生きてゆくことの危うさ
悪意なんてない
少し踏み外しただけさ
それで人がまた一人 死んだよ

僕たちはわかりあえない
事勿れ主義の神様
あなたのおかげで今日もずいぶん
赤い血が
青い ....
塔を隠した樹々たちがくりかえす
やわらかな墜落

螺鈿の微笑を浮かべる遊星たちが
結晶状に形成する空間に
浮かべられた白い柱廊に
並べられたフラスコ

時折それらのいくつかの中で
新 ....
見た目ほど大丈夫
人目ほど気にならない
垂れて来る液

家の中 浸る 潤う 赤い液

呼吸をするストロー
もし 塞がれたら

家の中 漂う 瞑る 黒い液

酔っているカクテル
 ....
街を焼き尽くした大空襲の後
一人の男と一人の女だけが生き残った
それは奇跡だった
すぐに二人は恋愛した
やがて銃剣が二人を引き裂いた

それから十年後、男と女は
都会の片隅で再び出会った ....
青空の下に
大きな穴が並んでいる

列車が来て停まる
線路の端に
白い雲が湧いていておそろしい
時間になると汽笛がひびき
車両に載せられた人と財布を
地番外にできた
あたらしい穴まで ....
青い空は私の目の前にあり
私と其れをさえぎる者はこの世界にないというのに
私はその中へと埋まることはできない

希望を抱いては砕かれ
夢を見ては叶わぬと知らされ
現実は私にとってとても悲し ....
泡になって消えても

犯されたいのはあなたにだけ

依存してゆく夜

痩せた胸に突き刺す残像

魅せられて


堕ちてゆく蒼い闇の底
【失語症】


嗚呼 宵闇に
涙するは金糸雀

その二つの金の眼は
ただ在るべき姿へ
還りたいと
白い頬を濡らすけど

涙を拭ってくれる
愛しき彼の人は
既に霞ん ....
世界の終わりを思わせるほど明るい日
地の果てのようながらんとした広野に
世を捨てたようにひとつ立つ古い塔のそばで
君は僕を待っていた

僕らは手をつないでだまって塔をのぼった
ひょっとして ....
哀しみが霧のように
降りしきる夜
君はただ呆然と
立ち尽くす
僕の目の前で
その瞳を閉じたまま
君は金色の羽根をひろげる
荘厳な儀式のように
僕はひれ伏して
そして君の手に
くちづ ....
君は孤高の城砦に篭り
アメリカンコーヒーを片手に
砂時計を睨みつつ
夜空に浮かぶ星々の軌跡を追う

君は数式を解いて
混沌に秩序を
偶然に法則を
変化に予測可能性を
無数の仮説を検証 ....
愛し人を真白の紙に立たせようとすると

僕の脳は一斉に窓を閉め始める


どんな世界に連れだしても
独占は止められず
清き風は吹かず


広大な海原は
狭く細長い橋になる

 ....
放り込むカプセル
ブラウン管の中が歪む
部屋の壁が襲う

トイレに行っても小便は出ない

換気扇の回る音が
ヘリが近づいてくるよう

萎縮する筋肉
鼓動は速くなる

目を閉じよ ....
 *



花は
斜陽に灼かれ
  焦がれる音色、



ぐすぐすと、

春の夜の匂い



 *



散りながらも、
  果て知らぬ増殖


 ....
明 日 手 放 す 夜 空 に
日 々 を そ っ と 焼 く
手 を 伝 う と 失 く し
放 そ う と 思 う 望 み
す っ と 思 う 平 遠 の
夜 と 失 う 平 和 写  ....
悠々と二羽の鳥が、碧い空を裂いてゆく、
       鮮やかな傷口を、
銃弾のような眼差しで、わたしは、追想する。
  その切立つ空を、あなたの白い胸に、捧げたい。
  
     ・・・・ ....
部屋には俺しかいない
本を読んでる俺を
あざ笑う声が聞こえる
お前誰だ
誰もいないはずの空間に向かって
ナイフを向ける

声は消えない
人生楽しみたいのに
邪魔しないでくれ
肩に
親指の長さほどの白い翼が生えた
痛みもないままに裂けた腕の付け根の皮膚から
いたいけな宿木のように真っ白な
細い翼が咲いた

ともだちのはなし
ビルの切れ目に見えた曇り空か ....
油絵の夜を逃げ出した。
すっかり晴れた気分だが
本物の太陽少し眩しくて
早速蕩けてしまいそう。

憧れた世界。
これが案外広いんだ。
憧れの在処は意外に遠いから
君に手紙を書くよ。
 ....
ぼくの目の前にある
かつて生きていたもの
世界に居場所を占めていたもの
首を斬られ
もがれ
焼かれ
また斬られ
飾られ
ぼくの目の前にある
かつて風を感じていたもの
ぼくの ....
空、止んじゃって
飲み込みの悪いびしゃびしゃ
その青さなんてどっかいっちゃって
仄明るいコンニチハ。

響く草の根
落ちた地面に
染み渡るその震え。

【春】だなんて言わないで
も ....
波打ちぎわに
光る、{ルビ蟹=かに}
蟹をみていた、飴色の

もう、よしてしまおう

人間なんて、よしてしまおう
無数に転がる背中のひとつ覗きこんだ
浮き出る黒いあしがた
誰かが一度
踏み潰したのだろうね
いや
踏み越えていったのかな
ああ
そうだったらいいな

「制止も聞かず走っていった」
 ....
とうに銃は捨てたのに

私の腕は未だに重い


時は過ぎて

すでに見知った顔もなく

忘れ去られていくのだろうに

この罪だけは消えやしない

私が奪った誰が命 ....
両手を伸ばす乾いたグラスのなか君が微笑む
吊革まであと少しのところで僕は身を屈める

消えかけたしゃぼん玉 サイレン 踏み切り
思い出にしてあげる 粉々 指きり

まだ子供だったん ....
視線の低い僕に繋がれた
のんびり足先まで溶け出す夕暮れと
女の子の目は右に左にゆれだすのが
振り子みたいだと僕は思ったり
たとえばあの踏切の手前に出来ていた
水溜りが死刑囚をモチーフにした絵 ....
白く鮮やかに咲きほこる、
一本のモクレンの木の孤独を、わたしは、
知ろうとしたことがあるだろうか。
たとえば、塞がれた左耳のなかを、
夥しいいのちが通り抜ける、
鎮まりゆく潜在の原野が、かた ....
空につるされた
大きなはねがまわる
からおとたてる
かいてんが どこか
はげ落ちたがいへきのさびしさ
人の形をしたうすいかげが
つめの先にあつまる
ことばを探している
おびえてかくれた ....
(傅き給え、
狂い夜の餞に)

頭上から声
頭を垂れようとしても
目を瞑るには三半規管が微弱



嗚呼
我を救うは誰ぞ
嗚呼
我を愛すは汝のみ

やさし ....
 良く分からんが


 うるせぇな。




 此処最近、度々考えるのだけど


 僕にお説教をくれる人間はぶん殴っても良いよな?


 別段、誰かに腹を立てた訳でもないし ....
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