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 世界滅亡のカウントダウンに震える最中、地区に一つだけの信号機を無視して、交差点を自転車で横切っていった。空には飛行機もヘリコプターもミサイルも飛んでいなかった。湿度の高い空は、青空の下に、薄い水蒸気 ....  彼らは錆びに覆われた観覧車を遊び場にしていた。一台のゴンドラに色とりどりのランドセルが並べられている。ガラスのない窓から町を眺める。自分たちの町を見ると何もない町であることがわかる。自分たちがいまい .... A:およそ名前というものには実体がない。
 ぼくらの有限の時間の中で、やって来るものに対し投げつけられるのは、小間切れの仮の名であって、真実の名前は、去ったあとで、はじめて附けられる。だから、いつも ....
 
昔から池袋の雰囲気が好きだった。

上野より危険な香りが少ないし、新宿のような毒もない。
かといって渋谷のように媚びるわけでも恵比寿のようにお高くとまるわけでもない。
デゾレイトで ....
秋晴れの空に向かって窓が開いている。本棚ばかり大きい部屋には姉と妹。
妹は死んだ小説家の本を取り出しては「これは手」「これは肺」「これはくるぶし」と姉に教える。小説家は自らの身体と臓器をそっくり文字 ....
 彼女は体を後ろに仰け反らせた。酒が頭に回ったようだった。ぐるっと頭を回す。目の間のお菓子の袋を開けるのに夢中だった。乾き物の袋を。友人の一人がベランダから大声を上げる。冬の冷たい風が部屋に入る。夜は .... ある日彼は突然発狂した。そのとき私は彼と一緒に部屋にいた。突然彼は自分の眼球をえぐりだしたのだ。数時間の苦しみの後彼は息絶えた。もはや彼はいない。私の唯一の友人だった。率直に言って残念なことだ。彼の魅 .... 白い眼帯が夜色の世界に映える。
ざぁざぁ狂い風。

外は寒いね。
ここも寒いよ。
そうだね。
そうだよ。

どちらからともなく命を込めてキス。

眼帯を嵌めた君とキスするのはなんだ ....
 車は走る。

酒などなめる程度にしか口にしていないのに、なぜか疼痛があたまにしつこくこびりついている。
ウインカーの点滅音。
そのメトロノーム。運転手はハンドルを大きく右に切った。
ゆるや ....
唐突のようではあるが私の中に歴然としてある、死体観及び廃墟観について述べたいと思う。死体観などと云う言葉はないけれど、詰まり「私にとって死体とは何か」を今ここに記したいのである。

死体は、死んで ....
硝煙の匂いが立ち込めている。
路地裏の狂気。

それは、
てのひらに収まるサイズ
の。

あぁ、しんでしまいたい
こんな雨の日は。

死んでしまいたい
しんでしまいたい、よ

 ....
世の中が自分の都合どおりに動く。
注意せよ。
不幸が訪れる前兆だ。

毎日全く同じ事の繰り返し。
人はそれに耐えられない。
けれどいつか必ずもとの場所に戻ってくる。

憎しみがなければ ....
キクチさんの散文(批評随筆小説等)おすすめリスト(12)
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