すべてのおすすめ
かぜが
ぼくのなかを
とおりぬけてゆく
おかの
うえ
とつ とつ、と
ほんのり
ともる
あの
あかりの
したへ
だきしめる
きもちが
あまい
やわらかい ....
もう行っていいよ
僕はもう少しここで涼んで行くよ
君が悲しくて眠れない夜
僕がずっと抱きしめていた
僕が不安で心細い夜
君がずっと抱きしめてくれた
君と僕のかけがえ ....
寂しさの濃淡を
その時々に掬いながら
そして
だから
それでもと
僕はまた
強がりにまみれてる
おあずけの夢の
続きにはきっと
特別な切符が必 ....
わたしの
きもちは
すぐなえて
さびしくなって
かなしくなってしまう
じょうちょ
ふあんてい
ぐらり ぐらり
あなたにゆれて
かたむきながら
まえしか
....
家の真ん中に ドードーの巣があるのです
絶滅させた張本人として歴史書に残りたくないので
バスルームには大きく迂回しなければなりません
慣れないうちは何度も卵を踏み潰しそうになりました
彼ら ....
食卓レモンのかなしみは
食卓ってなんだ?と
となりのワサビに聞かれたり
きいろの表面に こまかい凹凸
みどりのふたが 大きすぎても
レモンになろうと
もがいているようで
かなし ....
ぺたり
ぺたり
あしあと
のこして
なんの
かくしんもなく
きょう
あしたと
つづくと
しんじている
いきることで
みたされる
なにかが
くたり
くたり ....
つくえにすわったら
しんぞうが
いきなり
ばくばく
じこしゅちょうをはじめ
おらあよお
うまれてこのかた
いちどだって
いちびょうだって
やすんだことが
ねえーのによお
ちょ ....
ひろびろとした
大学の教室の
誰もいない
こと
たしかめて
侵入した
空調は消されていた七月の
ブラインダーの降りた
その場所で
母の作った弁当を
箸の音
なるべく立てず ....
此処で逢ったが 百年目
お前は俺の弟の息子の妻の兄嫁の娘の夫の父親の母の養子の姉の仇
いざ尋常に 覚悟せよ!
妙に明るい夜に
便座の前に佇んで
その日分だけの毒を吐く
あたしは馬鹿なのでしょう
言ってしまえば良いであろう事を言わず
ただ その日を笑顔で切り取り
こうして毒を吐く
何て無意 ....
明日がどうなるか分からないから
今日、花を咲かせることに一生懸命なのさ
皆が眠っている今も、月を見ながら
太陽を待ちつづけているんだ
明日、花咲くことが出来なくても
きっ ....
身も心も凍えるような夏の夜の吹雪
私は冷たく心を凍らせて誰にも進入できない氷壁を作る
きっとその方がいい
硬く凍りついた氷壁は傷つくことを知らない
冷え切った氷塊は心を麻痺させて痛みを忘れさせ ....
懐かしき
風景にも似た
君に触れ
君に彷徨う
見渡す限り夢は
飽和の色彩
夏にも行けず
冬にも戻れず
僕は
....
お気に入りの本を
また読み終えた頃
窓の外が明るかったので
誘われて出掛けた
見慣れた景色の中で
繰り返している僕は
深く染まった緑の道に
違う景色を探している
繰り返 ....
ぜったいにはなしちゃいけないって
ちいさいときから
なんどもいいきかされていたのに
ふときがつくと
てをはなしたあとだった
あわててまわりをみまわしても
ておくれだった
わたしのこと ....
考えるのを止めたとき
空は色をすいこんだ
ポカンと見上げて僕は
この地面の名前を忘れてしまう
しばらくは誰も
気付かないかもしれない
僕の一部もすいこまれたこと ....
しおが
まあるく
みちてくるのは
ぼくらのからだに
きざまれたひつぜんだ。
しおが
まっくらに
ひいてゆくのは
かぜがおしえる
このほしのぱずるだ。
このほしとつきとのなぞ ....
すきま風に押され
宙を舞い
テーブルの上
こっちが裏だ。
こっちが表だ。
裏だ。
表だ。
裏、表、裏、表、裏
と
小競り合い
すると
いらついたように
はらりと飛ぶと
....
その路線の終着駅は海沿いで
寂しい駅舎には
潮風が染み付いていた
流れている景色が
ゆっくりと落ち着いて
溶けていた車窓の奥で
海が空にゆれている
向かい側の席から
ゆっくりと ....
生きているのか
わからなくなる 今
死んでいるのか
わからなくなった 過去
止まっているのか
わからなくなりそうな 未来
今はもう戻らない
過ぎ去っていく過去
嘲笑うような ....
1
真っ青に透き徹る海が恋しい
真っ白に焼けた砂浜が恋しい。
湿気の多いべたべたする嫌な日
何でも有り余る肥大した無慈悲。
何故か連続して襲い来る不幸
大地は割れ火を吹く山 ....
きもちをつたえようと
ことばをえらぶたび
むねのおくがずきずきいたんで
むねをかきむしるうち
かたいものがゆびにふれた
おもいきってひきぬいてみると
くすりゆびくらいの
てとらぽっと ....
月はね
遠くから見るから
綺麗なんだ
そばに寄ったら
でこぼこで
何もないだろうね
君も
遠くから僕を見るんだね
僕が愛しく思っているのは
君だか ....
僕等は思いがけず忘れ物をしてしまう
それはひとつふたつ みっつよっつと
歩く振動でぽろぽろと零れて
最後には僕もぽろりと
なんて
雑踏の中で落としたものは
あちこちから持ち寄られた ....
デートの帰り道
疲れて大あくびをしたら
そのまま体が裏返ってしまった
あわてて元に戻すと
君が泣いていた
ごめんね驚かせて
もう大丈夫だよ
と
言おうとしたら
君がく ....
ずいぶん
ながいときがすぎたが
きょう、やっと
ふたりは
わずか五ミリほどの
ラビリンスを
うんだ。
ちいさな
コンクリートのすいそうで
ちゅうにうきながら
まようことしかしら ....
〜かあちゃんが
作ってくれる弁当は
新聞紙に包んであって
友だちの
可愛らしいランチバッグの隣で
開くのは 恥かしかった〜
きれいな黄色の卵焼きと
赤いプチトマト
ウ ....
巨人に踏み潰される朝
平たくなった太陽は
溺愛する星々を瞬間に残光で洗う
自動車が行き来する都市高速に
幾重にも連なった雲の影が落ちるとき
黒い信号がひとつになる
蚊のはなし
鉄板の上で 表面が美しく焦げる
ミディアムレアな 霜降り和牛ステーキの上に
ニンニクをたっぷりのせて食べた 幸福な夜です。
(しかも おごりで)
家に帰り着く頃には ....
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