すべてのおすすめ
区別されてあれ
紺色の犬よ
十センチ歩幅の
ローカルな犬よ
この職で食うからには
一生、区別されてあれ
扱う品は
人の生命、身体、財産
消えゆくものは
自らの影
区 ....
イエーイ! 家
俺らのため息というため息 体毛という体毛 のすべて
には窓が取り付けられている 家
窓という窓には俺らの手形
という手形にも窓
ところどころは出窓として取り繕っておりま ....
あしたは あさってを みつめて
あくび している
そして きょうは?
うたたね しているに ちがいない
ちくたく ちくたく
すすんでいく じかんのなか
ふたりの ちく と たく の
....
君の使っていた香水を買ってみた
香りは忘れてしまったけど
名前は覚えていたよ
リメンバー・ミー
Remember Me
手首に少し付けてみると
君の香りが甦る
....
沈む夕日を掴まえた
バックミラーの
その中に
行き過ぎる車
飛び去る風景
僅かな空間の
時の流れの
ほんの一瞬
沈む夕陽を掴まえた
....
あの頃は良かった
あの頃は幸せだった
あの頃はただ空を舞うだけで
皆の視線を一身に受け
私はただゆっくりとゆけばよかった
いつのまにか
鳥が空にあるのはすっかり当たり前になってしまった ....
ほら
きょうは もう
ひ がおちる ね
と いいながら
遊歩道ぞいの木々は
うでいっぱいの
はっぱ を
するするとみまわし
だれが いちばん
きいろいか
えらぶのに
いそ ....
最後の晩餐。
なんて洒落た言葉は当てはまらない空間
赤鬼と青鬼
小さなつくえをはさんですわる2人
言葉は交わされない
……
赤鬼のために犠牲になった青鬼
人間の友達ができ ....
申し分なくうつくしい
海の夕焼けを
石段に もっそり座って
眺めています
終わってしまって 始まらない物語と
始まってしまって 終わらない感情を
かわるがわる フィ ....
たっぷりと透明な水に浮かべられた 果物
ひざの上に ふわふわくるりとまるまった ネコ
とても安らかな飲み物の入った カップ
溶け込むように眠ることのできる お布団
何もしなくて ....
僕たちがいたきのうは
宇宙人に侵略されてしまっています
ちょっとだけ
感覚というか価値観というか
いや
きっと時間がずれているのです
はち合わないのはそのためです
よかったですね
....
いいのである
しょせん言葉ならば
たれながしても
永遠やヒストリーに
殉ずることこそ
権威主義のア・ラ・カルト
そんなことを
半世紀 いや
もっと前の
詩人たちも言っていたと
信 ....
火の国の水は
枯れ果て、
哀しいほどに
湖底をさらし
汚泥にまみれ。
では
何をしてきたか
言ってみたまえ
無粋の君らよ。
やたら議論を重ね
多くの人の汗を浪費し、
....
留学生のアントワーヌは
フランス人だけど英語も話す
でもわたしはどっちもあやふやで
アントワーヌの言おうとしていることが
いまいちよくわからない
アントワーヌはおしゃれで
見慣れない色 ....
悪い事をしてはいけません 悪い事をしてはいけませんよ
と 風が運ぶ 風が運ぶ
あなたは 朝8時に 長い坂道を転がって行ってしまう
隣の人も その隣の人も 意を決 ....
山の上から川が流れてくるよ
さらさらと静かな音が響く
見上げれば白く輝く月
その光を浴びて川面はきらきら
わたしは水の上を溯ってゆく
白い小さな花が川の両岸で咲き乱れ
その香りが辺りを覆う ....
見知らぬ少年が大きくなり
間違えていないか
何度か数えなおしてみる
口あとの残った譜面や
カロリーの低い清涼飲料水
忘れるたびに覚えていく
右手では保つことのできない
左手のもの ....
落日 其処に生まれては死んでいく
紅葉 変わりなく続く生の営み
風を受けては流れてく
見上げては堪えたまま
真実は告げぬまま笑う
君の悪い癖
全てを包んで あたしは笑おう
世界が ....
頭は、たくさんあってよ。
ちいせぇ笠も、でけぇ笠も。
水すくい上げてよ。
飛び込むのさ、回転さ。
なんべんでん、やるき。
ゴールはあるき。
じゃけんど、 ....
疲れた体たたき起こして電車に飛び乗る
行き先はどこ
夢の続きという駅があるなら降りてみたい
この線路の先に
未来があるのか
それとも・・・・
答えはこれか ....
梅雨間近 河原で立ち止まり
異様な臭気の理由を観察する
塾帰りの子どもたちは「死ね!」と罵りあい
おばちゃんたちは井戸端会議ならぬ河原会議中
立派な段ボールハウスの住人は
自家発電テレビ ....
もはやどのような風も
ヨキをつれては来ないだろう
だから
おおみえ きって
つづくかぎり 叫んでやる
つまさきを地平にむけよ
つまさきを地平にむけよ
ふり ....
高層マンションの上に
ぽっかりと浮かぶ
まん丸な赤い月に乗った犬を飼うんだと
三歳の頃そのままに
涙まで流して
だだをこねてみせるから
「あの犬はね、ほんとはね・・・」
と・・・を飲み込 ....
ドアが開くような音がすると
誰かが勢いよく飛び出していく
真っ直ぐに見せている道は
静かに湾曲していて
遠くの方で反射して、光が
不透明な景色を作っている
霧に浮かんでいる街で
探し ....
風の音に耳を傾けよう
陽射しの語らいにこころを開こう
何も悩むことなどなかったんだと
教えてくれるから
静かに時間が流れていく
この大きな自然の中で
わた ....
雨雲で曇った空の下
泣いてる子羊見つけたよ
『お前には血がお似合いだ』
孤独を知って
孤独に愛された
『お前は独りの{ルビ血まみれのマリア=ブラッディマリア}』
佇んだマリ ....
夕暮れ部屋の中で
君はキットカットと
出掛ける支度に夢中
俺は鱈のムニエル作りに夢中
いつものまな板の周りに
時々の鱈が甘塩で二切れ
その親愛なる白身を
俺から奪わんとするエノキとシ ....
カット!
違うんだな そのコーヒーカップに入ったスプーン
もっとクルクル回して
ユダヤ人ならもっとクルクル回すんだよ
そう 頭の中で目の前の恋人のことも考えるし
干してきた白いシャツが乾 ....
夏が過ぎて秋が来て
君はすこし変わったね
突然のスコールみたいな
涙を流さなくなった
突然熱くなって
我侭も言わなくなった
そういう君も好きだったけど
....
今日は声の出し方
ガギグゲゴ強いな
食器洗う音
ガチャガチャガッチャ
ドアの開け閉め
バッタンドスン
本をめくった
ビリッ、破れちゃった
なぁに、とんがってんだろう ....
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