すべてのおすすめ
ひとはみな
愛の途上でおわる
どうせいつか
消える身なので
大差ないが
若い死にふれると
おめおめ
夭折もせずに生きのびて
うしろめたい石である
わたしの
古傷がしめやかに疼く
....
わたしは誰でもなく
なんとでも呼ばれる
身近な人には
名前で呼ばれ
子供には
ママと呼ばれ
昔の知り合いには
旧姓で呼ばれ
離婚したことがあるので
そっちの名前で呼ばれ
再婚したの ....
僕の背中に羽根はある?
背中に触れて確かめる勇気がない
ここは独房
臆病が足枷
窓越しの空を見上げる
もしかして羽根は折れてる?
広げてみる勇気がない
僕は空想する
窓の向 ....
雨音で目をさますと
玄関のドアを網戸にして
ベランダも網戸にして
家中開け放す
雨の空気を
家中に蔓延させる
雨日儀式
内外の境界を曖昧にする
こうす ....
愛と
つぶやいてみる
それから
でたらめに
石と
愛の石
ではない
石の愛でも
ない
愛のような石
石のごとき愛
なんか
ちがう
てゆうか
なにやってるんだ ....
覚えていますか
と
問いかけるのは怖い
そして無意味だ
わたしはあなたにとって
最初から存在しなかったと
同じなんだと
確認したところで
一体なんになるだろう
覚えていますか
と
....
くっきりとあかるい黄金色
冴え冴えと澄みわたった闇に
ぽっかりと浮かんでいた それ
何処へもゆかれないわたくしは
そのしたで
孤独やら絶望やらと
親しくしていた
それは
し ....
まわる杖のなぞる
たりない 言葉
目には まだ
うつらない
誰に 誰を重ねる
どこにも いない
今は まだ
今夜は
無性に 胸のあたりが苦しいので
闇の中
家の裏山に ドラえもんを探しに行く
おそらく
好物のどら焼きをえさに
すずめを捕るような仕掛けで
竹篭を逆さにしておけばよい よう ....
大通りが静かな日でした
西側に傾いた窓から空を見下ろすと
秋でした
寝転んだ姿勢のままで
耳を使って確かめてみても
国道は確かにそこにあって
とても
静かな日でした
赤とんぼが ....
秋が
ふらりとやってきて
10万円を返しにきた
と言う
後の8万円は
出世払いね
などと
片目をつぶってみせる
秋がまだこの国で
秋という名前もなかったころ
お日様の姿が見 ....
十五年ぶりに
山辺の路を歩く
あのときは誰と歩いたっけ
いくつもの寺や神社で
いくかのお願いをしながら
あのときは誰と
箸墓の謂れを読んでいるころから
みぞお ....
耳をつむっているのです
だから見えます
あなたから生まれる
静寂の波
唇が動く
同じ距離にいたら
同じ速度で響いた言葉を
出来るだけ離れて
平等な冷たさをもって広がる
波 ....
行ったきり帰って来ない父を待っている間に
僕は肩を壊してボールを握れなくなった
故障した肩は匂いや形が花に似ているみたいで
通りを歩いていると勘違いしたハチが集まってきて困る
その度にそよ ....
秋になったかは知らんが
満たされない月に向かって吠えます
オレンジの灰が屋上の地面を転がってゆき
本当の地上へ、ダイブ
深夜3時になりそう
明日への特急が来るなら何故に荷物をつくらないの、と ....
金色の
呼吸が
金属から
美しく
小さくても
低音が
空を秋に
高く押し上げた
公園で
ぼろを着た
青年の
胸で光る
金色の ....
膝についた土の足影
太陽で溶かした黒印
混じらない遠吠えに
砕かれる夜霧の血脈
降りていく杖の焜炉
縮んだ石からり炒り
潰した靴直して履く
立てるならまだ歩く
帰り道 雑木林の遊歩道
意識もせずに3人並んで
等間隔に浮かんだ声
その意味に気がつくのは、3年後
肌を、エア。気づくとイラつく太陽は頂上。知らずのぼくらの、ここそこあそこを均等に、均等に照らすのでした。光、光光、だから見えるってさ。記憶って、街中に溶けて流れて固まってつまり建物とか電柱とかそういう ....
見上げた空に朧月
闇に染まるそのまえの
まだやさしい空に浮かぶ
今日という日が終わる
様々な想いを抱いて
暮れてゆく空は
やさしい目をしてる
....
どううぶつえんの檻の前で親友は盤を取り出し
飛車角落ちで良い、と言う
親友の温かい手から飛車と角を受け取り
どううぶつの檻に投げる
どううぶつは隅でうずくまったまま見向きもしない
飛 ....
ねぇ、知ってた?
君がはじめて、私にくれたもの。
一つのガム。コーラ味のガム。
それがね。どれだけ嬉しかったかわかる?
君のズボンのポケットのなかにはいっていた・・・
まだ、少し君の体温 ....
あの日
君と僕があの日拾った木の実の種は
同じように見えていたけど
そのうちに
芽が出て
葉がついて
茎がやがて幹になるころから
どちらの思いも
お ....
余計なものはすべて捨てた
部屋にはダンボール箱が一つ
私は体を折りたたんでその中に入り
蓋を閉める
部屋には今、箱だけがある
かや かや かや
しなの ほの なき
かな かな かな
つれた つもり の そそらの はなお
ひせの くら ふき
さや さや さや
泣きたくなるのは俺が弱くなった証拠か?
不意によぎる居た堪れない感情が
嵐みたいに過ぎ去るのをジッと待っている
俺はいつでも強くありたいんだよ
どうか 涙なんか流れぬ日々よ来い
独り ....
ゆらゆら と 水面が揺れ
光が反射して
ひらひら と 葉が水面に
落ち波紋をつくりだす
水面が空を鏡のように映し出す
形を変えながら
ゆっくりと流れる
空の時間
....
ビールをコップ三分の一くらい飲んで
ほろ酔い加減になったきみが急に
散歩に行く
と宣言し
最近越してきたばかりの
夕暮れの町並みに
とことこ歩き出すから
ボデイガード替わりのおれは
オ ....
お馬はみんなぱっかぱっか走る
って唄うだけでしあわせなんだなこれが
僕らはみんなかっつかっつ歩く
って唄っても楽しくないんだなこれが
どうしてなーのかー
なんて考えちゃったら
ます ....
愛の奇跡であの娘と結婚させてください
そう神様にお願いした次の日の朝
目を覚ますと僕の右手には一本のわらがあった
どうにかしろ、ということなのか
どうにかなるさ、ということなのか
わ ....
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