脳髄の奥からは死の仄かな香りが漂う。
無意味な焦燥が重苦しく、恰も積乱雲の様に自分の肉体を覆い尽くす。
自己の生に対する圧倒的な不信の感情。
意味はばらばらになって宙を彷徨い、轟音の向こう側で何 ....
『夢見る頃を過ぎても、まだ夢を見たいのならば、血の涙を流さなければなりません。』、と、灼熱を昼の思い出に宿した縁台に座る老人が古い戯曲の一節を呟いていた。

夜の緩慢に、暫くの月が上弦に笑う。 ....
 
 
午前、すべての音を忘れ
掌からこぼれていく
ものがある
極東と呼ばれる
工業地帯のある街で
あなたは忘れられない
いくつかの日付をもち
数えながら折る指に
僕は気づいてはい ....
悪霊に息の根を止めかけられて目覚めし夏の夢の暗さよ 二度と戻れない、と
警告を送るようにして

星は捕まえ
星はつかまり
一つひとつ掬い上げる

そして星は
星を食むようにして

星を

するとそれは火の海
いつの間にかのその ....
少年は
蒼に包まれて
抵抗せずに
溶けてゆく

いつのまにか
空の彩りの中を
およいでいた

どこまでも、
上昇気流にのって

からまりながら
何も言わずに
空を、

 ....
ほかの季節は
ただうつろいやがて消え去るのみだが
夏だけは
爛れ朽ち果てそして亡び去るのだ
 
 
 
こじつけの夢で
眠ること

なんといったって
莫伽なこと

未来都市での恋物語
蜘蛛の巣を辿り成就する
乱れた鱗色
思いのまま泳ぐ
美しきライト
氷の万年筆が地 ....
四倍に観えた
斜陽から
大気の臨点は
風をつくり
迸る生命に
つむじ一閃
燃ゆる

身震いした秋風
最小のヴェルレーヌを
解き放ち

ただ
一歩の前進に
凍り
凍てつ ....
 
 
 
月のあたり
大きな風が
愛撫する夜

点滅する滑走路は
俯き加減でも歌った
それが二人の
着陸を許した

火に焼けた可憐は
明け暮れのごと
肌を透かせゆらめき
 ....
水中ではうたもうたえない
だけど泣いたってわからない
ささやかなゆれはわたしの体温になって

さかなたちの集うよるがくれば
ふやけた指先からあふれていく
あらゆる目線の延長上 ....
私の遺体は焼かないこと
埋葬の道中には子どもを3人付き添わせること

子らのつやつやした黒髪は、
青々した緑葉を飾ること
そして彼らの透き通る白い肌は、
漆黒の羽織で覆うこと
死の色の中 ....
象徴化された
シンパシーが
屋上で欠伸をする

記憶装置が
スキップして
計画と組織は
順序よく
並べ替えられた

戸棚のチーズが
模擬実験的に
世界に調和され

ねずみた ....
真夏に日車は、咲いている


雷鳴の空を裂く。
轟音で目を覚ます
一輪車に稲光りが青白く反射する
一瞬で葉陰の殻は黒焦げになり
焼けた臭いに鼻をひる
傘の骨はしろがね色で
{ルビ死灰 ....
{引用=モーリス ラベル


序奏とアレグロ より}


その砂浜の空間に
いくつかの扉が 出現して
それぞれは現実とつながっている

それらはあたしたちの住む
少し湿気た森では ....
ドロドロと流れてる
弾け飛んだ想いとか
止められずに増えてった
つまらない秘密たちが

暗いだるい生きもの
窓を開けたら

重い鉛 宙に浮かんで
陽に飲まれるような
知らない世 ....
中性子鉄琴の
下方から湧いた
白球形した幻燈を凝視する



万能の数は軽々と思案し
風化した仮死色ローズが
口々に提案する
あれは
大猿のめくるめく集団Suicideだ

 ....
太陽に撃たれてしまった今日という夏が私を浄化していく

反乱の白い日傘を青に塗りわたしと空が同化する夏

「その花を頂きます」と来る予告、たぶん夏には盗まれている

風鈴の ....
赤レンガの教会を目蔭をさして見上げたら
十字架が 落ちてくるように見えた
それは流れゆく雲の見せた錯覚

落ちてきたのは唯、その影


その日 空は嫌になる程 青くて
私は天に心を見透 ....
相変わらず正しい香りを放つ
あなたの髪の先、流れる
膨大な時間に
この手で幸せを掴むことはないでしょう
ただ目を閉じて、目には見えないものを
感じ取る
そっとうなじに鼻を近づけた
今この ....
即興の 言葉に

真実を 認めて

行き着く先を

曖昧にしたまま

四 百 四 病 より

タチの悪い

病を患う
アメリカの影

その熱の香り

ケチャップほどの

絶望


午後4時



ロサンゼルス

肉は果実のように

雲の階段

水色のむこうに

宇宙

 ....
VOX hallの底辺に座り込めば
世界は三つに分かれていた
そとと、うちと、むこう

うたの隙間から光を浴びて
メガネのフレームを
ぐしゃぐしゃに歪めたくなった
飛び込んでくる音も色も ....
雨が降っている。

たった一人で行った美術館の帰り道とか
「黒い雨が、ストロボをたいて、あ、あ、消えていく」とか、そんな
(暗い記憶や雑音などは)補正しなければ
(だから、暗い記憶など)補正 ....
夕陽が呼吸する
昼を吸って
夜を吐いてゆく

夕陽が広がる空は
とてつもなく大きいけれど
その呼吸は
かすかに揺れているだけ

夕陽は静かに呼吸する
微かに夜を吐いてゆく
全ての ....
焼き焦げる様だが
妙にすがすがしい

肌を圧する
開放された 陽光

豊饒の光
真夏の午前

植物は緑に照り返す
光合成は静かに進行して
草いきれの小道を満たす


光 満 ....
遠方で
黄金の光に透ける
青い羽が
凝視されて
宙に静止している

円らな瞳は
充足感で独り笑み
素手で沈黙を刻みつつ

視界の底から
硬く冷たい足音が
つま先を
いつまでも ....
砂漠の王様に
すべてを捧げたサティ
月が昇り
希望に満ちた今夜
サティは眩く輝いた
大道芸人は
すべてが美しく見えるよう
呪いの言葉と共に
七匹のコブラを
火の釜へ
投げ込んだ
いつまで経っても動くことのない
「もう一度」
を求めながら
僕は夢遊病者のように歩くよ
 
 
てとてと、と踏んだ畳には
陽にやけた跡が真新しく
そこにあったある物を思い出させた
  ....
雨粒の滑り出す夜間
光りの集いに誘われて
虜は踊る

はためかす羽の美しさは束の間
秒針だけが見届ける
華麗なまでの毒牙

瞳を流し
甘い罠を香らせ
一夜を
蜘蛛に捧げたなら
瞼に焼き尽くほどの毒で
 ....
キクチさんのおすすめリスト(1561)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
感情のフラグ- 白川水未詩・独白207-8-22
有棘鉄線を抜け、宵に至る。- クスリ。自由詩107-8-22
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重力網- ブロッコ ...自由詩207-8-21
少年フィッシュ- ゆうさく自由詩5*07-8-19
特権的終焉- 塔野夏子自由詩7*07-8-19
バオバブ- ルイーノ自由詩807-8-19
殲滅のルミュ- キメラ自由詩407-8-18
想像- ルイーノ自由詩507-8-17
肺をみたす(水葬)- アオゾラ ...自由詩2507-8-17
埋葬について- ケンディ自由詩607-8-17
西暦2007年- 小川 葉自由詩2*07-8-17
天球へ- こしごえ自由詩20*07-8-15
あなたの目が_覚めたら___ⅲ- もも う ...自由詩7*07-8-15
restore- eupa自由詩207-8-14
夢魔ガール__Anagram_of__「Amalgam」- 鏡文字自由詩3*07-8-14
浄化していく夏- たにがわ ...短歌8*07-8-14
視覚的絶望- 朽木 裕自由詩4*07-8-14
猫になる- かのこ未詩・独白107-8-12
片手間の生き様- 李伍 翔携帯写真+ ...5*07-8-12
ほどけない夏- 吉岡ペペ ...自由詩207-8-12
8/11- しゅう未詩・独白107-8-12
シャッターとタランチュラ- 結城 森 ...未詩・独白3*07-8-12
夕陽が呼吸する- ぽえむ君自由詩15*07-8-9
善悪実験- アハウ自由詩207-8-9
白夜を_(はくやを)- こしごえ自由詩8*07-8-9
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今世紀ランナー- 青井 茜自由詩6*07-8-5
想撮空間「いきもの」より〜スパイダー〜- 見崎 光携帯写真+ ...3*07-8-5

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