切なさは夜になればなるほどに膨らんでゆく風船みたいに  あの丘へ行って
 パスケットにパンを詰めて
 赤と白が戦争をするのを
 二人で眺める

 虹色の鯨が
 フィールドを横断していく
 空気の海を優雅に泳いでいる
 僕達は顔を見 ....
前回の、視覚詩のお勉強の続きです。

○北園克衛の視覚詩

北園克衛は日本の視覚詩の先駆者で、ヨーロッパなどで視覚詩がさかんになったのと同じ時期に
(またはもっと前?北園克衛主催のモダニズム ....
グーテンモルゲン

お岩さん
飛び込んじゃったので
隣家の井戸が走り出す

通訳探してくるかもしれないね

朝は、おはよう
昼は、こんにちは
夜は、こんばんは

ぐっすりお休み ....
あなたはいつも
わたしを傷だらけにした

気がつくと
傷だらけになっていた

痛いからやめてって言うのに
あまり気にしてくれなかった

お風呂に入るたび体中にお湯が沁みる

だか ....
母が癌で去って六日目に父が倒れた。
病名は白血病だった。

父は門限や勉強に、容赦しなかったので一時確執のような物も
生まれた事も有り頑固で頭の固い父だと思っていた。

その父が入院したの ....
夜を忘れたら月は太陽になるかしらと君
かしら 凛とした語気が受話器の楕円に沿ってひびく
夫婦なんて空気みたいなものらしいよ
の 君からの応答 螺旋を逆に辿るために
どんな言い訳もオヨビデナイ  ....
つまずいてばかりの日々にうつむいて
ちぢんだ心を{ルビ潤=うるお}す
水の湧き出る場所を探し歩いた

立ち止まり シャベルで穴を掘り続け
気がつくと
静まり返った暗い穴底にひとり

小 ....
浮遊するのは 短い 手である
切り取られている それらは
いなくなった 僧侶であり
僧侶の 泥の数珠である

浮かび上がるのは 指先である
アスファルトの 教義に
道徳の 邪 ....
私が持っている鍵を使って
あなたの心に入り込む

でも今は
鍵穴が新しくなり
私の鍵では入れなくなった

私への想いがなくなった証拠
使えなくなった鍵は
捨ててしまおうか

私の ....
3歳の夏にわたしは赤ちゃんを産んだのだった

やわらかい栗毛を愛おしいと思った
乳母車はわたしの筋力のなさをあざ笑ったが
幸せな光はいつもわたしの頭上で放たれていた

母親になる幸せを誰に ....
家屋は言葉のように
優しく朽ち果てていた
時間があればそこかしこで
両親は笑顔を絶やさなかった
幸せな玄関ホール
その壁には今でも
兄と私の指紋が残されていて
静かに機械の匂いが ....
雨よ吹け雨よどんどんふいていけ
 むかしのことなどわすれてしまえ 


医師がいいしやさしきことのかずかずも
わたしはおぼえていますよドクター


けっきょくはめぐまれている ....
フリマの一番隅の方で
いなくなったままの父が
お店を出していた
犬がいっしょにいた
名前をペロといった
父が好んでつけそうな名だった
お店には小さな靴が一足
子供のころ私が履いて ....
死ぬときはひとりでいたい
本当にひとりで
見守るものもなく
見捨てるものもなく
星が
星の瞬きが
気づかれないうちに黒く
黒く輝くように

かなしいとか
なみだとか
そんなも ....
珍種の鳥を集めた
大学博士の庭の檻のなかに
クチバシがスパナアの形をした
虹色の鳥がいた

わたしは胸のかごの扉のねじが
どこかでゆるんでしまったらしく
風がふくたび
かたりことりと音 ....
親父は定年退職し
母ちゃん専業主婦となり
息子のぼくは半人前

母ちゃん家計簿とにらめっこ
ばあちゃんが払う食費も1万ふえて
なんとかやりくりの日々であります

雨もりがあふれる床
 ....
雑多なる手足ここそこ糸を吐く

木組みの台で踊れし彼女の木工ロンド

とびらはずす
 時候の挨拶 叔母が来た

荷姿でグランドピアノを弾くピアニスト

少年の青
連れ込んで
   ....
国道沿いのマクドナルドで
あなたのシルエットを買った
伝えたかった言葉で
支払いを済ませる
足りなかった文字が、あったような気がする



4時限目の鐘が
モノレールをつたって、とど ....
星野富弘 さんの 詩画集に 芙蓉の はなについて 芙蓉は 温かな 母の 色を している 哀しみと よろこびが 入り混じった 温かな母の 色を している というような 詩が あった 。わたしの いいたか .... 寝がえりの数だけ夢は裏がえる



またひとつ積もり重なる雪まなこ



煌々と言葉は眠りを遠去ける



見も知らぬ機械の生まれを語る夢



 ....
手嶋純

どんよりとした空が

朝の気分を重くする

空を埋め尽くす

アキアカネが疎ましい



秋は秋らしく

木々を染める

彼岸花は咲き乱れ

怪しげに人 ....
風呂とトイレが一緒になっている家が嫌で少々値は張るもののちゃんと風呂トイレ別の部屋を借りた

      ***

周囲はユニットバスで充分事足りると言うのだが
僕は満足している
こうやっ ....
諦めることを諦めてしまえば
誰でも抜け殻になれる


枝をはなれた枯葉が
落ちる途中で宙返りをする


もしも諦めることを忘れることができたなら
何度でもその身をひるがえしてみせよう ....
人と争うように働いて
話す気にもなれず
押し黙ったまま一日を終える

仕事帰りの公園のベンチ
あたたかいゆげで慰めてくれる
たこ焼を食べていると
目の前の通りを
なかなか客に呼び止めら ....
夕暮れのバス停で
バスを何本も見送りながら
いつまでも尽きない話をしていた

木枯らしに吹かれて
君が吐き出す白い息が
ダイヤモンドダストに見えた

教室も ....
ともすれば、その人の
冷たい朝なのかもしれない
天井はいつも通りにぴんと張り詰めている
とりあえずは、流行の
そこから外れた道の街路樹のなびく姿を真似て
まずは珈琲をすすることから始める
 ....
部屋に突然インドがやって来て
勝手にインダス川を氾濫させるものだから
部屋は水浸しになるし
大切にとって置いたものも
すべて流されてしまった
これは何の冗談だ、と
食って掛かっては ....
光の傷の足跡でした
小さくまぶしい姿でした
川はあふれ
流れはくちびるのかたちをして
水と土とを引き寄せるのでした


流れの音は
光の花の緑をしていて
過ぎてきたどこか ....
さようなら 悲しい人
そのアクセスは朝未きまで途切れなく
届かない女を探り続ける
あの秋
重い鎖は切られることなく ウインクひとつでとけた
遅い朝 手を伸ばしても
溜め息ですら拾えない
 ....
大村 浩一さんのおすすめリスト(1993)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
切なさ- 夏川ゆう短歌505-11-22
エリーゼ時間- 如仁自由詩505-11-22
視覚詩と北園克衛_(と私の好きな視覚詩)について- ふるる未詩・独白16*05-11-19
三つ指ついて- あおば自由詩4*05-11-19
体が心を- チアーヌ自由詩405-11-18
回想- しらいし ...散文(批評 ...14*05-11-18
きみと別れると決めた夜の覚え書き- 窪ワタル自由詩705-11-18
「井戸の底」- 服部 剛自由詩13+*05-11-17
浮遊した土葬- 奥津強自由詩9*05-11-15
心の鍵- 夏川ゆう自由詩905-11-15
初産- むらさき自由詩8*05-11-15
優しい機械- たもつ自由詩3105-11-14
雨よ_吹け__- すぬかん ...短歌205-11-11
フリマ- たもつ自由詩21*05-11-10
僕たちはいつも独りで- いとう未詩・独白3205-11-9
珍種の鳥- ZUZU自由詩7*05-11-7
さといも家族- 服部 剛自由詩22*05-11-5
くるうがにくも- 黒川排除 ...川柳305-11-5
白日、みる夢- 望月 ゆ ...自由詩22*05-11-4
はは_に_捧げる_うた_____- すぬかん ...散文(批評 ...105-11-4
眠り枯らして_- 木立 悟俳句805-11-3
背信- 手嶋純自由詩105-11-3
- 錯春自由詩1*05-11-3
枝をはなれた枯葉は宙返りをする- ベンジャ ...自由詩6*05-11-2
白いゆげ- 服部 剛自由詩23*05-11-1
夢の続き- 落合朱美自由詩17*05-11-1
領域、その人の- 霜天自由詩18+05-11-1
小詩集「書置き」(九十一〜一〇〇)- たもつ自由詩29*05-10-31
けだものと覆われた子- 木立 悟自由詩1305-10-31
悲しい人- たちばな ...自由詩505-10-31

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