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偉い人と 偉い人の話は
よく わからないので
ぽつん
私は 蚕蛾で
さくさくと 桑の葉をはむ
ずるい人と ずるい人の話は
よく 聞こえないので
ぱりん
私は 繭 ....
向かい風の吹いている
地図の上です
収縮と膨張を繰り返す波打ち際の
緩やかなカーブをなぞること
波音は届かずに
待ち焦がれるばかりの
海岸線が近い
そうで
少しずつ僕らに迫 ....
温泉もどきで
つんつるてんにされて
ぽっかり浮かんでいるうちに
ほら、奴らの手の内に落ちてしまうぞ
思う壺にはまってしまうぞ
ほら
ほら
ざっtざっtざっtざっt
ざっtざっtざっ ....
曖昧な答えと
曖昧な表情
{引用=私はあなたの一番にはなれないの?}
電話越しでも
ブラウン管を通していても
面と向かっていなくっても
はっきりと分かった
あなたの難しい顔
....
あなた以外いらない
これが俺の本音
今 あなたは誰といる
今 あなたはどこにいる
炎のような嫉妬で
俺は自分自身を焼く
あなた以外いらない
これが ....
あなたの隣にいると
体中の
毛穴が開くのを感じるの
ぶわあっと
体中から
何かが噴出して
息が出来ないくらい
それがなんなのか
わからないまま
いつもキスしてる
でっぷりと
脂の巻いた腹を
波打たせて
浮かんでいる
隣では
これまた太鼓腹が
頭にタオルを被せ
キリストよろしく
両手を手すりに預け
うたせ湯している
あちらの薬草風 ....
部屋にひかりが入ってきていた
あなたはひかりに手をかざし
くるっと
包む様にまるめて
飴を作ってくれたね
びっくりしちゃったけど
どうぞ、って渡されたから
どきん ....
10ヶ月ぶりに触れた顔
はにかむ唇
熱い体温
器用な指先
手
口
腕
冷たい足先
....
バス停のベンチに
毎日のように
座り続ける男がいるんだ
超然と背筋を伸ばし
ただ一点だけを見つめ
来るはずのないバスを
ひたすら待っている
廃線になった
路線バスのベンチで
....
何かが
この胸に落ちた
何かが
この顔に触れた
でも
それが“何”なのか
分からない
冷たくて
温かい
落ちてきた“それ”は
いったい“何”なのか
降り続いて ....
逢いたい
けど
逢うのは 怖い
知りたい
でも
知るだけ つらい
ゆらゆら
遠い
てんびん座
あなたと
わたし
つりあえないの
一気に見た物語に
夜中のわたしはすっぽりくるまります
にゃあんにゃあんと泣きたい気分
全身でなにかを目覚めさせたい気分
全身だけで終わりを見たい気分
お昼寝の途中で
いきなり体が震える ....
ストローの紙袋を
できるだけ遠く
白く、吹いて
氷の空へ飛ばす
と
コツンとあたった
かすかな点から
ぱきぱき、と
空はひび割れて
肝油ドロップがふりそそぐ
雪乞いの
甘い甘い、 ....
きちんと切ってお皿においてあった青林檎が
きれいに無くなってしまった
もしかして
ちゃんとした林檎になりたくて
ウサギになって野原に行っちゃったのかも。
ペンギンは夜に飛ぶ
黒い背中を空にむけ
今宵の星座をうつしたら
かわいい翼をぱたつかせ
一瞬の風をつかまえる
とんがり頭は羅針盤
短い足をきれいにそろえ
星間軌道を飛びま ....
カードは 秩序
壊すのはいつもジョーカー
笑顔ほど
恐ろしいものはない
と
いうこと
あなたはいつも
ジョーカー
笑顔でわたしを揺さぶって
このゲーム
負けるかもしれ ....
あなたの寝息をききながら
椅子に座ります
滑り落ちてゆく夕暮れを
読みかけの本に挟んで
あなたの寝顔を
こそりと見ます
....
とぶ 背中を みていた
なめらかな 飛翔
ぼくが 地球から
ぽつり おちても
世界は たえまなく
あたらしい 歴史を
年表へ かきこむ
肉体が 骨になり
たましいは また たび ....
雨、降ってきたかと
てるてるぼうず
雨、降ってきたよと
へのへのもへじ
雨、降ったやろと
黄色い傘
雨、降ったんかと
お地蔵さん
雨宿りの軒先を探しながら
帰り道 ....
夜中、目がさめて階下に降りると
君が僕を積み上げていた
たどたどしい手つきで慎重に積み上げ
途中で崩れると
ふうとため息をついてまたやり直す
時々どこか気に入らないようで
何か ....
24番目の駅で
赤いきれいな花を買う
枯れないうちに帰れればいい
ここより、どこかへ
帰れればいい
車窓は空を飛ぶ
すべる、すべる、寝息の上を
寝息に夜が積み重なって
もう、こんな ....
街路は閑散としている。
だが大道芸人は気にしない。
相棒は等身大の人形だ。
マネキンの手足はてんでに動き回る。
オーケストラはなし。音楽は手回しオルガン。
もの悲しい響きは人に ....
職場の同僚と{ルビ口喧嘩=くちげんか}して
{ルビ凹=へこ}んでいたハートに{ルビ靄=もや}がかかっていた夜
やり場のない気持を抱えたまま、散歩に出かけた
家を出て、ひとつ目の角を曲がると ....
天井に頭がつきそうなあなたと
どてっ腹に穴のあいた私は
どこか浮かれた心地で手を繋ぎます
やがて日暮れて
子どもたちはそれぞれのミノに潜りはじめる
私たちも
アンゴラのマフラーを身につけま ....
指のあいだからこぼれてゆく、
アルファベット、
ひらがな、
漢字、
カタカナ、
見覚えはあるけれど読めない象形文字、
もしかしたらヒエログリフ、
言葉になる以前のかけらたち、
さりりと ....
明るい娘たちだ
美知子が寝込んだ今日も
夕食を作り、洗濯をし
ピアノに行って
キャッキャと笑って
ぐっすり眠っている
小学六年の薫は
ふくらみはじめた胸を
ホイホイとかかえて笑 ....
おいらの心には爆弾
おいらの頭にも爆弾
心爆弾はいちど爆発し
おいらいわゆる臨死体験したけど
頭爆弾はどうやら
いまのとこ静かにしている
心爆弾も頭爆弾も
とてもスリリングな付き合い ....
薄くなってきたと言われないよう葉っぱを増やす
本気で光合成にチャレンジする
見つめられても赤くならない
暖かくなるまで耐える
3センチくらい伸びる
病気を治す
仲間 ....
その暗がりの
垣根の曲がり角
街灯の忘れた、深いところで
新しい
を待ち焦がれ
いつだって、夢に泳ぐ
暮れては明けて
それが僕らに与えられた規則で
夕焼けには耳の奥で
明日が開く ....
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