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豊かさの中で
ぼくたちは泣いている

ほしいと思ったものが
いつでも手に入るから
いつでも捨ててしまう

持つべきものがなくとも
誰かが持ってきてくれる

便利さだけでは
豊かに ....
小枝の先に小さな緑が現れる頃
もう何度も使ってきた
「新しい」という言葉は
やはり新しいのだと不思議に感じる
今まで使ってきた言葉に
何かが足され
何かが積み重ねられ
今までにはない感動 ....
ついに定規は曲がった
まっすぐにしか使われない自分が
悲しくなったという
まっすぐに測れるものなんて
世の中のほんのわずかしかない
そう思ったらしい
もっと柔軟のある生き方を求めて
現実 ....
ヘッドフォンからクラゲが出てきた
きちんと右と左から
透き通るその姿は美しかった
片方が大きくなると
一方が小さくなったり
それぞれ浮いたり沈んだり
その度にひらひらと舞う姿は
まさにハ ....
昼寝をしたくなったので
風呂場にある海苔を持ってきた
それにくるまって
うとうととしていると
玄関のインターフォンが鳴った
先日頼んでおいた入道雲が届いたようだ
猫の手ではんこを押したが
 ....
郵便受けに葉書を取りに行くと
ワニが立っていて
小包は腹の中にあると言うので
両手で口を大きく開いて
上半身を口の中に入れて
ようやく取り出すことができた
小包を開けると
小さな電卓が出 ....
山の中の湖は
冬の空を見上げていた
晴れた空は気持ちいい

葉の落ちた周囲の桜は
寂しいけれど
光がその分入ってくるので
むしろその方が都合がよい

うんと背伸びをする
湖面が揺れ ....
今あなたが見ている空は
どんなにがんばっても
裏側までは見ることができません
けれども
その裏側を想うことは
できるはずです

今あなたが見ている人は
どんなにがんばっても
心までは ....
夢の中の街は
思っていたよりもずっと
重化学工業だった

建物はすべて
高度経済成長だった
メインストリートでは
地元の人々が
それぞれに近所話をしながら
いろいろな店へと入っていた ....
空に連なる白い花々が
青い大河に咲き誇り
そっと揺れはじめ
新しい季節が
空から舞い降りてくる

ふうと風が吹くたびに
花はなびき
ふと手に届くのかと想う

我に返れば
その飾ら ....
畑の真ん中から
どっしりと重い夏をもいで
両手で抱えた
なんだか地球を抱えている
そんな気がした

畑の真ん中から
重い夏を汗を流しながら運んで
丸い大きな宇宙の中にそっと入れた

 ....
どうしてなのかと聞かれても
はっきりとは答えられないけれど
いつしか人を
信じられなくなってしまったあなたへ

あなたはあなたであり
人は人なのですから
人が信じられないということは
 ....
季節を感じるその朝は
高く射しこむ光を返し
満ち溢れるまぶしさに
心湧く世界を誘う

茎は陽の角度に合わせ
その高さは届くように
葉は大きく広げ
近くに住む虫たちに
憩いの場を与える ....
夢を見ているだけでは
消えてしまうから
夢を摘みにゆこう

その夢は遥か遠くても
君のすべてが始まる
夢に終わりはないはず

夢を見ているだけでは
忘れてしまうから
夢を育てにゆこ ....
朝露が風に吹かれて踊りだし
その銀の光が草原を舞う
すべてが溶けてゆく
やわらかい朝

道を進めば
梢に止まる小鳥たちが
歌でぼくを迎え
自然の中とともに
あるべき姿の自分に気がつく ....
やわらかい風の音に誘われ
仰ぎ見る雲の白さに時を想う
軽やかに歩く子どもにすれちがい
友に会い喜ぶ顔に人を想う

さわやかな小鳥の声に耳を傾け
朝に咲く花の白さに生を想う
滑らかに下る車 ....
ぼくはイヌムギ

麦に似ているけど
人間にとっては有用ではない
でもそれは人間が勝手に決めたこと

今日もまた

朝の背伸びをしていると
子供に出会いました

どうやらぼくが邪魔 ....
ぼくはカエル

ふだんは道ばたでひなたぼっこ
からだが乾いたら水の中へ
のんきな生活

今日もまた

朝の散歩をしていると
シジンとやらに出会いました

シジン?
ぼくにはなん ....
たりぽん(大理 奔)さんのぽえむ君さんおすすめリスト(18)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
豊かさの中で- ぽえむ君自由詩18*07-12-1
「新しい」が新しい- ぽえむ君自由詩14*07-4-3
曲がった定規- ぽえむ君自由詩49*07-2-27
クラゲ- ぽえむ君自由詩24*07-2-19
昼寝- ぽえむ君自由詩8*07-2-15
小包- ぽえむ君自由詩15*07-2-10
山の中の湖- ぽえむ君自由詩17*07-1-3
今あなたが見ているものは- ぽえむ君自由詩20+*06-11-14
夢の中の街は- ぽえむ君自由詩14*06-11-12
飾れぬ花- ぽえむ君自由詩13*06-8-30
重い夏- ぽえむ君自由詩13*06-8-17
人が信じられなくなったあなたへ- ぽえむ君自由詩5*06-8-7
まぶしい世界- ぽえむ君自由詩9*06-8-4
夢が君を待っている- ぽえむ君自由詩7+*06-7-28
やわらかい朝- ぽえむ君自由詩11*06-7-27
巡り会い- ぽえむ君自由詩11*06-7-26
ぽえむ君−草魂−- ぽえむ君自由詩7*06-5-9
ぽえむ君−詩人−- ぽえむ君自由詩8*06-4-27

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