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さよなら、が
きすの合図だった。
僕らのルール。
噛み砕いたあめだまを、
口移し。
きみが笑う。
繋いだ手、
泣きながら握る
別れよ、て
僕から言うよ。
最後のきすは
....
夢の中で口付けても
隣で眠るきみの唇は乾いたままだ
いつか
きみの背中がぱっくり割れて
そこからシロツメクサがぽろぽろとこぼれてくる
夢を見たことを
思い出したけれど
やっぱりき ....
乱暴に抱きしめたら
壊れるかもしれない
だけど、
それでも優しくなんかしないのは
きみの目に映る
ぼくの顔が
あまりに醜いからだ
なにも悪くないきみなのに
ぼくは憎たらしい ....
とけるのは唇
あふれるのは 生温かい水
零れないよう
太い針で縫いつけて
不器用に 笑う
染み出す膿で
舌が焼ける
目を瞑り、
笑う
溜まった水は
まだ温かい
私 ....
この十本の指はあなたを知っている
手の温度、肌の感触、
皮膚の内部に眠る雪色の精神を
固すぎる心の板を剥がして
その下のぬかるみに
沈みつづけるあなたを
引き上げてあげたかった
....