空間を触ってみた。

階段の手前あたりに
暗く空いた穴に

魂を吐く子供
透明な魂を吐く透明な存在だ。
失礼します
残された時間はどれくらい
切りそろえた髪も伸びて薫った
(生きる?)と問うたが最後

もどらないもどせない
生きなければいけない
どこへいけない?
暗黒?

宣告 落果 ....
聖書という名の 
己の真実を映し出す鏡と向かい合い、
祈りという名の
彫刻等で己の魂の形をととのえつつ
終わりのない日々をおくり

やがて精神に異常をきたし、自分の名前も知らず、
自分が ....
朝の
冬の
わたしだけの酸素分子が
冷たく、サラサラと
肺に触れてくれわたしは
震えました


少しの日のぬくさにも圧され
再び惰眠の目つきで
食卓に傾斜してゆく
 ....
つめたい予兆
つきぬけた青
零落した透明がふきぬけて
静寂の時が閃いた

冴えた旋律ふりそそぎ
ふるえる細胞 光を放つ

はてしない星の覚醒
あたたかい血の記憶
染まるための レッ ....
約束を残せない
こころの道行きを
{ルビ現在=いま}の寂しさを埋めるため、と
ほほをよせ
せがんだひと
秒針の刻む音で測る体温


明日への確かな足取りよりも
ぬくもりがほしい
今 ....
思い通りに喋れない

言葉が言葉になりきれずに
まるで蛹みたいにうずくまっている

戸惑いや迷いが
細い糸のようにからまって
いつしか自分自身を閉じ込める

繭になる

吐き出さ ....
僕の肩に とまった鳩は

「死にたい」と一言だけ漏らして眠りについた

僕はどうすることもできずに

鳩の頭を撫でて、またウォッカを口にした

思いのほか、熱く、滲んだ。
ふいにはじまり
ふいに終わり
悲しくそこにとどまるもの
晴れた夜の無灯火の群れ
光をちぎり 与える誰か
ちぎれる前の 光のありか
地に倒れた外灯が
赤い星を聴いている
青に ....
世界の四隅まで
呼吸の音が染み渡っている
君の耳にも届くだろうか
この交響曲

生き物達は静かに とても静かに
生き死にの分裂を繰り返している
潮の満ち干きのようなその静かな喧騒を
愛 ....
偽造された朝を押しつけられても
注文どおりの覚醒など出来よう筈もなく
自らを小さく蝕むことで
存在可能な時空をどうにかつなぎとめ
意識はただ浅く笑い
深く滅んでゆく



 ....
東京の夜空は明るい
坂口安吾の描いた
戦後の静謐など嘘みたい
昼と夜を履き違えた植物は
花を咲かすことを忘れてしまった
人は偉大なる太陽を忘れてしまった
見て
人工の星がきらきらと瞬いて ....
道で見掛けた
名前も知らないあの人は
明らかに物憂い表情
すれ違いざま
それを少し和らげている
上品な残り香を眼で感じながら
少しばかり憶ってみる

あの人は
心に疼きを抱えているの ....
僕を見捨てないというならば

どうか
温かい言葉と
優しい抱擁をください


僕を切り捨てるというならば

どうぞ
冷たい非難を投げかけて
この首筋を力の限り握り締めてください
その包むような声を聞いて泣いてしまうのは
弱っているからだと気付いて


爪を一枚だけはがして
あなたの前に差し出して
そして 泣けば
その白い指が僕を
殺してくれると思っていて
 ....
パッケージが
破かれてゆく
微かな期待に
苛立った指で


どこにも
何も
入っていない
ということが
からだに向かって開け放たれ
明らかになっても
明らか ....
あいは憎しみ
あいは憎しみ
やすらぎ
なんて誰が言った

とり憑いて
焼き払って
せかいが
すべて灰になるまで

もう
愛したりしないんだ
 
 
 
 ....
連続して
肉体がはじけ飛ぶ
上半身の亡命である
そうして足だけの感覚が
地表と交感し溢れ
浮遊しつつ
重力へ向かって
疾走する
珍種の鳥を集めた
大学博士の庭の檻のなかに
クチバシがスパナアの形をした
虹色の鳥がいた

わたしは胸のかごの扉のねじが
どこかでゆるんでしまったらしく
風がふくたび
かたりことりと音 ....
停車禁止区域の車はドアを破られ
搭乗者は引き摺り下ろされ
窓ガラスは粉みじんに割られ
点火され爆破

異民族の若者たちがついに立ち上がる
お前は納得できるのか
生れ落ちた地が飛行機一日分 ....
時計の秒針を追いかけて跳躍する
目の中で止まる動き
さらには滑り落ちて
  沈み
耳の中で方向を見失う
犬のようにではなく
あくまでも人の成れの果てとして
この(檻)の中で暖まる
外は ....


鏡に沈む
愁いは波紋となって
私を揺らす

深さの計り知れない底から
ひきあげて
ひきあげて起し
唇に秘密を添えて
黒髪を噛み薄ら笑う
見苦しくはないかと

歪なのは私 ....
幼い頃
僕の左手は よく包帯に抱かれていた

今よりもっと 周りよりずっと
何にも関心が無かった ±ゼロの絶対零度
凍った心に響くのは 痛みだけ

立ち入り禁止の野原の前で
有刺鉄線に ....
今よりも夜が濃くて

あれは雨のにおい

ところどころ綻んだ焼き煉瓦の

ちいさな坑道に二人でうずくまっていた

ゆがんだ廃線のレールに

しじまを乗せた汽車を見送っていた

 ....
雨戸を開けたら
夜の一過性の麻酔が
今は静かに窓に張り付き
単なる水気となっていた
その硝子面を、つつ、と指で擦り取り
そこを覗けば、山茶花の
一塊の色彩の首だ

 ....
「こうも深々と冷えて参りますと、どうにも腕が疼くのです」

冷えては赤い、赤い糸が
木々の枝から垂れている

片手に   を持ってひとり、歩く

(耐えられぬわけでは。)

(けれど ....
トける
溶ける
溶けて消える
目から落ちる僕の体液が
何もかもを溶かしてく
頭上広がる青も
風に揺れる緑も
無尽にそびえたつ灰色も
昨日見たあの絶望も

明日にはすっかり世界の上、 ....
頭痛がひどい頭はすでに割れていて
流れ出る中身は星屑だった
スカイダイビングの途中だったから
せめて流星雨になることを希望
それにしても頭が痛いよ
自分の手でヒビをふさいだけど
星屑なんて ....
祈る 祈る
歩く 歩く
私は 言語を 発さない
ため
祈る 祈る
死ぬ 死ぬ
私は 言葉の 園で
舞い踊る
ため
行く 行く

黒人奴隷が 又 一人
身近な 子供を 連れて
 ....
はじまりのない海は、飽くことなく月光を滅ぼし続けた。海の窓はいつでも閉ざされていて、裂き傷のようなものが表面をいろどるだけだ。海の上では乾いた街の幻影が旋転していて、槍のような水柱を呼ぶ。街は律動する ....
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