題なかろう

すりこまれた誠意

フォルテッシモより馬鹿げたメルシー

ファイ ....
 子どもの頃「怖かったもの」がたくさんある、チャルメラのラッパ、ギャル、雷に、「かちかち山」の絵本・・・。そんな中で、私が何よもり恐れていたものが天狗のお面であった。
 そのお面は私が六歳のときに暮 ....
日々、ニュースを見ていて奇妙に思うのは、殺人事件などで家族を亡くした遺族の中に、インタビューで心境を聞かれて「嫌いな奴が死んでせいせいした」…… とまではいかずとも、「家族が死んでしまって悲しいけれど .... 電球の切れた部屋は薄暗く
机の上のランプだけが部屋の隅を照らす
ゆれる煙草の煙
歪む視界の隅
眠気を切り裂く犬の遠吠えとクラクション
思い出すように右手で銃の形を作る

エアギターエア合 ....
かみさま って
ひらがなで書くのは反則だ
世界 ってやつをひっぱり出すのも
ルール違反ってことにしよう

そこから
おれたちはまず
書きはじめなくてはならない

雨上がりの
濡れた ....
使い古されたピアノが一台
早朝の小さな港から
出航する

ピアノの幅、奥行、高さ
しかもたないのに
言い訳をすることなく
ただ外海を目指していく

誰もが自分自身のことを語りたがる
 ....
雪が降っている
ゆっくりと
確実に
地面に
森に
山に
田畑に
人に
犬に
家々に
音も静かに
きちんと降りてくる



そんな様を見ている

景色が
無音の白にな ....
羊たちが目覚めて草原をさまよう、朝の陽は山々にさして、青みがかったきみの虹彩に映るのは昨日落としたまま忘れてしまったきみの幼年時代だ、きみは蜂のように騒ぎながら羊たちと踊る、朝の食事の合図が聞こえてく .... 地球が滅びるとき
進化が過ぎて
全種類のいきものが
一斉に空を飛ぶ
大気圏を越えて
少し離れたところから見た地球は
丸裸になっていた







そんな夢を見てしまったら ....
何をどこに忘れたのですか?
駅の係員は開いた記録簿に目を落とし尋ねた

普段から乗りなれた通勤電車
それなのに今夜は何かが確かに違っていた
勧められるまま飲んでしまった新年会
赤ら顔の同僚 ....
親指でしか語れなくなった


指先が覚えてしまったのだ
無機質な凹凸に触れるだけで
整然とした文字が手に入ることを


まっさらな紙の緊張や
そこに落ちるイビツな文字
との格闘も捨 ....
鼓動を知っている
急激に階段を上がり
寝床に入ると
生きている苦しみと共に
息切れと共に
脳を覆う

熱を合わせると
寝床が海に変わり
大海原を旅する船になる




鼓動 ....
 
 
夜になると
鳥は空を飛ぶことを諦め
自らの隙間を飛ぶ

高い建物の立ち並ぶ様子が
都会、と呼ばれるように
鳥は鳥の言葉で
空を埋めていってしまう

知らないことは罪ではな ....
大村 浩一さんのおすすめリスト(1993)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
環状感染症候群- 渡 ひろ ...自由詩18*08-2-18
●そろもん(あとがき)- みつべえ散文(批評 ...4608-2-17
ホースで水をかけてくれ- プテラノ ...自由詩3*08-2-17
さしすせそ、- 望月 ゆ ...自由詩37*08-2-16
バレンレーの日- 佐野権太携帯写真+ ...28*08-2-14
ひだまりつつみ- 雨傘散文(批評 ...4*08-2-10
穴の夜に- 石畑由紀 ...短歌3508-2-10
彷徨と空- 「ま」の ...自由詩7*08-2-8
アースシャイン- 夏野雨自由詩64*08-2-8
青い鳥- 千波 一 ...自由詩26*08-2-3
静かな液体- JTO自由詩108-2-3
紫鬼のお面- 北大路京 ...自由詩15*08-2-2
日常生活でさりげなく笑うことを念頭においていろいろな人と会話 ...- ピッピ短歌2108-2-1
花時計- はな 自由詩21*08-2-1
批評祭遅刻作品■時を止める—「殯の森」と「ノスタルジア」にお ...- 渡邉建志散文(批評 ...10*08-1-30
風潮と予定調和(ニュースを見ていて思うことなど)- 塩水和音散文(批評 ...1+*08-1-29
批評祭参加作品■犬の登場する詩- 木葉 揺散文(批評 ...9*08-1-29
カウント- 自由詩308-1-27
批評祭参加作品■鏡の詩「フィチカ」- Rin K散文(批評 ...19*08-1-25
ニュースを見ていて思う事など- 塩水和音散文(批評 ...3*08-1-24
- 虹村 凌自由詩5*08-1-23
希望- 大覚アキ ...自由詩2608-1-16
沈黙- たもつ自由詩1908-1-16
- 小原あき自由詩20*08-1-16
羊の朝- 佐々宝砂自由詩1808-1-13
地球が滅びるとき- 小原あき自由詩12*08-1-11
忘れもの- 恋月 ぴ ...自由詩31*08-1-7
メール症候群- 渡 ひろ ...自由詩29*08-1-7
鼓動- 小原あき自由詩20*08-1-5
鳥の隙間- たもつ自由詩24*08-1-3

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