邪魔な清いものから葬る
熟れた憎しみは
やさしい殺し方を知っている

刺すかわりに 微笑み
逃げられないように 思いやる

決して ひどいなどと 回りにはみせない
とどめは 自 ....
階段の踊場の風 冷たい息 通り過ぎる冷静
君を想う気持ち 崩れる土壁 不安な情熱

握るコブシに一段と力の入る瞬間
まだ僕を知らない君が横を過ぎる

知らない君への妄想は普段の僕を壊す
 ....
すこし開いた雨戸の隙間
赤い閃光
もうこんな時間だった
のか

布団の上を横切る
夕陽の直線
狭い 
うす暗い部屋だから
よけいさみしく

赤 にじんで
世界とのつながりは
 ....
草原を駆け抜けるのは
怠惰な 者
名は 丸く
彼は 賢い

自由へと 紫煙が
上がっていく中

5月の 幽霊が 発した
大麻の 香りが
彼の 名を 汚していく
三日月を笑う
瞳の奥には
最果ての傷がひそむ

傷つくことをおそれて
前へ進めるのか
団地の裏の
十字路を
青やかな銀河の右旋系
空き地の{ルビ草原=くさはら}に影が伸びる夕景

 ....
町のネジを持っていったのは誰だ?
インディアンはいなくなった。
汚染は百倍に加速されてる。
終わらない閉店セール。
ラジオの間の停滞。
おでんの中の、沈黙。


廃墟は月がよく似合う。 ....
夢だとか希望だとか
土に埋めてじっと眺めていた
切り貼りした栄光の断片を
胸に抱えて眠る

夜にはもういい加減飽きていた
鍵は開けてある
明日は朝が来るらしい
揺れた現実のリズムに合わ ....
塔婆に 憧れていた 筈の
世界が 突き刺さっている
黒い  胃が 姦淫を 
明るい 師走の 坊主の
耳に  流し込み

右目のない 少女が
眼帯を 取る

自由の 女神だ

墓地 ....
死するものの輝きがひとつの歪んだ戦慄のなかで遠景をひろげている、過去から届くさかだつ呼び声は次第に熱化して僕から幽石を焼き切ってしまう、僕は雨の中で生まれたのだろうかあるいは海の中であるいは問うことの .... 梯子が燃えるとき 時間は終わる

線を、引く
初めて泣いた日、
引き摺ったままの羊水で
始まる

一段 歩を進める度に
薄れていく
消しゴムで消せない、
それが条件
引き攣った跡 ....
全体を凍てつくされた冬の森めぐりあえない君とは遠く

ちら と目が合った気がしたその刹那巻き起こる風紛れ込むきみ

お互いを知っているのに永遠に言葉を交わすこともできない

粉雪がとけるこ ....
想いの底辺には 夜がある
底の抜けたコップ
無限の水槽


すべての星に名前をつけることなんてできない 
本当にそう?
挑戦してないのに言うのはなしだよ


目に見える範囲で好き勝 ....
 
きれいな唇が
閉じたり開いたりするのを
ぼんやりと見ていた
たぶん君がなにを言っても僕には解らない、聞こえない
同じ空間にある別の世界に
二人は住んでいる

君は僕を見つめている
 ....
ロゼ色の粉雪が
空の綻びから滑り落ちて

西の空が焼ける
煤が{ルビ誘=いざな}き、招いた夜の帳が
ふと 頬にかかり
謎を銜えた豹の吐息が 、右目を掠める

指先で散る、線香花火
黒 ....
湿気が体にまとわりつき、
思わず吐き気がする。
遠くで雷鳴が轟き、
激しい雨の予感をもたらす。

僕は那覇空港で、
突然、タクシーを拾った。
約束の時間までは約1時間、
焦る心で目的地 ....
空の蒼が凍みるように美しい
夜の藍には、星と月が美しい

帰る場所を喪くしました
またひとつ
氷ったものたちが砕け散って、
ばらばらのこころを晒すでしょう

それでも
灰色の空はいつ ....
おまえがほんとうのことを口走る度に
鳥の翼から羽毛がぬけ落ちる
世界はやせ細り 目に見えるものすべてが
絵に描かれたものとして溶けてゆく
たとえば可哀相な妹が
人に知られぬ速度で後退する時
 ....
追いかけている背中は
とても遠いもので
積み木を崩されるだけが
この街のすべてじゃない

あなたを追いかけているようで
僕に追いつきかけている
手をのばせば繋いでいるようで
もっと違う ....
 色の無い世界の波に揺蕩い
 足元に地面は無く
 不安定な波の中足を深く突っ込む
 水飛沫のまぁるい光に目を細め
 僕等は、明日、居なくなります

 それは、震えるほど涙でした。
すくえるものの おちていくすがたは
ただ だまって ながめるばかり

かたちなきものの ながれゆくようすは
ただ あふれて すきとおるばかり

おもいは灰に、
火にちりりと焦 ....
朝になればよかった
朝に向かえばよかった
夕暮れは言葉のように少しずつ薄れて
地図はただ一色の紙切れになっていく

なぞっていたはずの大通りは
いつの間にか細い線になった
アクセルを踏み ....
あなたは孤独に対峙できない
弱い生き物だ
心を持った時から
死との格闘が始まった

孤独の谷底は
冷たい深海だ
一度、心を奪われると
死の虜になる

断崖で足は竦み
激しい眩暈が ....
いま この傾いた陽の中で起こる
出来事を讃えよ
祈りは虚しく 鳥撃ち落し
霜の降下は 胸患いの効果を現す
空にかかる花は 萎れ 枯れ果て
この寒気にふさわしい   闇が
笑いを噛み殺して  ....
石榴は血の味 密の味

月の無い夜に
女を食べた、あの木製の詩人は
熟れた石榴を 銜えさせて
美味いだろうと、夜風に訊いた
共犯だぁね 、
硬花の指先はわたしの唇に触れ
睦言のように
 ....
彩りが白く染められ
輝きが覆い尽くす
秋に重ねるから美しい


君の
季節に染まったほおに
想いが重なれば
雪景色のように
清らかに美しいだろうか


それとも


ただ ....
死期が近づくと
彼等は自ら首を吊って死ぬ
夜に 孤独な木を探してその枝に
縄を垂らして果てる
南の大地は熱い
吊られた身体は素早く腐る

自分ひとりで首を吊れない者は笑われる
ましてや ....
頑強な夜は
積み上げられた階段をくだる

午前4時をまた
告げにきた

居間の大時計がまた
陰鬱な調子で
低くて冴えない
よっつの鐘をついたとき
恋は終わった
燃えさしは浮いた
 ....
白い息がのぼる朝

氷の指の冷たさよ

紅の蕾も頑なに

視線のゆく先は

開くあしたと

散るあした

花であるなら

開けと願い

花であるから

終りも知る
 ....
混沌と虚無

襲い来て

僕の意味奪う

超えられぬ

実存

薬の白さより

冷たい雪が

僕の心に降り注ぐ
宵の衣の澄む空に
水を含んだ
  月浮かぶ
果てを映したせせらぎに
火照る裸体を浸します
夢に染まった
  つめたさが
しずかに狂って微笑した
(すわ)
終りにそなえて 花が咲く
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