穴のあいた障子から夕日が真っ直ぐ

人は美しい
とか
綺麗なもの

流れて
惹かれて


弾かれる


暗い四つ角の隅で
そう 唄ってたり


だって 相変わら ....
私の底に滴るのは
暗い砂だ

私が歩んでいるのは階段だ
いつも
上っているのか下りているのか
どうしてもわからなくなる階段だ

記憶の中には
私の指たちが仄白く棲息している
それら ....
君が泣けばいい君が泣けばいい
きみがないたらいいんだ

はらはらとそれはばらばらと
からからとそしてくらりくらり

ぱたん

僕と泣けばいい僕と泣けばいい
ぼくじゃなくたっていいんだ ....
巨大なこころの隅っこで
きみは正しく泣いていた

そしてまた粟立つ夢を見た

固体のこころを掴んでいた
僕は疚しく吐いていた

僕はまた泡になる夢を見た

模型のこころを造っていた ....
 月が盲目であることを知るのに私は二十年の歳月を要した。私にとって、月はあらゆる意味で眼であった。月から伸びる湿った神経束は世界の絶望へと接続していて、世界の絶望は、半ば狂いながら老犬の飢えと私の衰弱 .... 眼下の海岸は穏やかな風の中闇に枕し
街灯の乏しき光の中にのみ姿を浮き立たせていた
波の音が立つあたりの闇はまっすぐ空へ続き
そのまゝの姿で星々を泳 ....
すれちがいざま斬りつける嬌声に
手負いと成り果て影を垂らす
愉悦のうす皮の散り敷く裏通りのあたり
あんばい良く酒場の明かり
絶命の呈で
{ルビ傾=なだ}れ入ると棺桶よりは少し広い

早速 ....
人工河川 
出身の知れない街燈 ゆりの花
覗く海の波が
そのまま風になってきている

崖の上の家々は
吹きかえし 
灯りを点す


海の あの銀色の悲しみは
戦争で沈んだ船が反射 ....
どこかの国で 単眼症のやぎが生まれた
彼は見世物になって、きっと将来はホルマリン漬けになる
死してなお、見世物になるのだ

彼は未だに、その単眼で
自分の行く末を冷静に見届けていると言うのに ....
赤という色が思い出せない
忘れ癖が酷い私のために
貴方はスケッチブックに手当たり次第”赤い”ものを描く
 ポスト
 蟹
  夕陽
 ムック
   心臓
 ランドセル
  トマト
 ....
尖った爪の先で
地面を掻く
見慣れぬ生き物の
陰鬱な唸り声
影が揺れる
長い執拗な行為の持続
無数の線が刻み付けられ
あるいは
何かの想念を
かたどるものであるかのごとく
しかしま ....
癒着する襞の呟きに
「寂しからずや」
と夜が往く
薬指は今宵も夢を見れず
「あな哀し…」
と月に憩ふ

胎動することと
何ら変わりは無し
女が腐食してゆく
鏡に映る景色は
違う世界で笑っていた
追憶に溺れては
『あの頃』が冷えた笑いを浮かべた

毎日這いつくばった恐怖が
脳のしわをナイフで刻みつける

深すぎた

震えている

う ....
アオ色に吐く息
振動する空気
夜に暮れる心には
何も存在しない
沈黙を貫く耳鳴りに
周囲の反応をうかがっては
孤独を憂越感で溺れさせようと
もがく私に
クレパスで書きなぐった自由は程遠 ....
       封じ込めたい
       想いだけでは
       精製できない
       透明な水結晶

純粋でない核        宇宙との狭間
命を拒む冷気        気圏 ....
すべてが虚しい
その原因は僕が何一つ手に取ろうとしないから
何か一つ手に取ればそれが大事になって守ろうとするはず

なんだっていい
何か大事なものをこの手で守りたいとさえ思えれば
この虚し ....
干からびたトカゲが転がっていた
人の目は流れ往く
移り行く日々の慌ただしさに
呼ばれる姿もくすんでいった

やがて生々しい悲鳴だけ
コンクリイトに染み込んだ

いつまで生きていた

 ....
これから明けていくというのに
どんな闇より深い
口笛が
聞こえる

とぎれがちになるのは
灯台が
瞬くから
そして波が
騒がしい

そう、音が
熱をともなって
肌を
突きぬ ....
戯れ言は、
繰り返された。

繰り言は、
聴き飽きた。

咀嚼なき言葉を吐くな。

飲み込んで、
味わうがいい。

それがお前の、
侮蔑だ。


 ....
雨の来ない図書室では
忘れるように眠ることが出来た
背の高い書架の影で彼らは
姿を確認するために囁き合う
私の載っている本がない
私たちの乗っている街は
地球儀の上に針で止められている
 ....
ただの欲張り、僕は何も失くしたくない

あの蒼空の色を忘れたくなくて叫ぶ
世界の果てでコンニチワなんて、言えない
露になるのは悲しい嘘で満ちた心臓
苦しいと叫ぶのはいつでも出来た
けれどそ ....
 罪を犯すと
 耳が聞こえなくなる
 いや正確に言うと正しく聞こえなくなる
 誉め言葉もイヤミに聞こえ
 相手の伝えたいことが歪んで聞こえる

 
 罪を犯すと
 目が見えなくなる
 ....
遠くから届かない声をあげて
魂の一部を切り取った涙
いつの間にか掻き消えて
誰の目にも触れない
寂しい場所に佇んでいた

僕が思うよりずっと
弱々しく伏せっていて
小さな言葉を振り絞っ ....
言葉の鱗粉を唇に引いて
舞う蝶の音域で放たれた音声は
宙にひらひらと軌跡を残し
風に混じりそして散る。
かろうじてあなたの指先に舞い落ちるなら
それはかすかに体温を奪い
意味の残滓を残すだ ....
この世界には悲しみと喜びがあり
調和しては随分と長い生命を引きずり歩く
それなのに真実はいつも
地面にかすかに揺れていた

抜け落ちた心に行き場所は無く
無機質に針を動かすだけ
絶えず響 ....
ぼくは何しているか

分からないまま

悪を徹底的に

自己満足的に

この世から抹消させていた

ほらまたあいつらがきた

懲りずにまた地獄絵図がみたいのか

また人を困 ....
悔しいときにこぶしを握るのは
相手を殴ろうとか
この手をどうにかしてやろうとか

そういうのじゃなく

目に見えない旗を両手でしっかり

ふたつ

握ろうとしているから。

ま ....
痛みを知らない子供がいるのなら
恐らく僕には救えない
救えなくても構わないから、せめて
傷つけることだけしたくないと願った
ただそれは
誰かの理想を押しつけられた
作られた神にではない
 ....
 
寒さが嫌で仕方が無かった
温度の無い末端を晒して歩いている
其処は白の降る道

遠鳴りに聞こえる汽笛の音を跨ぎ目を細める
少しずつ白にワタシを預けながら消えてゆけると ....
度重なるインストールに失敗して
赤茶けた肌を、寒い部屋にさらしている
キクチさんのおすすめリスト(1561)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「1/29」- hiyoku自由詩4*06-1-29
スウィート・メロディー- 塔野夏子自由詩9*06-1-29
8mm- 雄太自由詩206-1-29
こころ- 室生自由詩306-1-29
- 葉leaf自由詩13*06-1-29
犬吠埼_2- 遊羽自由詩106-1-29
酔いどれおるふぇ- アシタバ自由詩106-1-28
海に臨む- 便乗鴎自由詩106-1-27
EYES.- 仲本いす ...未詩・独白3+*06-1-27
記憶- 自由詩3*06-1-26
見慣れぬ生き物- アシタバ自由詩206-1-25
体内の揺り籠- 唯浮自由詩206-1-25
無機質インターバル- 本村K自由詩1*06-1-23
溺れる魚- 本村K自由詩2*06-1-23
結晶という方法- たりぽん ...自由詩6*06-1-22
眠れない夜・1- 和泉 誠未詩・独白106-1-22
トカゲの一生- 本村K自由詩1*06-1-22
残闇の口笛- たりぽん ...自由詩1206-1-20
「_侮蔑。_」- PULL.自由詩7*06-1-20
図書室- 霜天自由詩1206-1-20
透明人間- りぃ自由詩106-1-19
歪んでしまう- 炭本 樹 ...自由詩906-1-19
失望の宴- 松本 卓 ...自由詩1*06-1-17
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自分が悪だと思う人は読んでください- こめ自由詩206-1-17
サインフラッグ- 仲本いす ...自由詩306-1-17
眠りによせて- なるせ自由詩406-1-15
凍傷- 自由詩206-1-13
キノイ- ミゼット未詩・独白1*06-1-12

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