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 使わなくなった手をひとつひとつ外し、引き出しまで引きずりしまい込む。十本目の手は十段目に、五本目の手は五段目に、解りやすいようにしまい込む。手はどれも握り締められてい ....  窓の外がうるさいのでカーテンを開けると、案の定、犬が降っているのだった。雨粒たちはみな、犬の姿をしていて、降り落ち、地面に当たると、きゃいんきゃいんと啼いて弾け数粒の ....  叩きつけた拳は、ざっくりと裂けた。引き
抜くと何かが落ちて、コンクリートを叩く。
歯だ。血塗れの口を押さえのたうち回る一人
目の腹に、つま先を食い込ませる。骨の ....
ムーミームーをポケットに入れて、
雨の街を散歩する。
ムーミームーは雨の子だから、
ポケットの中は大騒ぎ。
雨が、
ぴちょりと歌うたび、
ムーミームーも歌い ....
火を付けて、
風で煽って燃えだして、
手に負えなくなりましたか。
静かに見守り心を痛め涙を流しているのですか。


涙で火は消えますか。


ほら。
 ....
密売人から買った野良月に嚼まれた傷口からはひかりが、

躯がひかりで満たされてゆく。
おれの中であの月が満ちてゆく。



血管も骨も細胞も脳も眼球も、
 ....
緩やかに影を退く。
垂直に流れ落ちる彼は、
嫉妬深く、
それを許さない。

磔にする。
彼は強く抱き締め、
絶え間なく貫き、
すべてを磔にする。

 ....
死はすべての死ではない。

恐るべき人。
炎の十字を掲げ、
杭を打ち、
殺す。

幾たびも、幾たびも、
訪れ去って、逝く。

わたしの死は死ではない。

 ....
戯れ言は、
繰り返された。

繰り言は、
聴き飽きた。

咀嚼なき言葉を吐くな。

飲み込んで、
味わうがいい。

それがお前の、
侮蔑だ。


 ....
肌刺す雨。
独りで歩いた赫い森。
引き返すことも引き戻すことも為らず。
感情は法悦した。

記憶鮮明。
視界不良。
雨、つたう頬。
息遣い、手に宿る。

森に眠る死体は ....
キクチさんのPULL.さんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「_手眼。_」- PULL.自由詩3+*08-4-17
「_犬雨。_」- PULL.自由詩10*08-3-20
「_殺夏。_」- PULL.自由詩3*07-8-24
「_ムーミームー。_」- PULL.自由詩15*07-6-21
「_放歌。_」- PULL.自由詩10*07-2-2
「_狂月病。_」- PULL.短歌4*07-2-2
「_亡命。_」- PULL.自由詩13*06-8-7
「_緋譚。_」- PULL.自由詩5*06-2-3
「_侮蔑。_」- PULL.自由詩7*06-1-20
「_赫い森。_」- PULL.自由詩2*05-2-26

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