透明の中で
フォマルハウト

あの日から
わたしのからだは
透明なゼリーに
くるまれていて
それはずっと
あなたの温度を保っている

その感触は
やさしくて あたたかで ぷるるん

いつまでも
その中にいてはいけない気がして
ある日
抜け出そうともがいてみたら
それはますます皮膚に吸着して
永遠にわたしを閉じ込めた

だから今も
息苦しいあなたの温度の中で
わたしはひとり生きている



自由詩 透明の中で Copyright フォマルハウト 2005-07-05 00:31:43
notebook Home 戻る