おもいは目線のさきにあり
よそう前に 両手あわせます
名前も住所もしらずに ここにきたこと

目線のさきは しろいしろーい もちもちのふんわり
とどきすぎる、炊けるにおい
今夜 いっぱいぶ ....
両の指を痛い位絡めて
錆びたフェンス越しに友を見ていた


立ち入り禁止区域
思い切り高く遠くへ放った
僕達の鞄
一瞥して走り行く
君の ズザザと力強い
足元の埃


駆け上が ....
時間は意識しなければ

いつの間にか流れているけど

本当はこうしている間にも

一秒一秒刻々と動いている



僕達はそれに気付かずに

過去にしがみついたり
 ....
ひとつふたつと
どんぐりの実を数えながら
息子は
年の数をおぼえた

ぼく みっつ

小さな指で
小さな生き物のような木の実をつまんで
みっつの命をならべていたが

あっというま ....
だきあうとき
ぱずるがはまったように
わたしはかれのなかにおさまる
しんぞうのおとがきこえる
せっけんのにおいがする

きすやせっくすはしていても
こんなにしっかりと
「だきあう」こと ....
上を向いて歩いたら
足元が見えずに
100円玉、拾い損ないました


下を向いて歩いたら
空が見えずに
流れ星、見損ないました


だからまっすぐ前を向いて歩くことにし ....
美味しそうにゃ

食べたいにゃ

空 高すぎるにゃ

にゃごなぁ

このへんで一番高いビルの屋上からジャンプしようかにゃぁ

近所のスーパーに忍び込んで サンマを頂戴するほうが早いかにゃ

秋だからに ....
木犀が息をする

星が散らばる

中天に傾く

オリオンを探す

あっちが南か

僕は独りだ


夜はとめどなく

秋の透明な孤独を

人はとめどなく

見えない ....
緋の蝶を君のみぞ知る胸に彫る無血のいたみ翅広げ咲く

手のなかの諸刃はいつしか時じくの命となりて食らうかなしみ

疼くはばたき連れて生きるというならばわれをともない生きてくれぬか
全てを飲み込んで許し
傷つけ吐き出す


片足がほろんでいる男の
肘にぶら下がる女

際限なくせばまり風にうずまく砂は
常に何かを形作ろうとし瞬間
走るように崩れ去り
うめきすら ....
野いちごを食べて、細いけものみちをわけいった。
蔦が絡まる門が、行き止まりを告げているが、
白い壁に覆われた一対の塔をもつ建物は、
わたしを甘い蜜のように誘惑した。
とり憑かれたように、門をく ....
東に開かれた 窓があった
ソファーにもたれて
書物に目を落としていた

部屋を採光された 光が
うねり 本を照らす

読み継ぐ事に 少し疲れ
目を空へと あげる

陽光は石をも貫き ....
3 3 3
2 2

送信
空にたつ少年
キャンバスを粗く擦ったような
雲をみあげる
銀色の髪
長袖Tシャツとバスケットシューズ
細い骨の孤独を
風に{ルビ晒=さら}している

視界に収まらない空
どこからがは ....
晩夏の草むらに足を踏み入れると
かわいた空気がひび割れて
よれた、真っ白いシーツが敷かれ
見たことのない男が横たわっている
あばらの上には、何本もの{ルビ径=みち}があり
そのどれもが、わた ....
「 人生は素晴らしい  生きているって美しい 」  白い顔の犬が笑う

 嗚呼 そんなことは どうでもいい   可愛いオンナの手を握りたい


「 人類が みな兄弟なら どうして殺し ....
{引用=落花することに歓びがあるとするならば
目の前に横たわる海鼠状の災禍を受け入れてみたい}

あなたと
わたし
コロシアムと密かに呼び合う
誰ひとり立ち入ることの無い塔屋の片隅で
ふ ....
人知れず投げたる石のよく飛びて湖心に落ちぬ秋ぞ明るき 一面に広がる花畑
真ん中に大きな木があって
枝には天使が座っている
そんな柄の描かれたマグカップ
同じものを二つ持っている理由は
多分君と僕しか知らない

見飽きるほど溢れて ....
 
 
ノスタルジックな夕陽に
息を吹きかける
 
(あかね、
 
呟いては繊細に笑い
凝りすぎた肩をぐるりと回す
 
過去の残像より
今の空のほうが余程親切で
おーいおーいと ....
桔梗の匂いです
ほんのりぼかした地平線は
花のうねりが続いています
その上をすべる
乳白色 あおい月
輪郭はまだうすい


   夜はさらさら
   風はさやさや


月は花の ....
不幸せの数を数えてみた
ひとつ、ふたつ、みっつ
数えてるうちに
意味がわからなくなった
なんでそんな事数えてるんだろう
ひとつ、ふたつ、みっつ
いくら数えてみても
意味なんてわからなくて ....
すべてにけりをつけて
ゆっくり回りだす世界に
打寄せる思い出
消えるわけじゃない
最後にゆっくり
涙をこらえて踊る
涙色の照明に照らされ
「またね」
言葉に隠された
「さようなら」
 ....
見上げれば透明なアクリル
水色の水彩絵の具
四時間後の空
連れてきたアキアカネ

薄く積もった白
描くのは乙女の髪を梳く風
乗せられてきたあえかな鈴の音
今や懐かし夏の日 ....
この道は
君のカーナビには存在しない
私たちは海の中を走っていると言う

海の中の
あるのに無いという道を
私たちはただ進む


夜は飛行機をどこに運ぶのだろう
温かな ....
あ、が悪意で
い、が意地悪で
う、が疑い深くて
え、が怨恨で
お、が汚染で

そんな世界じゃなくて

あ、がひろいひろい「アイ」で
い、が色鮮やかで
う、歌声で
え、が笑顔で
 ....
今日、ってこの空の
どこにあるんだろう

今日、さりげなく流れた風も
もう見つけられない

昨日は、星
明日は
 
住み慣れた故郷のことを
「教えて」と言われて気づく
知らない罪を
 
 
【無駄知識】
そう決めつけて否定した
浅慮な昔悔いても遅い
 
 
故郷に刻み込まれた歴史ほど
尊 ....
今日は静かな雨
君と焚き火をしよう
やさしいぬくもりでは
凍えてしまう夜だから
黒松の薪なら
煙は雲まで届くだろう
そしたら湿り気の凝集で
雨が雲から
絞り出される

だから焚き火 ....
恋に似た
淡く儚い
柔らかさ
春風の色
幼き記憶
小原あきさんのおすすめリスト(2432)
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