拍手だって聞こえる
 コンビニの窓ガラスが飛び散れば
 トイレから出たばかりの浮浪者が
 好青年の中学生に殺され
 電車を待つ人々は
 一人残らず
 ホームから飛び降りた
 ....
 焼死体が三つある
 引き出しの奥に腐ったオレンジが
 わたし
 湿り気のガラス窓で
 手を切る
 切ない気分でいる
 洗濯機の中
 誰も知らない命が
 無邪気に
 ....
都市では
すべての生きて動くものはその死の時に
鳥によってついばまれる
そのようにして葬られる
人も 例外ではない
夕陽が昇るように沈み
そのかたわらでくるった金星が
美しくほくそ笑む時 ....
三千世界の夜が 墜つ
踊る大地の夢が 果て

君は痛い とは云わなかった
僕は痛い と叫んでいたんだ

大地に踊れ 過ぎし夢

背負った烙印は 僕を{ルビ灼=こ}がし
僕を抱く君 消 ....
天窓に差し込む光
耳を掠める バルトォクの旋律
嗚呼 君が{ルビ謠=うた}に心寄せ

高い空に焦燥を感じ {ルビ金木犀=きんもくせい}に心狂わす
廊下を走った 先の見えている道
そんなこと ....
そう {ルビ譬=たと}えるなら 

他の誰に許されなくても
全てを敵に回しても

嗚呼 信仰にも似た 凍てつく火焔

蒼い{ルビ焔=ほのお}のようなひとだと
{ルビ皓 ....
真っ白な雪野原での事でした



真っ白いその空気の中
インクを垂らしたように
その黒い人は立っていました


時折はためく

やはり

黒いマフラーが
降る雪と交差し ....
いじめられているように
閉じ込められているように
何も出来ない雨の夜

誰かが見ている
誰もが見ている
白い目
赤い目
三日月の目

いじめられているように
打ちつけられるように ....
まるで代わりのように、降る
悼むように
かき乱さぬように
しずかな泣き声の、雨

追われていく時間
ぎりぎりのところで
感情の発露をせき止めている

こころの中に
墓標に傘を差しか ....
左目の古傷を開かれた


ぷつぷつ

肉の裂ける
鈍い音が
鳳仙花の匂いが
絡み付く記憶をえぐり返す

カサブタを剥がされて
マブタ肉の隙間に

奴の遺した眼球が
 ....
葉擦れの赤錆は
はじめは
軽い混入だった


冷たい赤い陰影を増してゆくのは
葉擦れの色として微かに現れた感情の
冷たいことを、赤いことを
葉が何度も抱擁するからだ


それでも ....
青く拡がる海を目の前にして
僕は姿を消そうとしている
海月の様に透けていく指に
橙色の血管がゆるく輝いている
午前の空を流れる雲 は
のどかないのちを描いてみせた
真夜中の
骨の色素が熱を帯びて
暗く
暗く蒸発してゆくのです
未だに守れぬ約束へと

恐ろしく白い
わたしの骨は
いったい何を支えている
夢か幻か否現実か
未来は己で決める

 ....
どろどろになった夜が
行き詰まる

収束された光が逃げ場を探しながら
飲み込まれていく

限りなく肥大した闇が舌を延ばして
ひとつ
ずつ
街灯を吹き消していく




誰も ....
原の終わりを示す石標
頬を照らす風に押されて
廃屋は花に沈む
空は地の午後へ近づく
忘れられた道から生まれる鴉
砂の上にあふれ出る夜



金銀銅の狐がむさぼる
返 ....
溶けゆく闇に    身をうずめ
骨の芯から     温まる
夢か現か      幻か
何処の誰かの    子守唄
今日は今日の    お疲れを
明日は明日の    お疲れを
 ....
すっかり乾いてしまった
硝子の向こうに
展示 された
あなたのてのひらは
何もかもを与えてくれるような
あたたかさを持っていて
その実
何も 与えてはくれない

硝子の模様は
夜空 ....
蒼白の薄明
永遠に処女の領域

素数のみで刻まれた暗号
純粋遊離線

冷たい蜃気楼
置き去られた天象儀

倦んだ庭園
途絶えがちなピアノの音

未分化な恐怖を秘めた深淵 ....
繰り返される
果実の落下・落下・落下、の
地面で重複してゆく破裂の匂い


それだけを呼吸し、それだけを呼吸したら
わざと気化したくなるほどの、それはひとつの悦びか
 ....
各教団は教徒たちを
唯一至高の民と賛美する
大小ピンきり混同
美しき平等主義は
人類から野生を奪った
植物は間引きすることで
動物は弱い生き物を食べることで
強く優秀な種のみ発芽するのだ ....
余剰がこんなにある
泥(なず)みっぱなしの義務を捨てたら
珍しく穏やかな内面は
傍らに望んでも、
在り得ないその人物と事実を考える時、
直線を見た気がしてた

混沌に佇んで
昏睡みたい ....
どうしても肌寒い蟋蟀質の摩擦によって
むしろ冷却されるわたしたちは概ね
低温のまま一生を終える腹部だ


脆い部分からアルコール消毒されてゆき
ついには殺虫されてしいんとす ....
太陽の眩しさに怯えて
迷い込んだ森の中で
洞窟を見つけた
奥深く湿った 黒の空間

中には誰もいるはずもない
暗闇でひとり
それでも
逃げ込まずにはいられなかった
静けさが欲しかった ....
これから、お出かけ

終りに出来ないの
生きることは
終りに出来ないの
私が言った
命を授かった時からとは言わない

失ってから知った
いかること
かなしむこと
よろこび
わら ....
雨の日の花
川のなかに泣く
さくら色の虹
白と黒の道


遠去かる銀を畏れ
目をつむる距離をのばしてゆく
道はどこまでも速く
道はどこまでも高い


見えない炎のか ....
あなたの燃える手で
わたしをだきしめて

それはとんでもない
誤訳だったらしい

でもわたしはこころをうたれた
たとえひとごろしのうたでも
たとえぬすびとのうたでも
たとえうらぎりも ....
熱を噴出す元気もないのだ
この身体は
惨めな思考に埋まっていく
 
塞がっているのは
向こうでなく
自分のほう
早朝のバスは霊柩車
すえた目の老人を乗せて
区立病院へ走る

自家製馬車の存在が
公共の足を棺桶に変えた
人は隅に追い遣られ
我が物顔で街道を駆ける様は
過疎地方の大名行列だ

前 ....
トランプをきるのがうまい手品師の名刺がころころ変わるのはなぜ?


テーブルに咲かせてしまった薔薇だから血にまみれつつ手に取る醤油


この剣をここに刺しますこの剣はここに刺します あら不 ....
 叫び声をあげていた
 寂しくて情けなくて無力で
 
 臆病だった
 ただ流される恐怖のなかで
 自分の存在を確めたかった

 認めることから始めた
 自分の殻を破るために
 もがき ....
キクチさんのおすすめリスト(1561)
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