はなびら
あおい満月

私がいないなら、
あなたがいる。
あなたがいないから、
私がいる。
いつも時計のように
交わっては消えていった、
数秒の肌の記憶。

何度生まれ変わっても
告げられない想いなら、
ここではなびらとして
翔ばしてしまえ。

私がいるから、
あなたがいない。
あなたがいるから、
私がいない。

互いの不在が、
一直線に釣り合うとき、
ドアの向こうに、
視線を感じて振り返ると、
あなたがいる。

私のなかにあなたが映る。
あなたのなかに
私が映る。
はなびらを閉じ込めた
瓶のふたを開ける。
想いよ、
その呼吸のなかに翔べ。



自由詩 はなびら Copyright あおい満月 2015-08-30 09:03:44
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