冬の花火が出発告げるよ
 今夜
コンクリートじゃなくて 深い海だよ 路上はね
  ちぎれ舟抱いていけば冬だねまだ
 掌に乗るくらいの自奏琴 宝石に似せたガラス球まぶした
  そんな都会ばか ....
夢の続き
残像だけが残る
その声が
誰だか思い出せない
気づいたら滲んでいて
ぼくはただ
笑っていた
幸せだったんだよね
ぼくは笑っているから
温かかったから
ねぇ 今もぼくは
 ....
あなたはわたしを頼ってこの町にやってきた
わたしの住む遠いあの町へ

いつも追われてやってくる
悲しく破られた長いまどろみのあと
終わっているこの場所に
ふるえるよるべのないあなた

 ....
噛み千切ってしまおうかしら。
痛いだろう、そんなことをしては。
そんな会話ばかりが
あたしを幸せにしていた

おまえの髪に指を通すと、人のぬくもりがあらわになるね。
冷たい指先があたし ....
  背中に刺さった棘は抜けない

  目の奥にある黒い星は見えない

  中指が

{引用=
                              
               ....
さらさら濡れた
無数の、無数の斜線が
零度近くにまでうつむきながら
真昼に満ちた薄暗い灰を切断する
と、真昼は
一層暗い灰に満たされてゆく


斜線は
あらゆる輪 ....
その瞳に映った僕は偽者かも知れない
空になった心を必死で崩れぬように
両手で抑えるけれど皹割れは止まらず
破片が肌を傷付け血を流す
いくら笑ってみせてもどこか寂しくて
何かが不足している感覚 ....
苦しくて逃げ出した背中が透明に透けて
真昼の太陽がその背中を通して影を焼く
焼き抜かれた影絵には
傷ついた片羽の蝶が飛べない空を睨んでる

悲しくて差し出した涙が宝石に変化して
宵闇の光星 ....
─ほどに。



それほどに、それほどに
行方は逃げていきますか
黒縁の窓枠と
フクロウ
僕の机にあるものは
一日のからくりと
枯れ草と
青いビー玉の金魚鉢
いつでもとても綺麗 ....
金色の雨に打たれて
濡れた身体を包む
冷たい雫
狂おしく震えた
狂おしく戦慄いた
目の前に広がる
この世界は
虚飾に彩どられて
青く明滅している
踏み出そうか
強く地表を蹴って
 ....
涙が涸れる
くるしくなるくらいに
酔いつぶれて 明日を
忘れるほど 眠り続けた
胸がちぎれてしまいそうで ただ
川辺の桜を 見つめている
通り過ぎてゆくばかりの
意思とは 裏腹の
別離 ....
もう元に戻れないくらいに
壊れてしまいたい
あしたがこない
夜が死んでしまったのだとおもう


   夜死


それすらも善きサティ
ずっと眠る


   眠る


ドーナッツの穴
こどもたちは夢を見る


 ....
しんと静まり返った
私は中空

見果てぬ層雲の雪崩れは
悔悟の波



あぁ

こんなにも

月は小さいというのに




清かめく狂われた木蓮の
紫を濡らせた私は ....
嘘くさいキャラメルは甘ったるいばかりで
それで退屈をしのごうとしているのね、きっと。ばかな女。

春はこの街にも雨をもたらす。
屋根の上のカラスが濡れて鳴いている。
しっとりと、痛く
そし ....
葡萄の房にぶらさがった
闇屋の紙魚商


食らえや食らえ


実のうそぶく方へ
甘い葡萄の滴る方へ


こっちじゃ
あっちじゃ
えんやこら

しょうかね
だいかね
ほ ....
ふきそくなからだ
それは、こきゅうをすることさえつらくて
いきをすいこむだけでくるしくなってしまう
にさんかたんそをはきだすことをためらってしまう

こきゅうをすることは、こんなにくるしいこ ....
傍へ行ってその手を取って

少しでも傷を癒してあげたいのに

それが出来たらいいのに




独り抜け出せない淵

あなたには何が見えている
  揺らめく波間に
  繰り返し見た雑踏
 が紛れた
  千切れた空虚は
  まるで私そのもの


         必ず会う誓いも
           砂の血のように
      ....
月に照らされた女の顔が銀色にひかる

暗闇に 紅く染まった両手をさしだすと

月が狂ったように笑いかけてくる

女はそれが何だか恐ろしくて 嬉しくて どうしようもなくなり 泣き叫んだ
 ....
わたしは、この震える指先のなかを流れる満たされない血液の重さを推し量っていた。わずかに眼の中に残る記憶を辿り、心房が包む夜空に対峙して、透明な糸で繋がる星を撫ぜて、痛みを発する疼きの場所を見つけて .... そのとき私は
この上なく上手に手を引かれ
視界は薄紅と肌
幾度瞬いても
ある薄紅、と、ある肌の


指の届く範囲に全ての指が在り
与えられた視界に全てが揃い
あの薄紅、あの肌 ....
ここにたつあを つれゆくあを
すいてもすけぬ ながるるままに
こころおきなく こころにもなき
ことばをはきて うたはすてよ

うらごほし たちかれるきぎ
うらさびし はるのめぶき
しろを ....
凍えるだけ渇いて
鈴の音も響かせず
降り積もる雪の夕暮れ

雲母の肌が 幾重にもはがれていくのです
許されてしまう小さな嘘 をつくたびに
セロファンの音を立てたりはしないのです

涙の ....
月が地球に食べられていることは新月の暗い空を見ずとも皆気付いているものと思うが、見えない蜃気楼というものが太陽に向かった時の自分の影と等しく背後に確実に存在することを意識することはほぼ不可能である。
 ....
青い朝が鈴を鳴らして合図する。
霧のむこうは、へらさぎが、雨音に耳を澄まして、
零を数え終えると、夥しい空の種が芽を出して、
幾万のひかりが降る。季節が連れて来る慈悲を、
寝台に凭れて、味 ....
【椿】

花嫁の紅を着飾って
貴方を待っているのです
この純潔が叶わぬならば
首を落として
夢に果てましょう


【水仙】

明後日の方向を見ているのは
白いうなじを見せるため ....
また一日分
夜で翳り
透き通ることなどあり得ぬコンクリートだ
壁と床、その接点の無人に紛れればわたし
隠さなくとも隠れるのだった
耳の奥の
疼きの蝙蝠の(、っ、っ、っ、っ、)は
 ....
僕の消えていく闇の名前
石炭ボイラーの匂い
江浦路の路面電車が踏みつける
レールの間で腐っていく{ルビ瓜=うり}の皮
入り口だらけの逃げ場所

擦り切れた人民幣
二十五元五角の片道切符
 ....
勇者は
落ちている
日差しを片手に翳し
迫り来る闇で
敵の攻撃を防いだ

戦士は
自信というなの
防具をまとい
夢と希望を
力に変えた

魔法使いは
唄の如く
言葉を紡ぎ
 ....
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微笑んで- AKiHiCo自由詩106-3-21
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仮住い- 霜天自由詩306-3-18
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thank_you- くるす自由詩2*06-3-16
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上海1986- たりぽん ...未詩・独白8*06-2-26
RPG- 桜 葉一自由詩206-2-25

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