すべてのおすすめ
季節の企みはいつも残酷で
美しい踊り子達が咲き競う
真夏の舞台に素裸で引き出され
お前も踊れと囃されている
毒で相手をとり殺す化け物と
囃されている

あるいは
冬枯れて朽ちた安穏と
 ....
今年も庭の柿がたくさん採れたから
喜ぶ顔思い浮かべて
孫のところに送ろうと思うの
若い頃のあなたは
荷造りが上手だったわね
どんな大きな荷物でも
まるで手品のように紐をかけた
でも、今は ....
遥か昔、遺伝子に書き込まれた渡りなのに
都鳥たちは不安げに北に向かった
ずっとここに居てはいけないのかと
問うように翼を少し傾けながら

さっきまで浮かんでいた水面は
桜の花びらが埋め尽く ....
駅前のデパートが閉まると聞き
短い帰省の間、立ち寄った
商品のない売り場と
間もなく解雇される店員たちの笑顔が
とても痛々しかった

逃げるようにエレベーターのボタンを押したとき
七歳の ....
雪形を探して田を起こし
もみ殻を焼く煙に手を合わせるように
まじめに、まじめに暦と向き合って暮らしている
それでも時として川は溢れ、山は崩れ
食べていくのに難渋する

まじめに、まじめに生 ....
人影絶え
陽炎立ちゆらぐ道
夾竹桃だけが
問いかけるように咲く

流れる汗拭おうともしない
これからのこと考えると
ただ、ただ胸苦しくて
先を急ぐ

額縁のような夕闇
これからど ....
春の田んぼ
ミジンコ百万匹
夏の牧場
たい肥積み上がり
秋の終わり
もみ殻焼く匂い

そして冬
降り込められた
あなたとわたしの時の匂い

いい香りじゃないけど
嫌いじゃない
 ....
芽吹きは全ての緑
やがて水蒸気をまとい雲を作る
わずかな五月晴れも次に来る者たちのため

散る花を惜しむ心は
手をかざす真夏の太陽を待つことの言い訳
あるいは
また訪れる静寂の時への
 ....
涙、あふれて止まらない
まるで透明な血
鼓動にあわせ
まぶたのずっと奥
体の真ん中から
どくどくあふれて止まらない

もういいからと
誰かが許してくれた
誰? 何を?  ....
スッピン知ってる俺の時より
帰省の化粧は気合いが入るとか
親戚のおじちゃん、おばちゃんに
「いやぁ〜、アカ抜けたねぇ」と
言われたいためだけに
いつもの百倍厚く塗る

気張って作る西洋料 ....
とんがり帽子の雲が
隊列を組んで流れていく
間もなく夕暮れらしく
どの雲も右半分がオレンジに染まっている

地平までは一本の道が続いているだけで
街どころか木一本生えていない
雲が動いて ....
はるか昔、深海で織られた地層は
湧き上がる二つ対流の狭間で
荒々しくこそぎとられアルプスとなった
そのせめぎあいで
この谷を境に
やむを得ず東日本は南北に向きを変えたという

山中に住む ....
ドアを開けたらまだ真っ暗で
少しめげたけど
新宿行き高速バスの始発は5時3分
元気を出して、君に会いに行こう

バス停は牧場の横、畑の中
途中が手探り足探りの真っ暗で
牛が寝言でいつも驚 ....
色が死んでいく季節の中で
鮮やかに咲く秋の薔薇
何故それほどに、と
数え切れぬほど問われたけれど
同じ夏と冬の狭間でも
身を切られたことがない人たちに
その違いは決して分からない

そ ....
夜明け前、一本の道を歩いている
ほの暗い中、歩みに合わせて
さまざまなものが流れ来て
そして去っていく

どうしても分からなかった
いさかいの理由
あの時、君が呑みこんだ言葉
失くした ....
慰めの言葉をかき集めるつもりの帰省で
何のことはない
旧い友人たちを精一杯なぐさめる酒を飲んだ
思えば卒業をきっかけに
故郷を彼らに押し付けて
都会へ来た俺はまだ幸せものだったのかもしれない ....
それがコスモスだと気づくまでに
少し時間が必要だった
黄金色と言えばそれまでだけど
一番君にふさわしくない色

去り行く夏を心から惜しみたいから
毅然とした秋の気配に少しでも抗いたいから
 ....
風見鶏のように揺れ動く道標
風もここでは澱み、回り
容易にその吹き来る方を
明かそうとしない

作り笑いの意味にこだわり
ただそれだけのきっかけで
旅に出てはみたものの
この道程がただ ....
弄び過ぎたライターの火は
煙草を近づけると消え
明日は
昨日の中に終わっていた

何か伝えなくては と思いながら
言葉が壊れていくのを見つめ
会話はいつも
始める前に途切れていた

 ....
……とある蛙さんの西天 龍さんおすすめリスト(19)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夾竹桃__~夏が来るたびに~- 西天 龍自由詩513-6-9
柿の木のある家- 西天 龍自由詩411-11-24
約束の地- 西天 龍自由詩411-6-1
とても控えめな愛に育まれていた頃- 西天 龍自由詩24*11-2-1
神々が宿るという紺碧の空に- 西天 龍自由詩6*10-12-10
夾竹桃が咲く頃- 西天 龍自由詩3*10-8-8
いのちの匂い- 西天 龍自由詩6*10-6-23
次に来る者たちのために- 西天 龍自由詩8*10-5-6
涙あふれて- 西天 龍自由詩4*10-3-20
田舎モンの厚塗り- 西天 龍自由詩4+09-12-28
逢魔ヶ刻- 西天 龍自由詩6*09-12-24
時の記憶- 西天 龍自由詩9*09-12-2
君に会いに行こう- 西天 龍自由詩6*09-11-6
秋の薔薇- 西天 龍自由詩3*09-11-3
一本の道- 西天 龍自由詩7*09-10-10
帰省- 西天 龍自由詩10*09-9-30
キバナコスモス- 西天 龍自由詩4*09-9-26
旅の意味- 西天 龍自由詩3*09-9-20
昨日の中に- 西天 龍自由詩7*09-9-19

Home
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する