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炎は、
はちじゅうはち年の喉ぼとけを
紅蓮に染め、
煙は、
迎えにもこない夫をさがして
透明な森をただよい、
空の底をぬけていく。
( うつむく言葉たちよ
股関節のなかで
硬質 ....
補色の皮膚にくるまれた
みずみずしい
くれない色の球体、に
浮遊する
ありふれた夕暮れ
しゃりしゃり、と
浸食される空から
ふきだす
涙形の星が、
しゃぶり尽くされて
裏葉緑青 ....
補色を
なめるな
ぶつぶつ、と
不満が
表出している
円形、の、白い
棺のうえ、で
身悶える
完熟
とろり、と
かけられる
あまい
スペルマ
歓喜に震える
....
紅い、
ばかり、と
地雷をふむな
蒼い皮膚だって、いる
一皮剥けば
みんな
同じ、なんて
だれが言った
奧の、奧の、そのまた奧には
それぞれの夢
の種が
眠っている
影が
はるかな青を見上げて
さくら色のため息をつくとき
アスファルトに貼りつけられたおれたちは
光となって舞いあがる。
ぽっと頬をそめた月が
なよなよ と
しだれかかってくるのは
....
それは
僕にとっては
気の遠くなるほど
かなたにある存在だった
こっそり
見ると
虹色に笑っていた
いつも
その場所から
僕は
一歩も動きたくなくて
いまも
君のプリズ ....
毎晩この時間になると
小さな星のうかぶ
銀河を注ぐ奴がいる
注がれる女は
眠りのなかで
星の声を聴いている
星の声は
色をかえ
姿をかえて
女の胃袋に吸い込まれてゆく
毎晩 ....
三月
守宮(やもり)は
たべる。
ゆっくり
ゆっくり
味をたしかめるように
たべる。
産まれつづける現実(うつつ)をおかずに
夢を
たべる。
くり返されてきた儀式が
....
饒舌な静寂が夜を駆けぬけるとき
爆弾をしかけ
100000000の顔を吹き飛ばした奴は
3Dコピーで100000000の自分の顔を創り
すげ替える
100000000の静寂は
一瞬だけ ....