シュヴァルツェ・カッツを追いかけて太陽を見失う。
別にどうでも良いのだけれど。

瑞瑞しい指先は白く膨張した溺死に似ていた。
あの日の笑顔に似ていた。
あの日に失った太陽に似ていた。

 ....
その場に、
軽やかな羽があって、

水に、
必要な、
生きるために必要な栄養があっても。


僕は動かない。
ましてや、毒蛇の授業参観であっても、
僕は動かない。
刻の針を手折って

真っ暗な夜に祈った

振り切れた僕達は

唇を塞ぎ合って祈った


壊れた針がすっ、と尾を引いて

宵を流れていく


叶うならばひとつだけ
 ....
引き伸ばす空もない朝花びらは色を濃くして道を千切った

高い柵取り残し飛ぶ鳥からも奪えるものはあると思う

雨だからドアにはりつく葉の傷は治らないのだ言い訳のように

背に生える蕾を思う病 ....
遊び外れた迷い途中
光彩の獲得が至上の命題であると引力に負けて

自らの光彩を知るに
暗闇へ隠れてみたりで

問いかける景色も
答えなる景色も 求め歩み歩まず、

細々とした日々 ....
 
 光に飢えて
 死んだ薔薇。

 僕の{ルビ瞳=め}は唖になった。
 食卓に赤い{ルビ染点=しみ}
 ところどころに、
 あの 暗い日の 思い出が
 甦る。

 ああ、与えてよ ....
見守る藍を
この藍を
遠くあなたの空に
降り注ぐ 
夜のためいき に代えて
 詩が何処へ誘うというのか、
 行きつく処といえば、せいぜい
 薔薇の砂か 酒瓶の底だろう

 私達はいま この安宿で
 たしかに褥のうえに居る
 そうして眠る、嘘つきながら
 
 夜 ....
死体になることも出来ない
朝の、調子はどうだ、と聞かれても
貝殻になりきれない私では
考えているからと、通り過ぎるしかない

美しくありたい
ほんの、時々でいいからそう思って
張り詰めた ....
今日の雨は哀しい音で泣くから
傍に居て欲しいと、思うんだよ。

頭をぎゅう、と締め付ける雨の響き方が
やけにゆっくりで
あのイントロに似ている、と思ったりする。

死は矢張り誘惑で
言 ....
灰色の空を{ルビ背景=うしろ}に
 黒い背広を着た男、
 街燈の、直立不動の寂しさに、
 北風に、灯は揺れる・・・・・・・その昔、
この道を{ルビ通=かよ}った男が
 そこに見た嘘の女を
 ....
            降り与えられ

            続ける
            
            雨が与えられ

            去らぬまま

   ....
傷つき傷つけて理想への逃走
電車で揺らぐ景色に君は何を見、何を想うのか

嘆きの想い出、喜びの記憶
笑顔の想い出、綻びの偽り
自傷の想い出、微かな幸せ

電車の窓の外で
繰り広げられる ....
 雨よりも痛い針がある。
 夜よりも鋭い刃物がある。
 憂鬱が、
 僕の胸を刺す。
 時計が十時の鐘を打つ。
   今日、僕は眠った。
   やさしい人は、
  誰も、どこにもいない。
夕暮れていく空の
侵略される白と
紫が混ざり合うように

中途半端なまま心は
形を変え続けて年を重ねる

不意に感じる虚無へのやり場のない焦燥感
孤独への抵抗の微熱が
私の中ではあの ....
遠くに見える軒先の明かりは
線香花火の様に見えました
それは小さく {ルビ朱=あか}く
瞬きをする度に{ルビ滲=にじ}んで
まるで線香花火の様でした

どこかで歌う声は{ルビ囁=ささや}き ....
ちらつかず
そ、と留まっている、あれは
振り払えぬ外灯を振り払わず
硝子に帯びたままの、あれは
蛾だよ
その在り処では
既にひとつの夏が締めくくられている
夏ではない今となっ ....
夏は滅びを垣間見せるから
静かに優しく笑っていて

愛してくださいなんて云わないから
だから どうか 死なないで

音のない哀しみは雨

微速度撮影で人生を撮ったとしたら
壊れ始めは ....
九月に
花咲くものもあるのだ
愚直な風と雲と
肌さわる空気

苦しみのさなかにもある
はたとした気づきの殴打
群青の宙の下
張りつめる呼気

言ってしまうと
軽々しく浮いていく
 ....
......。.............。.............。.........................。...........................。
嘔吐した百合の咲く ....
大地が少し傾く
燃える石が転がってくる
それから大地がもう少し傾く
水が
 そこからすべての記憶を失って都合の良い
 道筋例えば直線的に焼かれた草原のような
 あ

 水だ
 透明だ ....
こどものような
貴方の身体の
その場所だけ 大人

ちいさな
ふたりの引力が
つり合っている
静かな
力で

薄衣を剥ぐように
ふたりは
孤独に没頭する

求めること
与 ....
落日の音がした

ごとりと 夜の底を叩いて

日の落ちる音が響いた

繰り返す目覚めに溜息して

むせ返る生活の臭いに眉を寄せた

「しあわせをきめるのはだれ?」

加 ....
太陽となりて君に熔ける
太陽となりて君に混ざる

荒がうな

爆ぜるな

太陽となりて君に焼かれる

それはとても熱く
それはとても狂おしい

あぁ今日は雨が匂う
太陽にはなれない
青く深く沈む空に身を任せながら風をなぞっていた。
吸い込まれるのは透明で重く沈む染み渡る空気。
物理的身体はゆっくりと闇に腐蝕されながら段々と溶けてゆく。

そ し て、

朱く詰まったそ ....
あ の 夏 に

侵 食 さ れ て ゆ く 記 憶

風 化 出 来 な い

君 の 亡 霊
溢れるほど、満ち足りた言葉に、埋め尽くされて、
わたしは、天空を飛翔する鳥のように、
爽やかなひかりの音階の裾野に舞い降りる。

花々は寄り添い、一面を、湿潤な色香の帯を輝かせて、
痩せ ....
橋の欄干に彫った文字が消えかけている
この川は海につながっているから
流してしまったのだろう

メッセージはやがて雨になって降ってくる
その雨を避けるようにして
僕は家に帰ろうとする
幸 ....
波や風は待つものなのよ、と
長い髪を旋律で
砂浜の反射が切り抜いて
細めた視線の届く先に
僕の胸は高鳴る
星座盤の小さな窓から見たように
君のことを知ったかぶりしていた
そんな気がすると ....
理屈と 屁理屈のあいだの 屁のような境目から
真っ赤な彼岸花の 真っ黒な瞳が ちら と こちらを向いたので
他愛ない八月の噂話など もう どうでもよいのです
薄く紅を引いたあなたは 日傘で上手に ....
キクチさんのおすすめリスト(1561)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
シュヴァルツェ・カッツ- 朽木 裕自由詩3*06-9-30
と、いう真実- ブライア ...自由詩2*06-9-28
『』- しろいぬ自由詩206-9-28
切られた枝- 佩慈の工 ...短歌406-9-27
帰々星- ヨルノテ ...自由詩2*06-9-25
涸れた水差し- 白雨自由詩306-9-25
私の愛し方- 松嶋慶子自由詩3*06-9-22
愛と夜の私達- 白雨自由詩406-9-20
トーン- 霜天自由詩1106-9-20
雨よりはやく- 朽木 裕自由詩4*06-9-19
氷った街角- 白雨自由詩6*06-9-19
散/水- 静山和生自由詩106-9-18
drain_train- 完食自由詩106-9-18
_- 白雨自由詩206-9-18
リトルプレイ- マッドビ ...自由詩7+*06-9-16
思い出の街には犬が笑う- プル式自由詩8*06-9-16
輪郭期- A道化自由詩1206-9-14
音のない哀しみは雨- 朽木 裕自由詩4*06-9-13
九月- シホ自由詩206-9-12
冬の睡り- 六崎杏介自由詩7*06-9-12
再生してしまった元は何が手術によって隠されていたのか分かる分 ...- 黒川排除 ...自由詩306-9-10
ラグランジュ- umineko自由詩10*06-9-10
『落日』- しろいぬ自由詩2*06-9-10
希望の朝だ- プル式携帯写真+ ...13*06-9-9
3.5次元- BadCluster自由詩106-9-8
記_憶_Ⅱ- 有邑空玖携帯写真+ ...13*06-9-7
瑞祥をめざして- 前田ふむ ...自由詩18+*06-9-7
タイムレス- green ink自由詩306-9-6
岬にて、星を見る- たりぽん ...自由詩1706-9-6
晩夏- イグチユ ...自由詩506-9-6

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