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強い風が
いろんなガラクタを
吹き飛ばして残ったのは
からっぽの青空
どこまでも視線を
深く高く運んで行けそうな
純粋な空色をたたえた
からっぽの空
からっぽの空から
吹き下 ....
「就職おめでとう」
そう言われて渡された
腕時計です
黒い皮バンドの
文字盤だけの
シンプルがベストでしょう
それからいつも
相棒の腕で
一緒に働いていました
....
独り暮らしの古家から
週に一度
玄関から門前に出て
杖を手にワゴン車を待つ
「おはようございます」
ドアが開いて下りてくる
孫のような青年の
腕につかまりながら
車 ....
白いチョークで
ポケットいっぱいの
言葉をおぼえた
おさない遊び
二本の線を引きながら
公園をよこぎって
道路をまたぐ
景色がだんだん小さくなる
電車のように
かたこ ....
そのちいさな身体には大きすぎる
僕のYシャツを着ている君
窓に浮かぶ思い出は
あの日ならんで歩いた砂浜
せまってくる白線をとびこえて
水しぶきをあげてはしゃいでいた
いま
....
赤い空に埋め尽くされた僕の街を
一羽の鳥が見おろして
どこまでも どこまでも 飛んで行かない
落下した鳥たちを
踏みしめて歩くその頭上で
擦り切れたフィルムをなぞるように
その光景は繰 ....
見てくれてありがとう
仲間とお辞儀をしています
ここは神社なのです
あなたは
何をお祈りにきたのでしょうか
去年
あなたが来てくれたのは
覚えています
私達と
同じ色 ....
薄いピンクの花びらが
はらはらと散るように
あなたの
夢も散るのでしょうか
忙しい彼
なかなか会えないのですね
庭に咲く私を見る
あなたはとても寂しそう
いつか
....
鼓動のように雨戸は共鳴し
残余するものはもう何も無い
火傷の痕は指に育まれ
心の貧しいものだけが
人になることができる
その線をこえてはいけない
黄土色の骨に包まれた肉体
もはやそ ....
窓越しに揺れる景色が
ゆっくり刻まれてゆく
雲の流れは気ままです
鳥はすらりと通り過ぎ
風が隠れて笑ってます
動かないのは僕だけで
世の中はぐるぐる回り
まるで孤独のよう ....
迷いや憂いが
くもらぬように
目から
胸から
耳の奥から
にごりに満ちて
澄み渡れ、
春
愛するべきと
かなしむべきと
つつしむべきと叫ぶべきとに
....
星と星をつなぐと
いきものになった
言葉と言葉をつなぐと
ひとになれる
指と指をつなぐと
こいびとになれたかもしれない
夜になると
貝を洗うような音がする
わたしの星が ....
散歩をした
車椅子に君を乗せて
君は
新しい家を見に行く約束を
楽しみに待っていたけど
疲れ切った君を
ぼくは
新しい家まで
連れては行けなかった
散歩をした
....
私は
もうすぐ散っていきますが
公園で
真っ赤に真っ赤に咲いています
愛おしそうに
私を見つめ
携帯電話で写真を撮ってくれている
若いカップル
その
はじけそうな笑顔を忘 ....
朝日が
私を目覚めへと
追い出していく
小さな時のこびとたち
素早く 同じテンポで
かけめぐる
私の目の前へと
そして過去へと消えていく
星の記憶
月の夢
太陽のアルバ ....
がんばることに
つかれたときでも
そらを
みあげてみれば
そこに
かぜはふいているから
こころ とばせ
なみだをふいて
こころ むすべ
あ ....
最後の /色
残されたままに/
/ひとつの ....
風を
くぐりぬけると
また新しく
風がある
ときにあばれて
ときに乱して
かろやかだったり
微かであったり
あらゆる表情を持ちつつも
ひとつにまぜた
名 ....
きれいな空があることを
忘れたくなかった
雨が降るのを
真下から見上げて
見上げた空がきれいであることを
確かめたかった
降りそそぐ雨が瞳からあふれても
それを ....
空気が澄んでる。
星が瞬いている。
それだけで、
涙が溢れそうになるの。
どうしてだろうね、
そんな風に切なく微笑む
あなたをぎゅっと
抱きしめたくて......
私は思い出し ....
道を歩いていると
絶壁のように立ちはだかったそれは
登りきると平らになった
ブランチのあと熱くなったお腹のせいで眠くなり
わたしは靴を脱ぎ捨てました
ミネラルの風に小さな貝殻が舞い
カラカラと海の風鈴は虹色に透けました
それと素足にさらさらと乾いた粒ら。o・* ....
気がつくと見下ろす先にいいようのない雰囲気をまとった二人の男女がいた
彼は五円玉(みたいな形の銀貨)を手にとってそっと、
でも大胆にその{五円玉=銀貨}を抱きしめた
隣でその ....
雨戸の端っこで
なめくじがはっている
何が悲しいのか
やっぱり泣いているみたいだ
今日はせっかくの晴れ
君もそんなに泣くのはおよしなさい
でも
葉っぱの裏でこそこそ泣くよりも ....
光は満ちてゆく
花のような小舟を浮かべて
ふたたびの光は寄せてゆく
まだ浅い夏の水際に
片足を浸して眺めるだけだ
ドアを細めに開けて
そっと知られぬように
飛び立つ小鳥を慈しむよ ....
雨の中に鯉のぼりがいて
彼らは空を飛ぶことしか知らない
だけど、濡れた体を揺らしてみると
遠い昔を思い出したみたいだった
青い空を飛ぶよりも
うんとなめらかに飛んでいた
***
....
海岸線のガードレールでもなく
尾根を越えていく高圧線でもない
届こうとするものは
いつも不完全で ただ
どこか、まで続いていく
アルシオネの円周でも
火星が結ぶ軌道でもない
繰り返す ....
太くなる
風が太くなる
孕んでいる
闇を孕んでいる
風が闇を孕んで太くなる
湿り気を帯びている
自然は昔から獣だった
太くなる
風が太くなる
....
青い鳥は疾走する
ひとたび潜水しても その翼は 微塵も濡れず
ふたたび空に現れたとき その飛沫に 虹ができる
その飛翔は光のように速い
わたしはいつも
わたしの心の一番たかいと ....
川沿いの道を
からんころんと下駄鳴らし
着物姿で{ルビ闊歩=かっぽ}する
5才の姪のかほちゃん
ほどけた帯紐に
つまづかないよう
後ろから追いかけて
地面に垂れた紐を持 ....
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