おさないたましいが
いつまでも浮かんでいた とき
すべてが凪いでいた
まっさらな夏の日


あさい角度でそそがれる
いまにも壊れそうな
まひるのほしのひかりが
あたためすぎた布団から ....
前を横切る人は
高らかに今宵を謳う


横で凭れる人は
とりとめのない今を送信する


見限るよりも密やかに
夜は悲鳴を上げて
人々に目を凝らす



ああそして
 ....
焦げ付いた心の灰を灰皿に
積もった灰は山になる
息を吹きかければ一瞬で消し飛び
火であぶっても変わることがない
そんな心

涙を流せば頬に貯まり
乾くごとに塩へと変わる
渇く喉を潤すこ ....
あゝ
見よ
この無惨を

乾ききった子宮を


この国のこころのような
無数のヒビ割れから
びゅうびゅうと吹き出す
夥しい亡骸たちを




陽は香り
空は広がり
あ ....
僕 達 は  も つ と 一 緒 に ゐ る べ き だ つ た 。

遠 く で 鳴 く  蜩 の 夏 。
点と線と千
繋がらない夜があって
道に迷っては
迷いっぱなしになる

街灯は
月明かりに似せようと
目には見えない点滅を繰り返すけど
足元を照らすには
まだ足りない
らしい

 ....
目が覚めたら まだ外は暗かった
昨日の雨のせいで外はいやな湿気がただよっている
静寂が世界を支配している
この静寂はあまり嫌いじゃない
何も考えず
頭の中を空っぽにしているとき
一番大好き ....
翳りはじめた葉の陰でねむる日の
腕をのばし
触れた輪郭を
最初のものとして、覚えておこう

たゆたう
まだ眼をあけてはいけない
つたい流れてくる感触は、にぶい冷たさにふるえ
昨夜、飲み ....
誰もが知ってる言葉しか
僕は知らない


誰もが持ってる心しか
僕は持たない


それでも時には
誰もが知らない

僕も知らない
どこかに伝わる
響きに惹かれて

 ....
高架の上を幾つもの魂が
赤い光を灯らせて
帰るべき場所へ向う


高架の下では
ダンボールの中でちいさな魂が
仲間に入れてくれと
か細い声で歌い続ける

弱く

さらに ....
思ってみること
ここにいる僕等の存在を
君のその歩幅を


かたかた、と
時計の裏側で回る歯車の
噛み合うその一つ一つを
階段に登っている
繰り返している
繰り上げている

そ ....
書物の陳列の疲労の飽和した本棚は
朝方には回復を諦め軋みもしなかった
テーブルクロスのうつ伏せた脱力の背にある
アルコールの抜け殻の横倒しの唇は投げ遣りに香った
そっと、突き倒した ....
つぶやく君の言葉
両手で すくって
ひとつひとつに付箋をつけてゆく

数字も混じっているね

拾って大切にとっておきたいけれども
写真には収めきれない すべて

汗がひざの裏をつたう ....
真夏の夜に
突然降り出したにわか雨
こんな夜は蒸し暑く
寝苦しいと決まっているのに
今夜は何故か寒気に包まれて
窓を開け放しては肌寒い程

雨は段々と激しさを増し
私の心を代弁するかの ....
爪の先から始まる

君の泣き声に震える

無数の羽撃きを聞き

映し見る雨粒

片隅を照らす炎

闇を広げて星を抱くだけ

力尽きるまで無力な宇宙
雨曝す心ひとつ
待つ身の程の隅々へ
ゆっくりと
行き渡るのが
夜の毒だから

ケチャップの夜は
泣き止まず
ただだらしない雨を
ひそかに運ぶ

可愛いひとを
手品の箱に
詰め ....
五月の終わり、六月のはじまり、雨、雨上がり、雨上がりの、街。
咽る光、光、に、蜂鳥、蜂鳥がゆらぐ、ゆらぐ、かすかな影、その残響、翳る、光、黒揚羽。
揚羽蝶、焼く、焼ける、焦げる、黒く、霞む、目 ....
愛してるから
あなたの白くて軽やかな骨
砕けた
破片と大小の粉
風に飛び散ってしまうのが怖いから
壺へ収めていく

手に取って 確かめて
愛しているから
そう
暑かった
黒いサージの学生服
太陽が寄り添っているのかと
白い粉が舞う
昨日まで別の何かであったのに
一滴
一滴が粉を固める
つまむと、崩れるすぐに
祖父は
名前を放棄する
 ....
荒れ野が片方の目に鳴り響き
もう片方の目に指揮を促している
痛みの無い緑の涙を流す
ひとりの観客のために奏でられる波



波を聴き終えたひとりのものが
誰に向かってかさえ ....
形のないそれを掴みたいんだ
掌に乗せるようにそっと

見上げたら花火がすでに消えていっていた
残った余韻に僕はキミを想った

そばにいたい そばにいてほしいなんて
思うのは簡単だけれど
 ....
この真夜中の
この静けさに

チラチラと
狂気は降って


闇の秒の遅さと
生の流れの速さに
僕は怯える


明かりを付け
異国の古い
映画に紛れながらも


こ ....
―夢魔―

嫌いなのは
寝苦しい熱帯夜などではなく
今 眠らなければいけないこと
そして明日 目覚めなければならないこと

自分の体温を感じながら
墜ちていく混沌と浮遊の狭間
自我さ ....
頭の丸みと髪の流れに沿って
手の平を浮かべる
カメラは遠くで蝉のごとく鳴り続け
レンズは割れんばかりに照らす

足を水桶へひたす
過去にも存在した気のする
記憶をリピートさせるよ ....
狭い部屋の
狭い窓から

雨が降っている

遠く聞こえるのは
蝉の聲

雨が蝉の羽を濡らすから
今日はもう
おしまいにすればいいのに

狭い部屋の
狭い窓から

雨が降 ....
白い杭と鉄条網が
鉄の獣を取り囲んでいる
天気雨がなまぬるく
獣の背の光を流す
欠けた虹がすべるように
ひとつふたつと遠去かる



溶けるように昇る空
指の跡のつ ....
鶴なんか折るな
紙がもったいない
石を拾い、犬を殺す日
空、均一に青く、好天、犬を殺す日
石、両手に握り、廃屋に繋がれた犬を殺す

影のない僧侶が舌を噛み切る日
絞首架の前に花を捧げる日
缶詰工場の焼け跡で彼女の右 ....
人の向こう側に横たわる人よ
横たわる人を跨ぐ人よ
潰された眼は見ていただろうか

白く透ける少女の抜け殻を
地下水脈の夜光虫を
皮膜に隠された結晶体を

地は焦げるほどではなく ....
街の隙間を流れる音が
曇り空の信号をつややかにする
22時すぎを唱う点滅
夜の湿り気にまわりひろがり
車輪の音を手招いている



祭の粒が匂っては消える
草 灯  ....
キクチさんのおすすめリスト(1561)
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