たまに欲しくなるんだ

何もない暗闇
狂ってしまうんじゃないかって位のね
その中たった一つだけの音楽


他は何もいらないんだ
一つだけでいいんだよ
櫂と 水底
触れ合う 音
奏でる 二人
進んだ先で待っている から
大きな水底は待っている から
恐れがあり
軋む音がある
雨が朝を埋め尽くす
そこに無いものさえ現われを捨て既に在り
私は自分を脅す自分に気付く



痛みの無い棒状の音が
私を眠りから ....
吊っていた管に
私の血が流れ

立っても
座ってもいない
赤い液に

ほんとに支配しているものは
いつもは みえなくて

体から離れた時だけ

錆びる 舌先
うわずる 耳
落日
蜃気楼のよう
だけど蜃気楼じゃない

焼かれるのは
空じゃなく
今日という日の末路

果てるような
限界線
焼かれるのは空
じゃなく
月が遠くで泣いている
うずきだす傷跡
誰も知らない
裏側の傷跡

それでも
見ていてくれる人がいるから
今日も
あなたの背中照らして

優しい光を
傷ついた分
もっと優しい光を ....
光は翳りの青に水
隠された刃の嘆息を見る
雨は何も濡らさずに
ほんの{ルビ我頭上=わずか}に平たくとどまる



夜ともなればあたりは静かなうなりを残してしん ....
私の渦よ
手のひらをゆく
雲にふれるな
落葉を裂くな
くるくるまわれ
息をきらして
ぎやまんの光
おまえにやるから



私の渦よ
死にそこねた蝶よ

 ....
咲く、羅列の空は埋め立てられて
さあ、暮れて望まない夜に
駅前の車列に後ろから急かされて
家路の、振り切る早足を抑えられない
駅から吐き出される、ため息と等しく
順序良くもうひとつ、暮れられ ....
破壊が興れば
花咲く一面
塵塵に巻かれて
齢千年を重ねて忘却し
乖離は墓守に任命された

不明をごろごろ転がす仔
目的は忘れ物入れに隠れた
大人はからからの蒲団で
軋む喜びに船出した ....
誰とも分からぬ手を取って

淡く土を開いてゆく

群の匂いは 偽って春

繋いだ指先から溶け混じるうち

赤く、白く、甘く染まる



羊水の中、震える声で目覚めを歌う
私がどれだけあなたを憎んでも、
すべてを閉ざしたあなたには
何もかも 拒まれるだけで。
それは酷く不快な、
死 よりも悲しい、灼熱のうつつ。
それは、

それは 果たして、
19:00過ぎると
失神したての飛蚊症の雪が降る。
柳原魚屋は店終いをしだす。
臙脂色のシャッターを半開きにして
テナーとバリトンの混ざった真偽で愚痴る。
痩せぎすの長靴履いたエド ....
冬の太陽で
酷くなったアスファルトにて
克明に、枯れ切った、細枝
その黒い輪郭がさらに
冬の太陽で静かに激化する


前景に過ぎぬ。
前景に過ぎぬ。
痛み ....
会いたくて
ただ会いたくて 
夜の底
雨降るそこで
声をからして
僕を5年間苦しめた絵が
疑問を投げ 嘲った絵が
他との区別を刻んだ絵が


今小さく足元に有る

六弦奏者よ。
踏むがいい。
踏むがいい。
踏むがいい。




此処に。
灰色にくすんだ町で
お前は生まれた
まだ肌寒い早春
せわしく走る 野ねずみの
存在のように
ひっそり生まれた

野原の真白な花も
あでやかな 垣根の緋薔薇も
お前の瞳を待ち焦がれ
 ....
機械音だけが響く夜に
静かな中に悲しみが宿るのです
生きているのに死んでいる感覚が
体中を走って止まりません
自由を奪われた体が求める安らぎは
誰かの温もりでしょうか

いつかの夜には
 ....
発車までの十数分
自販機前の喫煙所
微かに増した北風に
肩を竦めて時を待つ

鼻先掠めた白い粉
灰と思って振り払う
甲に感じた冷たさが
春はまだだと告げてくる

肩に抱えて繰り返す ....
鴉を一度に十羽眠らせ
ごみ捨て場の連なる通りへと
傘をさして歩いてゆく
手をたたけば眠りはさめて
他の十羽が眠りだす
食事はたくさんあるのだから
あせらなくてもいいのだ ....
だからなんだっていうのさ

両端から聞こえる
非難、中傷、冒涜、罵り、叫び、唸り、呻き、喚き、嘲り。


僕は誤魔化されないよ

だってヘッドフォンあるもん
産まれた空は青く

可愛い赤ん坊

浮遊していた

ピンクの風船

やわらかくて

ドロッとした幸せ

飲み込んだまま

朝は浅く飛び越える
自由の波が押し寄せる
白壁 ....
怒りの向こうに
無人の野がひろがる
地の上を
たくさんの月がさまよう
引力の主を求めて
風に散る光を問い詰める


求めず 求められず
けものは去ってゆく
 ....
死はすべての死ではない。

恐るべき人。
炎の十字を掲げ、
杭を打ち、
殺す。

幾たびも、幾たびも、
訪れ去って、逝く。

わたしの死は死ではない。

 ....
死は 私のもの

死は あなたのもの

死は 何もなく

死は すべて

死は そのうちに

死は 今すぐに

死は 高くなく

死は 低くなく

死は そこにある
 ....
わたしから あなたへ
ちいさなよるをひとつ
てわたします

あなたでなければ
もらいてのない
つめたくて あおい 
よるです

のぞきこむと きっと
かなしいほど 
なつかしいも ....
来るはずのないものを待つ
冬の蜘蛛のように
終わることを知らないひとつの季節と
同じ永さのなかでふるえる


汚緑の湖に打ち寄せるオーロラ
波の奥から
太陽を手にし ....
“夜に抱きしめられてはいけませんよ”
というのは
死神の口癖です


死神は
私の名付け親です

両親を無くした今
一緒にくらしています
命にかかわる問題以外は
かなりアバウトな ....
門をとりまく
黒い布の花
庭を横切り
午後の光になっていく猫
風のなかを振り返り
雲を見つめる目を閉じる


暗闇に目が慣れて
最初に見えてくるものひとつひと ....
立ち込める花のいきれ
咲いているのは闇
棘を立てる傷ついた茎
棘を立てさせる傷のうずき
窪みに鉱毒色の水溜り
羽根のある女が溺れていた
罰の不在を照らす稲光
柔肌を掻き乱すさざ波
引き ....
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