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ふるさとはとても寒くて、ちょっと雪だって積もっていて、吐く息がとても遠くまで届くのでマウスケアってやっぱ大事だよねって気付かせてくれるそんな場所。
山はすっかり削られて白っぽいコンクリートの幾何 ....
「 」が欲しい
「 」がすべてだ
あぁ 僕には
「 」が足りない
もっともっと
「 」で埋め尽くされたい
でも
「 」って何だろう
しばらく考えて
....
料理を注文する君の声が
空気の振動のような透明さで店内に響く
放っておくと月明かりしか入ってきませんから
と、ウェイターがカーテンを閉めていく
中央のテーブルでは座高の高い男が
大声でメ ....
あるいている
みどりのなかを
あるいている
あるいている
かぜをおって
あるいている
あるいている
ひかりのなかを
あるいている
あるいている
あめにうたれて
あるい ....
ずいぶんと長い道を歩いてくたびれた靴
{ルビ踵=かかと}を減らした足裏は{ルビ剥=は}がれて
ひと足歩くごとに
割れたつま先は口を開く
結んでも結んでもほどけて引きずる靴ひもは
ざらつ ....
さよならは
出会い
夕陽の中だ。
勝ち気な瞳
ショートカット
華奢な体
風のように
光のように
純粋が
体操する。
結露が止まらない
いくら拭いても
壁や窓から滲み出てくる
このままでは
部屋が水でいっぱいになってしまう
僕らは慌てて非常食、ラジオ付き懐中電灯、
釣り竿等々をリュックにつめる
....
女の子がクッキーを焼きました。
まる さんかく しかく
色々な形が出来ました。
星型だけはこげました
誰からも食べられなかった星型さんは
空に消えて
願いを一つ叶えました
『 ....
明日人間ドックに行こうとしているのは
まぎれもなくあの時列車に飛び込んだあの人だ。
鏡を眺めながらしんみりと
最近、なんか顔色悪くてねえ
などと話しかけてくる。
そう言われても
な ....
歩くごとに
一枚ずつ
カードを捲っていく
高い数字を
待ち望んでいた
のに
ジョーカーをひいた
今の僕には
使い方が解らない
雨にうすく濡れた歩道の中心に
盲人用の黄色い凸凸道が
遠くへと敷かれている
いつもそ知らぬ顔で歩いていたが
凸凸道を求めているのは
よろけた歩みで目線の定まらない自分だった
黒いこ ....
定期券が消えた
ある日こつ然と定期入れから消えた
懐かしい色の子供たちが
僕の知らない歌を歌いながら
道の一箇所に立っている
煙草を吸う
定期券が消えた
煙草を吸う
あおいだ ゆびさきから
つむぎだされる よるの とばり
その やみのなかで てらしつづける
ゆらめき つづける
ふかしぎな かたち
さまざまな ゆくえ
ねがわくば わたしの あとは
....
何も言わないで
静かに
そこに立っているものが
見えてしまったので
酒飲んでも無駄
泣いても無駄
うつむいても無駄
何も言わないで
静かに
そこに ....
過ぎ去るものがあって、僕は奏でられているものを聞いている
耳から耳、手から手
それから
夕立に降られそうになって、傘を買った
小さく折りたたまれた傘で、雨が降らなかったので広がることはなか ....
一方的に街が咳払いして
クリスマスの色が増える
飲み屋の電飾がにこやかなら
この咳払いはちょっと嘘くさい
ようで
相変わらず急発進する今に乗れずに
友人じゃない知り合いに会って
恐怖 ....
物を収集するという行為は
生存競争という過酷な環境に無い者にこそ許される
嗜好性の強さはその個体の死を意味すると言っても過言ではないだろう
生きていくためには他にすべきことが山ほどあるのだか ....
ひとりの夜が
こんなにも
悲しいなんて思いもしなかった
君といた時間が長すぎて
忘れていたんだ
昔の孤独を
今からでも間に合うのなら
白い羽根のついた ....
うしは?
ん〜
うしわあ〜モう・・・
ニコニコ
ニコニコ
じゃ、うまは?
うまわあ〜・・
うまわあ〜・・・・・
エヘ、エヘ、
エへヘ
眸が
モうと鳴いてい ....
僕はブーメランを期待して
君にくさいセリフを言ったのだけど
ちっとも返事が返ってこない
心配して見に行ったら
しまった
君はイチコロでまいっていたらしい
ひとが愛した草花の名前を手帖に書き留めて、日記にしましょう
ああ、憐憫というものは
秋の日の袖口に風があたり空がやたらに高く仰ぎひとがいつまでも遠くにいてぼんやりとした輪郭をにじませている ....
まばたきしては ゆれている
その ことばの はじっこ
きずかない
きみは てで すくっては
はもんを ひろげて
ぼくのかおを なみうたせては
そのほうが すてき、と
わらった
....
天空を鶴が飛ぶ
編隊をなして
鶴にはには見えている
自分たちの湖が
湖は澄んでいる
天空と同じように
輝いているのを
やがて鶴は白い翼をたたむ
....
ないてしまうかと おもった
きみは よぞらを みあげて
あれは リゲル
あれは べテルギウス
そんなに きれいな めで
とおく とおく あるものに
そらを すかして うちゅうを みてる ....
「焼ぁ〜き芋ぉ〜、
石焼ぁ〜き芋、焼芋ぉ〜」
日も暮れた
裸木の並ぶ川沿いの道を
赤ちょうちんの焼芋屋が
ゆっくり ゆっくり 歩いてく
後ろからもんぺの{ルビ懐=ふところ ....
四隅にはさびしさの影
灰の空気がそこに居る
窓を開けると冬の色風
耳くすぐり吹き抜ける
白の色風は部屋を回り
四隅連れ去りまた外へ
色風残してくれたのは
窓辺のち ....
グレープフルーツを半分に
ぱっさり、と
切ってごらん
まんなかにはいつも
記号
が
ぎゅう、
と
しぼったら
記号のしずくが
溜まるから
飲んでごらん
沈殿するのは
....
冬の風を
小さくまとめて
灰色の海に沈めました
浜辺に
冬の花びらと子供がいます
薄い白と赤ランドセル
冬の風と灰色の海は
日の落ちる頃に
夕凪になって世界を観に行きました
*は空に飛び出すと
*は*であることがいつも不思議なようだ
僕は両腕を精一杯伸ばして
それから海を囲って
さざ波にブリキ色の半月を映してみる
*は丁寧に覗き込み
綺麗だねと言う ....
ひららが飛んでゐます。
蝶でも 恋文でも 紅葉でもない、
あれはひらら。
まろやかな曲線を描く翅をひらめかせ、
たおやかに灰色の空を飛んでゆく・・・
あれはひらら。
ひらら ....
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