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     朝目覚めると空のコップが
     ひとつ置かれている
     わたしは満たす
     さわやかな空の青さ
     もうすぐ咲くだろう蕾の息遣い
     少し焦げた目玉焼き ....
     今夜わたしは玉葱を刻む
     包丁の切れ味は鈍いが
     こんな夜にはちょうどいい
     指先と玉葱と踊る包丁
     それだけを見つめ、不器用に
      ....
   あれは空だろうか
   それとも海だろうか
   わたしが欲しかったのは
   あの青だったのだ
   体中の骨を関節を筋肉を
   すべてを伸ばし
   掴もうとす ....
     わたしは帰る
     猫の住む我が家へと
     服も靴下も脱ぎ散らかし
     ひんやりとしたベッドへ
     もぐりこむ
     鼻先の生温かなけものの匂い
 ....
     まっしろなカップに
     夜が満ちる
     からっぽなわたしは
     真っ暗な部屋で
     夜を見つめてすごす
     安堵のなか
     ごくり ....
   手を繋ぐソーダー水に寄り添ってただ一粒の泡となるまで
由木名緒美さんの石田とわさんおすすめリスト(6)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
日常- 石田とわ自由詩8*16-4-29
玉葱色の眠り- 石田とわ自由詩9*16-3-27
青になる- 石田とわ自由詩16*16-2-24
金の目と金の月- 石田とわ自由詩16*15-9-4
月なしの夜に- 石田とわ自由詩20*15-3-3
ただ一粒の- 石田とわ短歌9*13-10-20

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