葉っぱたちのとがったきっさきをさっきから風がはげしくゆらして
じべたに並べられた各種弾頭のことを考える
雨上がりのひんやりとしたゼリーのような中を
ゆっくりと自由に空気を押しながら
あたしは記 ....
 
テーブルの向こうには
崖しかないので
わたしは落とさないように
食事をとった

下に海があるということは
波の音でわかるけれど
海鳥の鳴き声ひとつしない
暗く寂しい海だった

 ....
はじめての出逢い
それは父親に肩車されてのこと

ガラスの向う側で
愛らしそうな顔して笹を食べていたっけ

何時でもいるのが当たり前
そんな存在でもあったような気がして
パンダってまた ....
わたしの棲む場所を流れる川に
水はない

誰かが
橋の上から捨てた言葉を
灰色のさかながついばんでいる


     *


夏の暑い日、わたしは
忘れてしまいたい過去の過ちと ....
                 080513





水色の空に雲が流れ
時間が止まっているようにも見える
体育館では
子供たちが遊んでいる
にぎやかな声に
忘れかけた記憶 ....
ものの名を知ることは
世界ととけあうことだ
曇天の下
すべては自らを中心に
分断されている
その心がかなしく
またこわいのだ
誰も知らない場所で
花が落ちるように
周囲から急速に暮れ ....
林檎がふるえている
暗い海の底で
ヒリヒリする電波を発しながら
傷んだ痕をさらしている


林檎たちがふるえている
共鳴しながら
いくつもの透明な触手を
スルスルのばし
痛みをそっ ....
お愛想だと判っていても
みょうな期待を持たされてしまう

口ぐせなんだよね

未来と繋がっているようで
繋がってなくて
この連休の天気予報みたいに当てにならない

悪気なんて無いのだ ....
海岸線のガードレールでもなく
尾根を越えていく高圧線でもない
届こうとするものは
いつも不完全で ただ
どこか、まで続いていく

アルシオネの円周でも
火星が結ぶ軌道でもない
繰り返す ....
長い間待ち望んでいた瞬間が訪れる
受付の看護士さんに案内され
病院らしい匂いのする待合室の長椅子に
わたしはひとりで腰掛けていた

手術自体はあっと言う間ですから

こころにメスを入れる ....

小さい頃
コーヒーとは
空色ののみものだと思っていた
すくなくとも
母親が眠れない夜にいつも作ってくれた
ミルクコーヒーは
曇りの日にふと覗く
青空の色をしていた

それなのに ....
ほどけてしまいそうな
女の子のからだから
春をとり出してならべる

つみぶかい瞳が
まだそこにおよいでいる
名前の知らない五月の旗
活字から顔をあげて
だれをみる
外をみた
窓 ....
太陽がブスブスと燃え尽きて
街がポツポツと独白を始める
厚化粧した流行が
人工の闇を闊歩する
巻き起こる風にそよぐビル群
氷だらけのジュース
灯りのない部屋に切り取られた小さな窓
ひとつ ....
またもや不意打ちに
なげこまれたアクシデント
水面がざわざわ騒ぎだす
バリケードをはりめぐらせたつもりが
いつもほんの一瞬のスキをついて
とびこんでくる



ズン と重く腹にしずん ....
蛙の/鳴き声は

星の/鳴き声だ

地上の/宇宙で

無機質な/命の

星/鳴いている
女子トイレに入ってきた
あなた
あっと小声上げたと思ったら
ばつの悪そうな顔して出ていった

なんだかおまぬけで可愛いよね
あれれ、わざとかな

石橋は疑って渡れ

ほとんどの誤り ....
?
まだ柔らかな朝の光を受けた街は
サッパリした顔で無防備に佇んでいる

夜に息をひそめていた澄んだ空気を
胸いっぱいに吸い込みながら歩きだす

あらゆる事が起こり得る一日の始まり
だ ....
あの、ね

  君の語りの中にはいつも海があって
  壊れた砂時計が海岸線を塗りつぶしている
  波はいつの間にか言葉になって
  こだまする、喉の奥

赤いうさぎを抱いた少 ....
朝の街は風が強い
友は今日だけのことと笑ったが
夜明けを知らないその朝
やはり風は強いのではないか
夜の街も風が強い
髪が乱れされて舞い上がる

灯りが明るく 
またぼんやりと平然と雑 ....
いまいましい季節が過ぎ去って
春の匂いを運んで
ちいさな風が
独り言を
ちっちゃな声で

ほんにゃら ほおい

赤いランドセルに
まだおんぶされているような
ふきのとうの葉で
傘 ....
それがどうした
どうもしねぇ
どうもしねぇけども
気になった
それは何だ
それが何か分かっていたら立ち止まらなかった
通り過ぎた
頭が理解して処理した
白と黒の世界で納得した
灰の中 ....
   書いては消し、
   書いては、
   消し、


   夜 、
   に書いた手紙は朝にもういちど読みかえしてみよといいます、
   雪は残らずとけてしまった、私は雑 ....
駱駝は人手に渡してしまった。
少しの水と、一日分の糧と引き替えに。
だから二人の娘は手をつないで歩いた、
月下の沙漠は、
はろばろと二人の前に広がっていた。

邪恋の娘ども、と囃し立てられ ....
ゴスロリっていうのかな
そんなフリルのたくさん付いた服
一度くらい着てみたいけど
「おばさんの癖して…」
あなたに言わてしまいそうだし
そんなの着れる歳じゃないことぐらい判っている

ふ ....
「ダックス!」
といきなりいわれた
ソファーでひっくり返って
ノビている姿が
ペットショップで見かけた
ミニチュア・ダックスにそっくりだという
あんなふうにやわらかい腹をムキダシで
無垢 ....
僕の黒い革靴と
君の銀のパンプスとが
白黒市松模様のなめらかな床の上を
並んで踏んでゆく
とうとう此処まで来たんだね

誰も居ない 此の世の果てのバルコニー
数メートル先 白い手すりの向 ....
天井に 暗がりで光る星のシールをはりつけたのは
たしかにシェルターのつもりなのでした

天の川みたいにね
あたし あちこちにひっぱりまわされたくないから
みんなが勝手にまわってくれたらい ....
でんぱんされたきもちのはしら
えんをえがきてこをまわる
あなたのしめしたひみつのとびら
むらさきひすいのだんれつと
しろわたげにつつまれしこえなきこえ
えいえんのしもべたりて
 ....
神様を信じない俺が好きな女は仏教徒で
少し鳩胸の変な女だった

その女は金色のマルボロを吸っていて
根元まで吸わずに半分くらいで消してしまう女だった
その女は勢いでメイド服を買って
可愛い ....
              080404


コレでよい
コレで
ひとかけらの土塊を
脚で踏みつぶす
粉々にしてから
ふるいにかける
乾かしては水を加え
塊にして
叩く
叩く
 ....
大村 浩一さんのおすすめリスト(1993)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏至- モリマサ ...自由詩28*08-5-16
遺書- たもつ自由詩2408-5-15
パンダなひと- 恋月 ぴ ...自由詩18*08-5-13
水の空席- 望月 ゆ ...自由詩49*08-5-13
水の空席- あおば自由詩22*08-5-13
落花- 岡部淳太 ...自由詩1108-5-11
IT_Apples- 渡 ひろ ...自由詩18*08-5-8
「また今度」なひと- 恋月 ぴ ...自由詩19*08-5-8
ツォルキン・ステップ- たりぽん ...自由詩20+*08-5-6
待合室のひと- 恋月 ぴ ...自由詩36*08-5-3
お台所の話- 吉田ぐん ...自由詩1608-5-3
メーデー- アオゾラ ...自由詩2508-5-1
退廃日報- 餅月兎自由詩608-5-1
内面鏡- 渡 ひろ ...自由詩26*08-5-1
地上の宇宙- 吉岡ペペ ...自由詩708-4-29
ピンポンゲートなひと- 恋月 ぴ ...自由詩16*08-4-28
天気予報は雨- kauz ...自由詩8*08-4-28
あの、ね- Rin K自由詩38*08-4-26
風の日- よしおか ...自由詩2*08-4-25
ほんにゃら_ほおい- 乱太郎自由詩26*08-4-23
循環- 狩心自由詩1*08-4-22
ひかり- 石畑由紀 ...自由詩22*08-4-21
影さやかな月のもと- 佐々宝砂自由詩16*08-4-18
ふりふりなひと- 恋月 ぴ ...自由詩31*08-4-17
ゆるゆる日和- 渡 ひろ ...自由詩20*08-4-15
此の世の果てのバルコニー(Last_Dance)- 塔野夏子自由詩4*08-4-13
スカイセブン405- 藤坂萌子自由詩408-4-12
にくしみのあと- 逆島夢子自由詩4*08-4-12
創書日和「神」- 虹村 凌自由詩4*08-4-10
カニバリズム- あおば自由詩17*08-4-4

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