黒い羽根を持つ蝶を捕まえた
指先に鱗粉で黒い粒できらきら

細い脚で必死で逃げようともがく姿
生きようとしている命を奪う権利は僕にはない
傍にあった釘で羽根を樹に打ち付けた
あまり暴れると ....
   月ではまだ
   冬の初めで季節が
   止まっているようだった


   浅い眠りの合間に
   この頃よく、夢を見る
   凍えたままの月面で
   あなたをこの腕で抱き ....
自己中心的な誘惑が犠牲者を笑う。
君のエゴに付き合っている暇は無い。
不信が蔓延すれば昼の太陽は姿を消す。
月夜だけが、力を与え、僕は虫の声に満足するだけ。
姿が異型となり変態する。
それは ....
晴れた日の
光り輝く雨が
詞になるのならば
心に沁みこみ
決して乾くことのない
黒い雨を
詞に

私だって
知りたいんだよ
黒い雨を
見たことあるかって


晴れた日の
 ....
闇に灼けた丘の上から見下ろしていた

都市銀河が燃えてゆく

尽く

熱に凪ぐ雑草が足元を切りつけて

素足にさくりと 生傷ができる

寝起きで目をこすっている妹が

泣き出し ....
緩やかに影を退く。
垂直に流れ落ちる彼は、
嫉妬深く、
それを許さない。

磔にする。
彼は強く抱き締め、
絶え間なく貫き、
すべてを磔にする。

 ....
おれたちは
美しいとさえ言えるほどの偶然の果てに出会って
互いが失ってきたものを取り戻そうとしている
時には痛みをおぼえるほどの激しさで


おれたちは震えていた
互いの眼を覗きこみなが ....
この胸に 宿る
逸らしたくなる程の光
見えるか?
雨上がり 青い空に

思いのまま
翔る鳥
雲をくぐり抜け
螺旋を描いて舞い上がる

眼に見える 幽玄の橋
七色で 透き通って
 ....
し と
くちびるに露をあて
朝の光を遅らせる
草の根元の幽かな揺れに
応える静かな笑みがある


雨の日
葉を持ち
あふれるうたの指揮をする
道のうた 流れに映るうた
 ....
神の名に似た少女は
雨の日のこの晩に
ぐんなり冷たくなった
私の終わりの姿を
写真に収めに来たのか

買ったばかりの
慣れない手つきを片手に
塩化ビニールの匂いがする
傘を持って君が ....
そして、

めまぐるしい呼吸に
ふさがれる 漂白された個室 
あなたは白と孤独を分けいる 
つながりは水平線のほつれを装って
回廊の花びらを屋内に引き延ばし
いちまい 一枚

見た  ....
正そうか
絶望だとも思ったあの感情の中に

糺そうか
舌鋒だとも捉えたあの感情の中に

ただ そうか
切望だとも感じたあの感情の中の

虚言で湛えた虚像を断ち切り

質して

 ....
乱暴に抱きしめたら
壊れるかもしれない

だけど、
それでも優しくなんかしないのは
きみの目に映る
ぼくの顔が
あまりに醜いからだ

なにも悪くないきみなのに
ぼくは憎たらしい ....
夜の街 爛れた皮膚に
舐めまわす猫の舌
黒ずんだ河 溺れ回る星々の
虚しさを大声で叫ぶ

ノートの上
無数の赤い虫を
叩き潰して書きなぐる
夢見心地 愛の詩

夜の喧騒
沈黙は煩 ....
夏の
体の
着衣のまわりくどさを
一枚、一枚、可愛がるように
指でしか剥ぎ取れぬ熱を
一枚ずつ剥ぎ取ってきました


あ、
そういえば、
非常階 ....
土砂と一緒に寄宿舎へ放り込まれる。夜、内側からそれを壊したいと思う。それとは夜のことを指す。剥がれない指紋。
食事をする。破壊のために。
できれば透明な人間が最高気温の数に等しい沸点にめり込んでい ....
黒い兎が哂う満月の夜
誰一人いない 独房
何をすれば、出してくれる?
何を引き換えに、愛してくれる?

涙は滴り落ち
黒い大地は流された涙の為の器官のように


白く侵食する朝焼けの ....
真夜中の街
儚い灯りを縫い合わせて
君はいくつも
星座を作ってみせ

物語がわからなくても
知ったかぶりで綺麗だねと
僕は何度も
言うのだろう

  地上の流れ星はいつも
  赤 ....
火と踊る 少女
薄い幕の向こう側で
遊ぶシルエット

僕は触れることができない
この薄い幕さえ引き剥がすことはできないのだ
音もなく
熱もなく
おそろしく暗いゆめで
見ている
火と ....
足元は、崩れている。 
真っ直ぐ歩くことも{ルビ覚束=おぼつか}ず、
肩が揺らいでいる日々。 

( ぼくの脳内には
( 壊れたリモコンが内蔵されている 

胸を張れども三日坊主。 
 ....
『すこしだけ』

『ひとことだけ』

ちいさく幼い言葉をかわして

あの人はずっと遠くに行ってしまった

真珠を通す音だけが聞こえるような

目をとじただけのあかるい闇に


 ....
窓を閉め切った真夏日に
枕に
むせ返る香水の薄靄に
顔をうずめて
真っ白な交わりを

まだ梅雨は帰らない

降りそそぐ
部屋中のアクロソーム
その先体構造に侵されて

私、 ....
硝煙の匂いが立ち込めている。
路地裏の狂気。

それは、
てのひらに収まるサイズ
の。

あぁ、しんでしまいたい
こんな雨の日は。

死んでしまいたい
しんでしまいたい、よ

 ....
おんなのことおとこのこ
しあわせそうに
首を吊る

喪服を 液体で 汚せ

俺が 16だった頃、世界は海水で溢れていた。
おとこのことおんなのこが、
世界に浸っていた時、
俺は隠者だ ....
決定的な
絶対的な
欠如とは
何だろう

この身に
この心に
足りない
ものとは

なやんで
かんがえ
真面目に
探してる

こたえが
どこにも
なくって
くるしい ....
おかしなことばかり起きる
例えば落とし穴に落ちてしまうのも

僕がメガネをはずすその間に
あの星は三度も弾け飛ぼうとしたし
彼女が一本煙草を吸い終わる間に
隣の男は二度イイ思いをした
 ....
夜のアスファルトと
それに密着してゆく夏と雨とへ
車の落とす赤が付着しては
ひゅっ、と
離れてゆく一秒一秒、その風に
肌寒くなれる体の、少女である体の、わたしが
 ....
ぼくは詩を書きたい

下を向いていたら
いつまで経っても
上がわからない

今日もまた

朝の散歩をしていると
空の翼に出会いました

空に翼が羽ばたいている
ゆっくりゆりっく ....
   {ルビ異花=ことはな}の{ルビ雲夜=くもよ}にしんわりんと咲き


翼よ
きみはなぜ
はたたくのか
熱く青くはためくからだ
その空間を根幹となし
風の性霊を動力とするためか
花 ....
夏は容易く永遠を擬態するので

僕らの意識の最も敏感な部位は

いつでも眩暈に侵されたままだ
キクチさんのおすすめリスト(1561)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
- AKiHiCo自由詩306-8-14
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「_亡命。_」- PULL.自由詩13*06-8-7
my_beautiful- 安部行人自由詩706-8-7
14、虹_【にじ】- 雨宮 之 ...自由詩1*06-8-6
_し- 木立 悟自由詩806-8-4
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サナトリウムの憂鬱_- つめきり未詩・独白7*06-8-1
僻事- 室生自由詩306-7-30
点火- ユメアト自由詩306-7-30
幽霊- チェザー ...自由詩406-7-28
脱衣録- A道化自由詩2506-7-27
抑留- 黒川排除 ...自由詩306-7-27
affection- 完食自由詩206-7-25
夜景、そして- たりぽん ...自由詩17*06-7-24
火と_少女は踊る_その影を- 今唯ケン ...未詩・独白7*06-7-23
潮騒の夜_- 服部 剛自由詩11*06-7-23
玉響- 明日殻笑 ...自由詩5*06-7-23
精一杯の梅雨で- チェザー ...自由詩7*06-7-22
2.低温火傷- 朽木 裕散文(批評 ...3*06-7-21
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しししごし- 実夜自由詩2*06-7-20
ヌーンセックス- 田島オス ...自由詩206-7-19
体の暦- A道化自由詩1406-7-18
ぽえむ君−翼空−- ぽえむ君自由詩5*06-7-18
雲路- こしごえ自由詩17*06-7-18
- 塔野夏子自由詩14*06-7-15

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