すべてのおすすめ
涙をこらえて
壊れかけたつり橋を
ひとりで渡ろう
そうしないと
僕は前に進めない
涙をこらえて
激流を渡ろう
そうしないと
僕は君の幻から離れられない
....
雨垂れが髪を伝う 芝刈り機の音は止んでしまった
体に吸い付く服 空に高く抜ける声・声・声・止んでしまった
時はすでに遅く 軒下で震える鼓動は早まり
足止めの靴先で よれる砂利の音と重なる
....
高慢娘のおまえが
夏の光にパラソルさして
これはまたなんと恥ずかしそうな!
小指の先まで恥ずかしそうな!
卵からかえった雛が
はじめて太陽を見て
母親と思い込むように
おれはあなたを好きになった
空から降ってきた
ちいさな星に
空飛ぶ舟をかしたっけ
ちいさな星は
お礼を言って
ぼくに
ちいさな箱を
くれました
ちいさな星が去った後
そっ ....
錆びれた雨が
まとわりついて
カサの中まで
ぼくの中まで
薄情なまなざしで
憧憬の隙間に入り込んで
ぼくを湿らせる
だけどね
これも通り過ぎるよ
....
君の手 あったかいね
君の手 ギュッって握ってくれるね
でもね なんか足りないよ
あいつの手 冷たいよ
あいつの手 時々手を離しちゃうよ
でもね それだけで満足なんだ
その理由 ....
手のひらに握り締めた
生まれつきひび割れた蝉のひび割れた雲母
手のひらの中のその震えと光とを
唯一手に負える夏の単位として感じていた
けれど、もしも
手のひらの中の光など単な ....
軒下で鳴ってる
縁側ではいつも同じ場所で躓いてしまう
窓は池
今日も小さな沈黙を保ち続ける
外の通りを
笑わない男の人が歩いていく
僕らの小学校
黒板の右、日付の下では
誰かが ....
くちびるから突然漏れる息があって
今ぼくがそれを名づけるから
太陽
坂道を自転車で繰り上げてゆく
いつまでもうしろをからっぽにするために
風が残ってしまいそうな零時に
目が乾いて仕方な ....
残された言葉は 過ぎ去った花束
夢見るように 色とりどりの
風にゆれる やわらかな花びらの
残された言葉は なつかしい鉱石の輝き
深く沈む 青色の
さまざまな 空色の
残さ ....
風の岬にきてごらん
なにかがきみを待っているから。
風の岬にきてごらん
化石になれない詩が
進化しつづける言霊が
梢のさきで戯れてるから。
風の岬にきてごらん
夢はむ牛 に 泳が ....
あれはてた
さまざまなものに
みちみちた
さまざまなものに
ふれて
めをとじる
ぼくのれきし
だけじゃなくて
ほんをひらけば
せかいのれきしが
しるされている
....
銀行員は、銀行員は、きっと詩人
だってあんなに恐い顔で
必死に電卓叩いてる
八百屋さんは、八百屋さんは、きっと詩人
だってあんなに大きな声で
今日もお歌を歌ってる
....
奥まった場所に入ってみると
未開封のまま使われなかった気持ちがあって
いつだってつまずきながら走り抜けてきたこころだから
止まらない雨に洗い流されてみたいときもある
ハリー、ハリー
誰か ....
女の残り香が飽和した部屋の片隅のベットを
夏が来る前にシングルにしよう
と決めてから
もう何度も朝日を浴びて
僕が寝返りを打つたびに
ぐっと沈み込みながら
男臭いにおいを嗅ぎ続けてくれ ....
喰わねばならない喰わさねばならない買わねばならない払わねばならない
仕事する
コンピュータこの椅子と姿勢が良くないんだろうな腰が痛い
仕事する
せんべい食いながら饅頭食いながらおにぎり食いなが ....
そろそろ 描こうかな 机の上の静物
君が好きだった物
アンモナイトや 深い青色のガラス瓶
ビー玉や 陶器のきつね
きつねのお面なんかも いい
いくども いくども
私の中の君が 気に入っ ....
とても たいせつだったきみは
ここに どこかからきたのではなく
ここで つくられたのです
おかあさんが
うれしさに めをかがやかせながら
いっぱい ごはんをたべて
おなかのなかで
すこし ....
些細な出来事も
君が絡むと、忘れ切れない思い出となる
いま僕の
肩に降るこの雨が
いま君の
心を潤していたら
いいな
もし君が
いまこの雨に
渇くなら
僕はカタチを失くして
君を真っ赤にしたいのに
そん ....
街から海まで
飛びました
ポチャンと海へ
落ちました
底まで
潜っていきました
底には
空がありました
ボクは
空に浮かびます
それは
....
こはるびよりのひだまりで
つりをしながらあくびをすると
ぽろっとくびがころげおち
ついでにうでもころげおち
なかよくはりぼてけりながら
うみのうえをかけていった。
いそにのこされた ....
俺の 眠れない夜は いつまで続く
闇よりも暗い 闇かもしれないぜ
夜は 融けない氷のような壁
俺が ぬくもりを感じるのはいつだ
逃げていく 闇の中を
駆け抜ける 僅かな光を探 ....
広がる上空を囲むように
その日は 曇り空だったのですね
ゆるく波打つ 水面は
際に立つ 私達の少し後ろで
薄暗く 揺れていました
かと言って 私の心が
景色と 同調していた訳ではな ....
ほら その蕗の葉の下で
一つ目の妖精が
こっちを見ているよ
どこかから とても野太い声で
神々が呼んでいるよ
ふとした葉陰に
秘密の道があって
もしかしたら あちら側まで
行ける ....
あなたの
はじけるわらいごえは
ぼくの ひかりだ
じゅうさんさいで
はじめてあったときからずっと
あなたをまもれる
おとこになろうと
からだをきたえ
あたまをきたえ
こころを ....
佐藤君は思います。
たまには西田君みたいに
晒されたり裏返されたり、
そんな生き方もいいかも知れない。
いくつもの賞をもらっても、
皮を剥がれ焼かれ煮詰まり
透明な堅 ....
1
無印の裏の自動販売機に
たまに売ってるオタマジャクシみたいなの
120円入れたら二個出てきたから
ポケットに入れて家に帰ると
一個死んでた
2
確定申告を出した帰 ....
人は愛し合うために生きている
人を愛しぬく・愛されぬくために
この世界に生まれてきた
いくつもの命があるこの時に
空からたった一つの命を授かった
無駄にはできな ....
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