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おれたちは
美しいとさえ言えるほどの偶然の果てに出会って
互いが失ってきたものを取り戻そうとしている
時には痛みをおぼえるほどの激しさで
おれたちは震えていた
互いの眼を覗きこみなが ....
午前三時、音楽は鳴り止み――
無人の街が点滅している
冷えた空気、星も隠れ――
乾いたタイヤの音が通り過ぎる
絶えず掘り返され埋め立てられる交差点で
電光掲示板がリズムを刻ん ....
指は捩れた釘、その錆びた切先で裂く、僕らは、
宙を、
僕の頬を、
きみの鎖骨の下を、
すると膚と肉がみにくく割れて
黒い血が落ちる
横たわる僕らの眼に青色の空が映る。
完全な空の ....