硝子の心が割れるのは
世界で一秒間に人が死ぬ数よりも
多くなくてはいけない

硝子の心が割れた時
大人が子供のふりをするように
幼く感傷的であってはいけない

汚れちまつた紙幣並びに硬 ....
またひとつ、罪を重ねました。白い陽があまりにも眩しすぎて、思わず青いほうへ、赤いほうへ、よろけてしまったのです。それはきっと、私の弱さのひとつでもあるのでしょうが、こんなにさまざまな色につまずいてしま .... 飛べないから
ビブラートがかかった
針金の先
ステンレスの廊下
突き当りを見失った
憤死している僕の恋人
片付けられることのない夕食
まだ支度されてないリビングで
共同の指先が
光源 ....
痺れた舌
感覚はいまだ戻らず
噛んでも痛みすら感じない


僕の取った行動は突拍子もなくて
どれだけいけないことをしたのかだって
ちゃんと理解してる
躊躇する事だって出来た
でもしな ....
目を閉じてもつづく光のかたち
夜を甘く噛むかたち
傷が傷を呼ぶかたち
ふたつの音がすれちがい
ひとつの声になるかたち


蒼にそよぐ蒼のしじま
ざらざらとつづく明るい道 ....
暮れる無人駅に人でなしがぽつり

この街はどこからはじまる杭を打つ

死氷着く 絶海
とはこのこと

一切れはワゴンに乗せられ
て どこかへ

海鼠腸
しはらいうのみになりすます ....
もっと、もっと激しく降ればいい
雨は夜に降りこのまま私は助かるのかもしれない
夢はみない
眠ってしまったから


ばちばちと
音を立て雨が涎を垂らしつつ私を背中にそっと入ろうと


 ....
しっとり、これは
濡れるために、素足


群れる草の土に冷たく踏み入り
行き場を失くしたことのない、
何処にも行かない、素足でした、濡れるために


こっそり、あれは ....
透明な夕日が

沈む速度で赤方偏移


鎮魂の落日か

この国の落日か


ただあかく


遠ざかるほど


そう


遠ざかるほど
空が地よりも明るい夜に
ひとり鉄路の内周をゆく
なだらかな緑の
揺れつづける闇


雨と雨のあいだが泡立ち
ひるがえる白
ひるがえる光に
動かぬものは四角く抱かれる
 ....
青の塊にふりおろす
永遠の約束
目の前に広がるのは
理解できない世界

下手くそなポリリズムが
納めた怒りをほじくり出し
いっそう不快にさせる

皆の喜びと笑いが渦巻く空間に
私と ....
一夜の戯れ 夢や現つや
うす桃色の 紅のゆくへや

君の御手の うなじに触れなば
わびし心に 月の灯らむ
荒れ野の果ての 草木を分けて
あえかなる身に ....
僕は感じる君の気配を
弓なりの曲線は
甘い咳払いひとつ


それは涎のようでもあり
差し出した僕の人差指に乗り
鳥かごから出ようとする可愛い小鳥
胸一杯の期待感に
ひ弱な翼を震わせて ....
また 音が する
また 雨のように 

鉛色の空のせいで
部屋が暗くなるんだ

枕のそばに
携帯の点滅する光

また 音がする
雨が叩くように 戸を叩く幻聴を聞く

あ ....
残暑が、高らかな色彩吐露を
自ら慎みはじめている
少しでもぶり返せばそれは
奇声、とひとことで片付けられる


薬を拒んでも、夏は引いてゆき
もう夏風邪とは呼べない何かと ....
わたし

(現象する
音声に燃えていく
{ルビ紅=くれない}する
空ろな現存の呻き
青ざめる{ルビ夜=よ}

鋭くかげる新月に
引かれる心音のにじみは
血管を震わせて
蒸発してゆ ....
蝋燭の炎が
自らのロウで噤むやいなや
細く白い一筋の上昇気流に紛れている、あなたの
残り香の腐乱による、鈍い苦痛を
わたしは貪ります


空耳に耽る耳には、耳の
幻 ....
性欲の底を吊し上げる
海水のアナストリア
人脈を駆け抜けて跳ぶ
頂上からの前戯者

ポジティブではない
狂い 坂の光覗きながら
歌い
笑い
泣き
そんなものは 捨 ....
どうしたってさよならの跡は背中について離れない
僕はまだらになっていく

浮き上がる背の緋質を
誰かが綺麗だといって
誰かは気味が悪いといって

僕は後者のほうがわかった
僕もそう思っ ....
割れた爪は
治ってしまった

雨を待つことも
やめてしまった

この想いは
忘れてしまおう

思い出すことを
やめてしまおう

美しい夢だと
思うことに決めた
磨り減ったタイヤは カーブの重圧に耐え切れず 僕を闇の隅へ叩きつけた

疚しい光で 蝉も蜉蝣も蘇って 僕は一人でそこに残った

音もない場所で君の幻とワルツを踊る 
馬鹿げたメロディーが妙に ....
誰からにも愛されていた人の死体を焼く
誰からにも愛されずいた人の死体を焼く
上がる炎は皆同じで 僕らは河に流れていく

彼女は決して表情を変えず 僕らの傷を受け止める
僕の擦り傷は彼女の右膝 ....
168号線は

暴力的にでも隠したいらしい

川と海の境目を



等間隔でながれる

トンネルライトをカウントしながら

想い描く名前のない河口

対岸ものぞめないみ ....
ディック(スラングで男性器のこと)

ディック

原色の街で出会った少女
国道から七面鳥までを許し
キャンディから微酔までを憎んでいた
深海の瞳と嫋やかな脛と

ディック

拷問 ....
練炭がにおい吊金具が軋む

裏表がなくてしのび笑い

整列完了ぼくらマドモアゼルのしもべ

崖に靴下の自ずから白く

鈴虫を噛んでめまいを飼い慣らす

飲みほせば樹海もさわやかな緑 ....
ゆっくりと走り始めた君は、交差点で急に後ろを振り返り
やっぱり私、生きようと思うの、と
その周りを、背中の汚い魚が眩しそうに君を見ていた

この世界は、君が住むには過酷過ぎた
君の手首から流 ....
例えば、ゆるゆる喉を下る
ぬるい水、ひとかたまり
心臓を掠めそうで掠めない
何処にも、何も、満ちない


真昼を怠りたくて怠る身体では
空ろまで無気力な
ほら、 ....
    卵を産んでいる親蜘蛛を
    卵と一緒に握りつぶして
    やさしい少女の顔をした少年
    そのままの手で夏の樹を抱く
つよい風でゆれる木が
叫び声をあげている

夜は
だれかが故意にこぼした
つぼの中身

ぼくの指先までも暗闇で包む


視覚をうばわれて
ぼくも叫ぶ
泣いてみせても
だれ ....
廃墟の街 焼け野原にひびく声
人々はなみだを拭い立ちつくす
蒼白の入道雲 そまる
白朱へと

たび人は ソフト帽に丸眼鏡

しずんだ日のもと
嶮しき夜の丘へと
歩いてゆく

 ....
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