夕立は 末期の水
炎暑の臨終を見届け
遺された雲はようやくめいめいの空へと
散ってゆく

蒼ざめた弔問客に
もらわれてゆく
ハタチの彼女は或る未明に首を吊った
自殺は美しいものなんかじゃないと
それは彼女だってとっくに知っていただろう
ただそんなことに構ってはいられなかった

葬儀場で見た横になった彼女は ....
  町並みは息をひそめているし
 プロムナードは息を抜いている
空はカンツォーネを奏でているし
 海はレクイエムをうたっている
    風は愚痴を吐いているし
    光は論理を愛撫している ....
世界中を見たくなり
船を作ることにした

一代目は攫われた
取り戻したときには壊れてた

二代目は勝手に船出した
アメリカで大成功したとかしないとか

三代目は普通にした
見たこと ....


真夜中ですら
ザラザラとした
大通りの
卑猥な笑いが裏返り
囁き合い
頷きを忘れるほどの
原始に出会う

骨が抜かれ始め
誰かが忘れていた悲鳴を
高々と上げる

町中 ....
猛禽がゆく
絞めつけるように羽ばたいて
海を捨て
空を切り分けた
陸に住めなかった
みずからのつばさこそが病

うしなった爪で
満ちるうつろを掴み
嗚、と
ひとこえを残して
猛禽 ....
真冬の朝の空気は氷の様に冷たい

まるで肌に突き刺さる様


そのまま本当に突き刺して、

私を殺してくれたら良いのに
手首切るみたいな気分でまたくだらない詩を書くつもり?
何度もおなじとこ廻る僕は猿みたい。

夜がきて頭が白けて涙一つ零れないまま朝がきて
ただれた体が重くて息を吐き出し舌打ちしてるそんな時
 ....
 
溶けて、しまいますから
 
特大の冷蔵庫と
 
飴玉ひとつ
 
用意して
 
下さい
 
 
ふらり
ふらつく私を
 
さらり
掬いに
きてくださる
あなたへ
 ....
ほしかったのは 荒野
みたかったのは
石をたたいて だまって
死んでゆく 血の系譜と
じぶんの ぬけがら
鳳仙花

揺れる


『鳳仙花』


右目の古傷を開かれた
ぷつぷつ と
肉の裂ける音と共に
かさぶたを剥がされ
瞼の底へ

彼の残した右目が

入り込んだ


 ....
青い血で書かれた水曜性は、
{ルビ万年青=おもと}の実となって赤く結ばれる。
ある、いは、いつになく遠く静かな空で、ある。

店員が しきりにすすめてくる
玄関先に どうかしら
と自分に問 ....
取り繕った外皮を剥がすと
残るのは絶望かや不安かや
なまなましき肉はつぶさに伝えよう
明日はどの仮面を被るかや
掃き溜めの中で考えゆく
戯言かくありけり
耳に雨音
瞳に滴
触れるたび
肌はやわくなってゆく
身じろぎもしないで
硝子一枚に隔てられて
雨に囚われているのだろう

雨を除ける力など
もってはいないから
ここでじっとしている ....
畳一枚に張り付いた背中
切れかけの電気が最後の瞬き
嗚呼…お前と心中しようか
死ぬ時は誰でも独りだって
そうは言っても寂しいんだよ

大きな揺れを期待してみるも
窓ガラスは微動だにし ....
境界に ぬぎすてた 皮膚と肉を
まいあさ まとう直前 わたしの
あばら骨のすきまに 火を
ともして くれているのは
誰だろう
濡れた緑で
夜空を見上げる
数秒後にこの星空が崩れてくるのを知っている
そんな目で
おまえは言う

なんて きれい

薄い唇は街の光を捉えて
俺はその前に沈黙して ....
廃墟の中に忘れた四肢を
気球に乗って取りに行った

夢心地に浸り
痛みにバター塗った


くるくるまわる
コーヒーサーフィンみたいな憂鬱は
ティッシュに包んで昨日へ投げた


 ....
 
0と1の狭間
どこかでなにかが
死に絶え
 
 
まるで、
世界人工計画が
行われている、ようで
 
 
淀んだ水たまりに
朧気に映る世界は
淋しさを映し出し
 
  ....
飛び込めないのは25メートル先の地上
あたし 空なら飛べるわ

耳鳴りがやまない
自分が嫌で吐き気のする夜

夜の闇に溶けたら君のもとまで行けますか?

鉄柵のうえで足を投げ出して
 ....
雨が
雨らしく降って

「男」と書けば
身を守れると思ってるらしいが
マニアには
見破られている

わたしは
蒼アザができていたことも知らずに
あの子とSEXできたらいいなって
 ....
暑い夏だと、手がひとりでに動く。
発せられなかった声も、潮風の涙腺にとけて。

装飾のための深い窪みまで、
透き間なく、枯れている、古い桐箱に眠るフィルムを、
年代物の映写機に備え付ける。
 ....
そらが
あおい
きみの眼とおんなじに
きみはともかくきみの青い眼はすきだよ
悔しそうにも

哀しそうにも

荒野の来し方を

見つめるようにも見えた


セピアのなかは真空だった

息のできる真空だった

ブラジャーで固くした

からだは青くて冷 ....
一閃の 日差しは 無音だ
物事を しゃべらぬ
だから 遠くには 太陽の 棺が
悪魔を 寄せ 待っているのだ

緩慢であり 擬似的な 死かもしれぬ
だが おれの 頭には すでに
全ての 人 ....
空の映り込む幕は開いていく
始まりは此処ではなく ただ過ぎる青の時
僕の歩む先に そして君が行く先に

街角の夢追い人は潮騒を残していく
静寂に面影はなく ただ浮かぶ白い袋
僕の ....
ハイウエイを 白い光が流れる、眩しさに

つい、さっきまで 激しく踊った サルサの夜の
緋色のドレスの女が 助手席から身を乗り出し
果てしなく 毒舌を放つ、「終」への招き
エレガントな仕草で ....
焼け爛れた心臓が

裏返りながら喉を焼く。



何が欲しい何が欲しい何が欲しい…
血のように黒い
指の影をひらき
高みへ 高みへ
唱いゆく


曇は一度に
ふいに動く
灰と火の路
同時に迷う


切りきざまれた星が
自らかけらを積み重ねたとき
 ....
この夜に砂糖とミルク少々を入れて
掻き混ぜて飲み干すんだ
――君 何処へ行きたいか云ってくれ給え
ラズベリィの憂愁に
しなやかさの極みの鋭さを閃かせ
僕らを駆動する
僕らが駆動する
{ル ....
キクチさんのおすすめリスト(1561)
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